第06話・演奏!?





時間は少しさかのぼる。



唯と和は、掲示板に貼られた軽音楽部のポスターを眺めていた。



『軽音楽部 一緒にバンドやりませんか? ギタリスト募集!!』




「ほら、何かバンドとかするみたいよ?」

「バンドっていったら、川相」

「それはバント」

「ぼんばでぃぼー」

「それは坂東」

「えー? 私ギターなんて弾けないよ…」

「じゃ、何なら弾けるの?」

「く…口笛?」

「……外で吹かないでよ」



そして、唯は酒場の2階へ。




「ここか〜〜…入ったばかりで言いにくいけど…やっぱり辞めるって言おう
 …軽音部ってどんな人がいるのかな? ……さっきから何話してるんだろ?」


「そういえば、さっきからあそこに誰か……」

「確保ーーっ!!」

「ひいっ!?」



律は、物陰から様子を伺っていた女の子を、得意のチョークで捕獲した。




「あ、もしかしてあなた、入部希望の平沢唯さんじゃない?」

「まあ! 4人揃ったわね!」

「なん……だと……」

「ギターがすごくうまいんだよね!? 来てくれるの待ってたよー!!」

(なんかあらぬ尾ヒレがついてる!?)

「部員が4人いないとパーティーとして認められなくて、
 1ヶ月以内にあと1人集まらなかったら、廃部になるところだったんです」

「本当に入部してくれてありがとう!」

(ますます言いづらいー!)



結局、唯は正直に辞めたいと告げることに。




「え…? 辞めるって言いに来たの?」

「も…もっと違う楽器やるんだと思って…」

「え? じゃあ、何なら出来るの?」

「く、口笛っ!!」

「じゃ、吹いてみせ…」

「ごめんなさい。吹けません」

「え?」



そして……。




「他に入りたい部活とかあるの?」

「う、ううん。特には…」

「それならさ、私たちの演奏一度聞いてから、入部するかどうか判断しない?」

「え? 演奏してくれるの?」

「楽器はないけどな」



そして演奏がはじまった……!


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