第34話・振り返れば志摩子がいない


ほこらを出ると、ちょうど渇きの壷の効力が切れたらしく、
島は浅瀬へと戻っていった。

さて、祥子たちは今まで開けることのできなかった牢屋の扉を開けるべく、
あのセンスの悪い兜のあった村(注:ムオル)を目指して海を南下することにする。

途中、ヘルコンドル×2が出現。
バシルーラを受けた志摩子が遠くへ飛ばされてしまう!
ぶっちゃけありえない展開だ。ていうか、マジやばくない?
ヘルコンドルは3人でなんとか倒したものの……。

祥子
「志摩子を迎えに行かないと……でも、どこにいるっていうの!?」
祐巳
「まずは志摩子さんを探しましょう!」

……って、どこにいるんだ?

一行は当初の目的地である、センスの悪い兜の村へ。
まずは教会に行ってシスターに助けを求めることにした。

シスター
「おお、迷える子羊たちよ。
 こんな夜更けにわが教会にどんな御用でしょう?」
祥子
「志摩子を探してください!」

……そんな選択肢はない。

シスターの力をもってしても、志摩子の居場所はわからないらしい。
3人は志摩子が早く見つかるようマリア様にお祈りし、
当初の目的通り牢屋の扉を開けて小さなメダルを入手。
遠くに飛ばされた志摩子を探して、船で大陸沿いに南下することにした。

祥子たちは、胡椒探しのときに見つけた島国に到着。
志摩子を探す為に町(?)に足を踏み入れた。
この町はジパングというらしい。
祥子たちは教会を探すものの、見当たらない。
神父さんが歩いていたので話し掛けてみると……。

神父
「私、この国に神の教え広めに来ました。
 でも! オー! ここではヒミコ、神様ネ!」

祥子たちは思った。
敬虔なキリスト教徒である志摩子なら、ここに来ているかもしれない、と。
一行は志摩子を探すため、必至でジパングを探索する。
タンスの中、袋の中、徹底的に探し回る。
もちろん、「やってることがいつもと同じだ」とツッコミをいれる
などといった、はしたない読者など存在していよう筈もない。

さて、この村ではヒミコの決定により、
おろちという怪物にいけにえを差し出している様子。
いけにえは女性の中から選ばれるらしく、
女学園育ちの一行には他人事ではない。
が、今は志摩子探しが先だ。
念のためヒミコにも情報を聞いてみるが、相手にしてもらえない。
仕方なく、壷の並んだ地下室で志摩子を探す。

祥子は壷の中を覗き込んだ。
なんと! 人の頭が見える!

祥子
「志摩子、そんなところに!」
祐巳
「お姉さま、落ち着いてください。志摩子さんじゃないですよ。」
やよい
「お願いでございます! どうかお見逃しを!
 せめてもうひととき、生まれ育ったふるさとに
 別れを告げさせてくださいませ。」

どうやら、いけにえにされそうになって隠れていた女の人のようだ。
女の人はついてくる気がなさそうなので、祥子たちはひとまず地下室を出た。

さて、ヒミコが怪しいが、正体を暴く手段がない。
近くの洞窟も怪しいが、3人では心もとない。
一行はひとまずジパングを出て、対岸にあるほこらへと向かった。

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