ファーランドについて





土地は広大だが不毛。
この大陸独自の生物もいたが、アレクラスト一般の生物が暮らすのには適さなかった。
もちろん、当初はその存在を知る者もさほど多くなかった。

他の大陸と陸の繋がりがなく、支配すべき蛮族もほとんどいなかったため、
広大な大地をこの土地の存在を知る魔術師たちが勝手に線引きして、
所有権を主張していた。隣地同士のいさかいが頻発したが、
後に、指導的立場にある魔術師たちによって境界が確定され、
争いには一応の終止符が打たれる。

この境界で区切られた各土地はエリアと呼ばれ、
エリアを支配する魔術師たちに(もちろん留保つきではあるが)
エリアの支配権が付与された。(これには、ファーランドの大部分は地盤が弱く、
魔法で地盤を補強する必要があったことが一因として挙げられる。
各エリアの支配者に地盤補強の魔法装置を管理させる義務を課することで、いつか使い道
ができるかもしれない大地を沈まないようにしておくという目論見があったと思われる。)

多くの魔術師は、広大な台地を利用して大規模な魔法の実験を行っていた。
ゲートで他の大陸と行き来することができる隔離された実験場は、
色々と都合がいいものだったのだろう。
中には、闘技場に変わる新しい奴隷の競技を考案し、
その競技地を作り出すなどの変り種もいた。
(例:巨大な迷路を作って奴隷を放り込み、丘の上から眺めるなど)
土地柄か、広範囲に効力を及ぼす魔法装置も多く作り出されたが、
古代王国の崩壊とともに地盤沈下などが相次ぎ、魔法装置の多くは地下に沈んでしまった。
しかし、地下の魔法装置の一部はまだ「生きて」おり、現在でも、
エリアによっては地形が変形していたり、局地的に不自然な天候が続いたりと、
当時の魔術師たちによる活動の名残が残っている。

なお、魚を食料とできる外延部には、いくか人間の集落が存在する。
文明のレベルはやや低いようだが(現在のアレクラスとの蛮族とほぼ同等)、
失われた魔法装置について、何か知っている者が見つかるかもしれない。


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