そして明日の世界へと
結局、当初の予定通り、ミゴリの使いを倒してから24時間後に
元の世界へと戻る目処が立ちました。カトレアはディースの傷を癒し、
ヴェーナーに目覚ましを頼んで全員が休息をとります。
そして、定刻通りにヴェーナーに起こされました。
ヴェーナー:全員で手をつなぎ、空間の裂け目に飛び込んでください。
レイディア:ディースの左手はもらうわ。もちろん、胸の方に寄せて……。
フアナ :……ディースの右腕に……胸、押し付ける……。
ディース :おおお……って、貧乳と革鎧越しじゃねえかよ!
レイディア:胸は当ててないから!
ディース :悪い。フアナの方見てたから。
トゥエリ :腕と胸を間違えたわけデスね。
レイディア:解説しないでいいから!
フィーエル:あう。レイディアさんの、右手。
レイディア:塞がってるでしょ! ていうか、右と左また忘れたの!?
フィーエル:こっちが、右手だから、こっちも、右手。
レイディア:違うの! 向かい合ったら逆になるのよ!
フィーエル:こっちが、左手?
レイディア:そっちは変わらないの!
フィーエル:あうー。
レイディア:もういいわ。フィーエルの右手掴むから、トゥエリは左手お願い。
トゥエリ :わかりましたヨ。
フアナ :(右手を差し出しながら)……レイディアのが、よかった?
カトレア :(フアナの手を取りながら)んー。別にいいんじゃないですかねー。
ヴェーナー:では、タイミングを合わせて飛び込んでください。
レイディア:行くわよ。せーのっ!
G M:では、全員冒険者レベル+敏捷度ボーナスで。
ひどい失敗をすると、手が離れてしまいます。
レイディア:判定いるのっ!? (ころころ)18。
フィーエル:たいじょうぶ、かな? (ころころ)17。
トゥエリ :(ころころ)20。 これだけあれば。
ディース :おらあっ! (ころころ)22!
フアナ :(ころころ)……17。
カトレア :(ころころ)17ですねー。
G M:全員成功です。手を離すことなく、飛び込めました。
ヴェーナーの送還の判定は(ころころ)出目10で成功。
ベストに近い座標です。一行は、元の世界へと送還されます。
オラン北方。
ミゴリは、かつて自らを滅ぼした竜の姿をとっていました。
ミゴリは特殊能力によってゴーストの兵団を作り出し、
王都オランに向けて進軍しています。
さて、ゴーストはやられても補充が利くので、
ミゴリは前線から離れた位置を進んでいたのですが、
その目前に、突如冒険者達が現れます。
自らの力が及ばない別の世界からのことなので、ミゴリはとっさに反応できません。
G M:皆さんは無事に着地しました。
神の降臨の副産物か、空は見渡す限りの灰色です。
皆さんの目前には、体長5メートルほどの灰色の竜の姿があります。
普通のドラゴンよりはかなり小ぶりなサイズですが、
ライトニング・バインドで縛れる大きさではありません。
レイディア:まさか、こいつが……。
G M:セージ技能の判定は(ころころ)レイディア18、フアナ1ゾロ、
トゥエリ13、カトレア15、ディースが14、フィーエルが11。
誰もわかりません。
そして、突然、ディースの剣が喋りだします。
剣 :敵はかつてヴェーナーを滅ぼした古竜の王じゃ。
闇の精霊の力を司るが、太陽の光に弱いぞ。
武器のダメージはクリティカルせん。気をつけろ。
ディース :うおっ!!?
G M:そんなやり取りを無視して、竜が口を開きます。
ミゴリ :かえってきたか。それほどまでにわれがにくいか。
レイディア:……?
フアナ :……古竜の王じゃなくて……ミゴリ……?
剣 :ミゴリが眷属の口を利用しておるだけじゃ。惑わされるでないぞ。
カトレア :んー。あの人、そんな面倒なことしませんけどねー。
トゥエリ :その剣の言うことは、とりあえず放っておきましょう。
剣 :敵は七色のブレスを吐くぞ。気をつけろ。
ミゴリ :あのごーれむもなんじらをにくんでおったぞ。
レイディア:いや、普通に正当防衛でしょ。
トゥエリ :別の世界のこともわかるんデスかね?
ミゴリ :………………きおくをけされたか。
フアナ :??
ミゴリ :おもいだせ。おもいだせ。おもいだせ。
レイディア:私の知らないところで話進められても困るんだけど。
G M:ヴェーナーの肉体が滅びたとはいえ、
世界をまたがって歴史に干渉する力は健在です。
そして、肉体を持っているとはいえ、
ミゴリには歴史に関してはヴェーナーほどの力は持ちえません。
ただ、神であるミゴリが干渉しようとしているので、
奇跡的な確率で思い出すことが可能です。
各人36分の1の確率で、合計して2D6で10以上で思い出せます。
代表者が1回振ってください。これが最後のチャンスです。
レイディア:やってやろうじゃないの……(ころころ)4。
G M:現実はそんなもんですね。
やはり、ミゴリが何を言っているのかよくわかりません。
レイディア:わ、わけわかんないこと言ってんじゃないわよ!!
フアナ :……これだから……神なんか……。
トゥエリ :問答無用ということデスかね。
フィーエル:あう! 邪神、悪者!
ディース :へっ。世界を救う魔法戦士って、かっこいいよな!
カトレア :んー。回復魔法くらい使わせてくださいよ?
ミゴリ :ならばいけるしかばねとなり、みらいえいごうわれをうらむがよい!
かくして、最後の決戦が幕を開けました。
最終話前編・第1節 へ
最終話前編・第3節 へ
トップページへ