司祭の悲鳴








G   M:その少し前、フアナ+マリアVSベス+車輪騎士団。
      1ラウンド目の行動宣言。
      普通の人間ではエルフの知力の相手にはなりませんので、
      もちろん車輪騎士団から先に行動宣言です。
      車輪騎士団のうち、4名は展開して2人を囲みます。
      その4人は、妙な人形を1体ずつ、
      左手に持っているか腰に下げているかしています。
      残る4人は、2人ずつマリアとフアナに攻撃。
      エリザベートはなぜか後退します。

フアナ  :……妙なマジックアイテム……?

マリア  :むぅ……囲まれねばよいということか?

フアナ  :……スリープ・クラウド……。

マリア  :我もじゃ。

G   M:そちらの方が速いので、全員的に入りますね。
      では、1ラウンド目の処理に移ります。

フアナ  :……スリープ・クラウド……(ころころ)1ゾロ……。

マリア  :では我が。スリープ・クラウド! (ころころ)12じゃ。

G   M:車輪騎士団は眠りません。ベスは(ころころ)抵抗。
      人形を持った車輪騎士団4人が、フアナとマリアを取り囲みます。
      それによって何が起こったのかはわかりません。
      フアナとマリアに2回ずつ攻撃。攻撃点は12です。

フアナ  :(ころころ)出目3でも避けてる。

マリア  :(ころころ)相手にならんのう。

G   M:2ラウンド目の行動宣言。
      攻撃をかわされたことにより、車輪騎士団の顔色が明らかに変わります。
      外側の4人も人形を捨てて移動攻撃。攻撃対象は、合計4人ずつです。
      ベスはセージ技能の判定に失敗しているので、バニッシュはしません。
      ベスはさらに距離を取ります。逃げる気か、
      あるいは、フォース・イクスプロージョンのための距離稼ぎか、でしょう。

フアナ  :……2ラウンド連続? ……あの女、遅くない……?

G   M:先ほどのラウンドの移動距離が、約8メートルです。

マリア  :鎧が重過ぎるのではないか? 我の本の恰好の標的じゃのう。

フアナ  :……いいこと考えた……あの女に本使って。

マリア  :わかったぞ。

フアナ  :……わたしは……避けながら演説する……。

G   M:では、2ラウンド目の処理に入ります。

フアナ  :……今から……あの女の秘密を暴くから……。

G   M:聞こえますが、騎士たちはそれどころではありません。

フアナ  :……。

マリア  :仕方ないのう。我は本を開くぞ。

G   M:では、ベスにとって不利益な内容がびっしりとかかれたページが開かれます。
      ファリス神殿に入る前に、家ぐるみで裏金を使って、
      高待遇で神殿に入ったというのが主な弱み。
      そして、その際に金銭的援助をしたロベールの家の意向に逆らうことが
      できず、事実を明るみにされたくないばかりに自分も従っていること。
      あとは、既婚者の男性信者に一瞬ときめいてしまったとか、
      魔法の使えない上司に頭を下げたなどといった、
      信仰に反するのではないかと自分で思っている行動など、
      普通の人間ならばいちいち気にしないようなごく軽微なものです。
      抵抗は(ころころ)出目11で楽勝。
      ダメージも止まりましたが、この人の一番大きな傷をえぐりました。
      (ころころ)セージ技能の判定には失敗。
      精神攻撃されたことにも気付いていないので、
      この本がマジックアイテムだということはわかりません。
      アノスにいたときのことなど、ロベールが知りえないことまで
      書かれているので、ロベールの仕業だとも思えません。
      隠し通してきた秘密を知られたベスは、何をするかわかりません。
      具体的には、6分の2の確率で逆上、6分の2の確率で戦意喪失、
      6分の2の確率で退却します。(ころころ)退却ですね。
      あとは、特に気にしていない車輪騎士団の攻撃。各人に4回ずつです。

フアナ  :(ころころ)……全部避けた。

マリア  :(ころころ)弱い。弱すぎるぞ。

G   M:ベスは距離を取る行動をキャンセルします。
      そして、3ラウンド目。ベスは馬に乗って元来た方向に戻って行きますが。

フアナ  :……追うメリットが、ない……。

マリア  :そうじゃのう。

ベス   :……うあああああああああああっ!!

G   M:ベスは叫びながら逃走します。
      残された騎士たちのうち、数名はその怪文書を見てるんですけどね。
      今の件で邪悪判定の信憑性は若干薄らぎましたが、
      特に信仰心のために戦ってるわけではないので、士気に直接は影響しません。
      何もしなければこのまま戦闘続行ですが。

フアナ  :……追わないで……いいの……?

G   M:追う気があるんなら、言われないでも追ってます。

フアナ  :……あの本は、向けられた者の悪事を映し出す……。

マリア  :ぬしらも色々とばらされたいのか?

フアナ  :……向けられたくなかったら……話を聞いて……。

G   M:そんな脅迫は通じません。

マリア  :レイディアさえおれば、どうとでもできるというに……。

フアナ  :……わたしは……レイディアには勝てないの……?






単に交渉能力だけではなく、エルフと子供?(邪悪宣言付き)が
お堅い連中とまともに交渉してもらえるか、という問題です。
フアナはそれを理解した上でマリアとスリープ・クラウドを唱えたのですが、
2人揃って出目が悪すぎ。その1ラウンドの間に、接敵されてしまいます。
結果論とはいえ、完全に裏目に出ました。






G   M:オランを敵に回すのを恐れて手出しを躊躇するフアナとマリアに、
      車輪騎士団が迫ります。そのとき、空が急に薄暗くなりました。
      カトレアがミゴリを降臨させたときと全く同じですね。

フアナ  :!!?

マリア  :な、なんじゃ!?

G   M:車輪騎士団も、戦闘態勢を維持しつつ、全員慌てています。

フアナ  :……わたしたちエルフは、千年の昔からこれに備えていた……。

マリア  :

フアナ  :……これは、邪神が降臨する前触れ……。

G   M:車輪騎士団は、唐突に始まったフアナの演説に耳を傾けます。

フアナ  :……光の軍勢同士で争ってる場合じゃない。

G   M:確かに、敵が邪神であればその論法も成り立ちますし、
      仮にも大国の騎士ですから、神々の大戦のことは知識としては知っています。

騎士C−1:邪神だと?

フアナ  :……わたしたちは……邪神信仰のダークエルフを止めにきた……。

騎士C−2:ダークエルフ!?

騎士D−1:あの小僧の言った通りだ!

マリア  :ぬしらも、敵がダークエルフだと知っておったのか!?

騎士D−2:邪神が降臨したらどうなるんだ!?

フアナ  :……世界が……滅ぶかも……。

騎士C−1:なんということだっ!!

騎士C−3:何か方法はないのか!?

騎士D−2:どうなってるんだよぉ!?

フアナ  :……兵力しだいで……儀式が終わる前になんとかできるかも……。

マリア  :力を合わせて突入すれば、まだなんとかなるやもしれぬ。

騎士C−1:しかし……。

フアナ  :……そっちの人数は? こっちは、精鋭が10弱。

騎士D−1:残り三十数名、騎士は二十騎全て健在だ。

騎士D−4:隊長!?

フアナ  :20騎が、全て健在!!? そ、それだけの数で、あんなに……!?

騎士D−1:目的は、ダークエルフの率いる部隊の殲滅だ。

騎士D−4:隊長、まだこいつらが味方と決まった訳じゃ……。

マリア  :我らには、最初からぬしらと敵対する気などない。

フアナ  :……責任者と、話がしたい……。

マリア  :その気になれば、ぬしらなど片腕でひねれたわ。

フアナ  :あ……!

騎士C−1:な、何をっ!?

騎士C−2:言わせておけば!

騎士D−1:落ち着け。

騎士D−4:しかしですね、隊長……。

騎士C−1:落ち着いていられるか!

フアナ  :……これで被害数0ということは……まとめられる指揮官が、別にいる……。

騎士D−1:そうだ。本陣に、かつて将軍だった男がいる。

騎士D−4:隊長!?

フアナ  :……かつて? ……その人と交渉したいんだけど。

騎士C−1:させるわけがあるか!

騎士D−1:だが、あの小僧なら何かわかるかもしれん。この情報を届けねば……。

騎士C−1:二手に分かれればいいだろう。

騎士D−2:このまま続けても勝てる気が……。

騎士C−1:貴様、何を……!

騎士D−1:この者らの情報の献上をもって、手打ちにするが上策であると考えるが。

騎士C−1:そう言われたところで、攻撃されてむざむざ引き下がれるかっ!?

マリア  :我が捕虜になろうぞ。それで問題あるまい。エルフの娘は仲間に伝えに行く。

フアナ  :うう……でも……。

マリア  :ぬしにはすることがある。我を信じよ。

フアナ  :(マリアのあの指輪なら、レイディアが探知できる。)……うん……。

騎士D−1:これで双方の主張が通った。この者を連行する。

騎士D−2:了解しました。

騎士C−3:体面は保たれるな。

騎士C−1:しかし、ファリスの司祭が邪悪だと……。

騎士D−1:司祭様は邪悪とやらに背を向けられた。気にしないでいい。

騎士C−1:しかし……。

騎士D−1:責任は私が負うから。

騎士C−1:はあ。そういうことなら……。






周囲が暗くなるまでに、スリープ・クラウドを唱えてないか、あるいは、
マリアの暴言がなければもう少しすんなりいったのでしょうが、
なんとか交渉はまとまりました。
マリアを縛った騎士たちは、人形を回収し、馬を連れて引き上げていきます。






フアナ  :……儀式、完成させないと……。





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