DARKLOWS
G M:レイディアたちは、隊商の馬車を目指して、森の中の道を進みます。
レイディア:いざというときのために、ピニーズのクエストは解除しときたいわね。
トゥエリ :なるほど。ディスペル・オーダーデスか。
レイディア:ディスペル・オーダー!(ころころ)19。
G M:(魔法強度20なので)クエストは解除されません。再挑戦もできません。
レイディア:まあ、最初からできるとは思ってないけどね。
G M:(使命達成のたびにかけ直す手間があるので、20しかなかったんですが。)
ピニーズ :ご、ごめんなさい……。
レイディア:謝らなくていいのよ。でも、ダークエルフは見られたらまずいわね。
トゥエリ :確かにそうデスね。私たち、気にしなさすぎデスが。
ピニーズ :僕、隠れた方がいい?
レイディア:うーん。ポリモルフで猫に変身させるから、抵抗しないで。
ピニーズ :うん。信用してもらえないのは仕方ないから。
レイディア:なかなか賢いわね。
トゥエリ :なるほど。そういうことデスか。
レイディア:魔力ゼロでかけるから。
トゥエリ :後で、ディスペルで一発解除する気デスね。
G M:それなら、達成値は後で決めたのでいいでしょう。
ピニーズは抵抗せず、猫の姿になります。
レイディア:わかりやすいようにトラ猫だから。
ディース :くししし。何がわかりやすいんだよ。他にいくらでもあるだろ。
G M:さて、町には死体と、フアナ、カトレア、マリア。
あとは、生ける屍のゴーストが4体。
カトレア :さて、マリアさん。
マリア :なんじゃ?
カトレア :僕の暴走を止めるためにこちらに来たんですよね?
マリア :知らんのう。
G M:嘘です。
フアナ :……嘘。
マリア :面倒な魔法じゃのう。……仕方ない。その通りじゃ。
フアナ :……この状況で……レイディアとディースから、目を離すなんて……。
マリア :我ら全員と同等の力を持つやもしれぬ奴らが相手じゃ。仕方あるまい。
カトレア :ありがとうございます。
マリア :それがわかった以上、我は邪魔か?
カトレア :いえ、マリアさんには仲間になってもらいます。
マリア :?
カトレア :……その本、おそらく、周囲の人間の心を覗く能力ですよね。
マリア :そうなのかのう。深く考えておらぬが。
フアナ :……本に住む何者かが、心を覗いてる。ページに浮かぶ文字は、幻覚。多分。
マリア :そうであったのか?
カトレア :ページを僕に向けてください。僕にとって不利益なことが出てきます。
それはきっと、覗かれたくない深層の意識。
ページを読めば他の人にも伝わります。
事情を理解してもらうには、それが一番だと思いますので。
マリア :ならば、ページを向けるぞ。この能力を使った本人は、読めぬがな。
G M:では、カトレアが全滅した村に帰ってきたときの心情が
ページに文章で映し出されます。当時の主観で描かれているせいか、
いつかカトレアが語ったそれよりも、格段に生々しく、惨いですね。
フアナ :感情に流されるのは嫌いだけど、こいつらだけは絶対に許せない!!
G M:なぜかゴーストたちにも読めるようです。
先ほどのカトレアの共通語は理解していませんでしたが、
彼らには、どうやら別の言語で見えているようですね。
同じ境遇の彼らにはカトレアの気持ちがよくわかるようです。
ゴーストたちは「殺してやる!」「殺してやる!」と息巻いています。
フアナ :……本を、カトレアに向けたまま、わたしが持つ……。
G M:そうすると、マリアも内容を読むことができます。
マリア :………………なんという……惨いことを……。
フアナ :……。
マリア :我はレイディアに言った。他人のために泣いておっては身がもたぬと。
じゃが、これはひどすぎる……。
カトレア :それが偽らざる全てです。協力してもらえますか?
マリア :当たり前じゃ!
フアナ :うん。
カトレア :ありがとうございます。……早速ですが、作戦を立てましょう。
フアナ :……レイディアは……次の宿で風景を覚える……。
マリア :オランに着き次第、全員でそこにテレポートするわけじゃのう。
フアナ :……早く……事を進めないと……。
カトレア :すぐに奴らを追いたいところですが、敵の位置がわかりません。
戦力を分散するのは得策ではありませんから、一緒に探しましょう。
今日はここで休み、明日の朝にプリザーベイションで同志の腐敗を止めます。
皆さんは二度とここへは帰れないでしょう。
町への別れを済ませておいてください。
フアナ :……通訳……する……。
G M:ゴーストたちは、口々に了解の意を示します。
フアナ :……わかった……だって……。
カトレア :敵は非道です。我々の力を結集しなければ、返り討ちにあいます。
くれぐれも単独行動に走らないようにお願いします。
フアナ :……カトレアの発言は、これから全部通訳するから……。
G M:ゴーストは先ほどと同じく、了解します。
なお、フアナにはわかりますが、ゴーストたちの発言に嘘はありません。
そして、継続時間の終了により、センス・ライの効力が切れます。
フアナ :……残念……。
レイディア:というわけで、正義感にあふれる3人が野盗退治に行ってしまいました。
申し訳ありません。3人の報酬はお返しいたしますので、なにとぞ……。
ルーシュン:困りましたね。しかし、皆さん方なら、
4人でも護衛の役目は充分果たせるでしょう。
レイディア:ええ、それはもちろん、責任を持って最後まで。
ルーシュン:それなら、報酬は返して頂かないで構いません。
彼らは今までよく働いてくれましたし、
ウルサンの人たちのカタキは是非取ってもらいたいですからね。
レイディア:寛大な措置をどうもありがとうございます。ローブの件ですが……。
ルーシュン:あのローブ、かなり高級だったんですけどね。
レイディア:エレミアで仕入れましたから、そうでしょうね。
すみません。厚かましいのは承知ですけれど、
売値の予定額で買い取らせていただければと。
ルーシュン:仕入れ値でいいですよ。
レイディア:そんな、滅相も無い。
ルーシュン:値段のことは商人に任せてください。それより、無断で持っていくとは……。
レイディア:すみません。もちろんお金は払うつもりだったんですけど。
ルーシュン:そういうことではなく、お仲間が大変なんですよね。
レイディア:え?
ルーシュン:私も商人です。フード付きのローブだけなくなっていますから。
急に顔を隠す必要ができたということくらいはわかります。
事情はお聞きしませんが。
レイディア:……。
ルーシュン:急ぎましょう。隊商の規模が規模だけにあまり速くはなりませんが。
オランまであと5日かかるところ、4日で到着させます。
レイディア:……あ、ありがとうございますっ!!
ルーシュン:その分、しっかり護衛してくださいよぅ?
レイディア:はいっ!!
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