大悪事








前回の冒険で得た経験点は、6017点+各自の1ゾロ分でした。






G   M:それでは、成長申告をどうぞ。

レイディア:ソーサラーが8レベルになったわ。

トゥエリ :ついにライトニングバインドが使えますネ。

レイディア:あと、ファイターが1→3よ。

フアナ  :……邪念が……見え見え。

トゥエリ :な、なんてもったいないことを……。

フアナ  :……わたしは……成長、見送り。

トゥエリ :……シーフはしばらく伸ばさないんデスね。
      私はファイター10レベルのために温存デスよ。

カトレア :ダークプリーストが10です。頑張りましたよー。

トゥエリ :ついに最高レベルデスね。

ディース :今回は我慢だ。

フィーエル:あう。ぼくも。

トゥエリ :フィーエルは次で最高レベルという可能性もありますネ。

マリア  :ファイターを上げるか迷うたが、ソーサラーを6にしたぞ。

トゥエリ :それもひとつの選択デスね。






さて、レイク・エスリールの街を出た一行は、街道沿いにエレミアへ。
ルーシュンはエレミアで大もうけしたようで、
マジックアイテムの鑑定に携わった一行に、1人4000ガメルの追加報酬を用意します。






レイディア:おいしいお酒が飲めそうね♪

ディース :お前、最近高い酒飲み過ぎ。

レイディア:わかった。あんたが言うんなら、ちょっとは控えるわ。

トゥエリ :……レイディアさんがお酒を控えるなんて……。

フィーエル:あうー。ありえないー。






エレミアからオランまでの旅程は約2週間。
オラン国内に入り、同名の王都オランまであと5日というところで事件は起こります。






G   M:隊商は、自由人たちの街道からやや外れたコースにある
      行きつけの町に向かいます。ウルサンという町で、そこに掘り出し物が
      集まることを知るごく一部の商人たちが立ち寄るそうです。
      さて、隊商から先発した使い走りが、青い顔で帰ってきます。

使い走り :大変です! ウルサンは全滅です!

隊商幹部 :お、落ち着きなさい。どういう具合なのかね!?

使い走り :だから、みんな死んでるんですっ!

レイディア:血は出てた?

使い走り :はい!

レイディア:傷はあったのね?

使い走り :はい!

カトレア :……。

レイディア:自然死や病死は消えたわね。あとは、怪物か、野盗の類か……。

G   M:騒ぎを聞いたルーシュンも、馬車から出てきます。

ルーシュン:ウルサンの町が全滅というのは、本当ですか!?

レイディア:今から私たちが全員で見てきます。
      彼が帰ってこられたということはおそらく大丈夫でしょうけど、
      念のため、残りの護衛に周囲を警戒してもらってください。
      指示があるまでここから動かないように。使い魔を1匹置いていきますので、
      非常時にはご連絡を。1時間以内に引き返します。
      万が一、何もしていないのに突然使い魔が暴れだした場合は、
      すぐにこの場を離れてください。

ルーシュン:わ、わかりました。お願いします。

レイディア:そのための護衛です。……行くわよ。

G   M:隊商から離れて、7人で町に入るわけですね。

レイディア:もちろんよ。警戒は怠らないけど。

G   M:町はひどい有様です。至る所に死体が転がり、
      血だまりが異臭を放っています。
      明らかに刃物で殺されてる死体が大多数ですね。

ディース :生きている人、いますかー?

G   M:返事はありません。人の気配もありません。

フアナ  :センス・オーラ。

G   M:生命の精霊はゼロ。不死の精霊もゼロです。
      生きている者が生命の精霊を感知するのは難しいので、
      生存者がいないとも言い切れませんが。

フアナ  :……数は?

G   M:町の全部を回ればわかりますが、100前後です。

レイディア:それは、街の規模とほぼイコールなわけ?

G   M:はい。

フアナ  :……町を包囲するだけでも……20人は必要?

G   M:はい。そうなるでしょう。
      ごく少人数で夜中に襲ったところで、包囲してないと
      いずれ物音に気付かれてもっと逃げられてるでしょうから。
      もちろん、包囲者の全員が逃げようとする者より強いという
      前提での数字ですが。

レイディア:死体の傷を見て、どう?

G   M:急所だけを突いているのもあれば、傷が多いだけというのもあります。
      前者の犯人は間違いなく熟練してますが、
      後者はそこまで強くはなさそうですね。
      珍しいところになると、ある民家の中に、急所に全く傷がない惨殺死体が
      数体あります。傷は、全て刺し傷と切り傷です。

レイディア:それは、なぶり殺しね。

フィーエル:許せない。

G   M:あとは、全体的に、細身の剣による刺し傷が多いようです。

カトレア :んー。死後何日ほどでしょう?

G   M:3日ですね。腐敗はそれほど進んでいませんが、
      リザレクションが困難になる程度には傷んでます。

レイディア:蘇生できる?

カトレア :んー。この日数だと、1人あたり6分の1の確率で成功ですかね。
      僕の精神力だと、3回の挑戦で気絶しますから、無理ですね。

レイディア:神官の全精神力と引き換えに、0.5人か……。

マリア  :1人で生き返っても空しいだけじゃ。それはやめてやれ。

ディース :いや、生きてるだけマシじゃね?

カトレア :んー。復讐は僕らが果たすとして、足手まといじゃないですかねー。

フアナ  :……有力な情報を持ってるとも……限らないし……。

レイディア:……そうね。……町の金品はどう?

G   M:多くの民家に明らかな物色の形跡があります。
      あとは、行商人のものと思しき馬車が。

トゥエリ :その馬車の中身は?

G   M:荷物は驚くほど少なく、大きさの割りに安い品物を中心に残っています。

レイディア:目利きの仕業ね。金品目的はほぼ決定、と。

G   M:では、全員冒険者+知力ボーナスでチェックを。
      (ころころ)レイディア18、フアナ17、トゥエリ17、
      カトレア23、ディース16、フィーエル15、マリア20ですね。
      18以上の人は、生活痕があるにもかかわらず中に犠牲者が1人も
      いなかった民家の、地下の食料庫らしき扉から声がしているのに気付きます。
      子供の声ですね。

ディース :なんだ。生き残りいるじゃん。

G   M:外からかんぬきで鍵をかける形式の扉ですね。
      性質上当然ですが、内側からは開けません。

レイディア:ちょっと待って! 妙よね。

トゥエリ :そうデスね。誰かをかくまうとして、外から鍵かけますかネ?

ディース :飢え死にさせる気で、犯人がわざと閉じ込めたんじゃね?

トゥエリ :いえ。他の死体と、傾向が違いすぎますヨ。

カトレア :んー。確かにそうですねー。

レイディア:罠だとも思えないから、開けてみる?

フィーエル:ぼくが、開けるよ。

レイディア:じゃあ、お願い。

G   M:フィーエルが扉を開けて覗き込むと、少年が這い出てきます。
      最初は暗がりだったのですぐにはわかりませんでしたが、
      よく見ると、とがった耳に黒い肌。ダークエルフの少年ですね。
      ここに入れられてから何も食べていなかったようで、衰弱しています。
      抵抗するそぶりは見せません。

少年   :……。

フアナ  :ダークエルフ!!

カトレア :(笑顔で)へぇ。それをこちらに渡してください。

レイディア:嫌よ。まずは事情を聞いてからにしなさい。

カトレア :(笑顔で)終わったら自由にしていいですよね?

レイディア:あんた、子供に何する気よ!

カトレア :ダークエルフは皆殺しにしなければいけませんから。

レイディア:だから、まだ子供なんだって!

カトレア :子供でも、ダークエルフです。

フアナ  :……存在自体が……害悪……。

マリア  :らちがあかんのう。まずはそれにしゃべらせぬか。

トゥエリ :普通、食料庫に水は置いてませんからネ。水を与えましょうカ。

フィーエル:あうー。ごはん、なかったの?

G   M:食料庫には、食べ物らしきものは何もありません。

レイディア:そいつらが補給してったんじゃないの?

フアナ  :……つまり……そこのゴミは……。

レイディア:わかったから待って。お願いだから。

ディース :つーか、それって、ここ見つかってたってことだよな?

レイディア:そうよ。事が起こる前から監禁されてた可能性は低くなるわね。

トゥエリ :上には生活の跡がありますから、元々食料はあったと考えるのが普通デスね。

カトレア :わかりました。そこは譲りましょう。尋問をお願いします。

フアナ  :……。

レイディア:センス・ライ(ころころ)1ゾロ。(ころころ)今度は大丈夫。

G   M:水を飲ませると、ダークエルフの少年は少し元気を取り戻します。

少年   :お願いだから、お父さんたちを止めて!

レイディア:何を止めるの?

少年   :お父さんは、野盗団のボスなんだ。

カトレア :

少年   :たまに町や村を皆殺しにして、お金を稼いでる……。
      でも、そんなの間違ってるし、もう見たくないよ。

レイディア:この町も、お父さんたちがやったわけね。

少年   :うん。止めたけど、また聞いてもらえなかった。
      命令されたら無理やり従わされるから、命令が聞こえない場所に隠れてた。

レイディア:多分、隠れた場所自体はわかってて、腹いせに鍵をかけられたのね。

カトレア :クエストをかけられている。

少年   :うん。

レイディア:あなたは人を殺したことがあるの?

少年   :ない。でも、いつも終わった後の片付けとかを無理やり……。

カトレア :お父さんは、何年ほどこういうことを?

少年   :僕が集落から連れて行かれる前から。

カトレア :具体的には、何年前ですか?

少年   :……連れていかれたのが、4年前。多分、もっともっと前から。

カトレア :…………。

トゥエリ :しかし、こんなことやってたら捕まるでしょう。

少年   :騎士が弱いか、騎士から遠いところを狙ってるって言ってた。
      それでも何回か騎士団に襲われたことがあったけど、全部殺したって。
      この前も、西の村でオランの貴族の巡察隊の騎士を全滅させてた。

トゥエリ :オランの騎士隊が全滅……!?

レイディア:確かに、私たちと同等以上の力があれば、不可能ではないわね。

カトレア :スロフという村のことは?

少年   :……知らない。この辺りの村?

カトレア :(笑顔で)そういうことでしたか。見つからない筈ですね。
      僕がお父さんを止めてあげますよ。一緒に来てください。

少年   :本当!?

レイディア:ダメよ。そいつは昔ダークエルフに滅ぼされた村の生き残り。
      ついていったら、確実に殺されるわ。

少年   :……僕はいろんな人に迷惑をかけた。殺されるのも止められなかった。
      だから、人間に殺されても構わない。でも、その前にお父さんを止めて!

レイディア:さすがにこれは嘘でしょ?

G   M:嘘ではありません。誇張でもありません。

レイディア:……へ?

フィーエル:センス・マジック! (ころころ)大丈夫。
      変なアイテムで、センス・ライを、邪魔してないか、探す。

G   M:マジックアイテムは持っていません。
      身体検査をしても同じです。

フィーエル:???

レイディア:とにかく、殺されるって知ってて、渡すわけにはいかないわ。

カトレア :本人が言ってるんですから、渡してください。

レイディア:嫌だって言ってるでしょう。第一、護衛の依頼はどうするのよ。

カトレア :こちらが優先です。

レイディア:気持ちはわかるけど、無責任じゃないの?

カトレア :なら、このパーティーとはさよならです。僕1人で行きますから。

レイディア:そんな凶悪犯相手に、1人なんて無茶よ。

フアナ  :……1人でなんて……行かせない。

カトレア :へぇ……僕とやり合うと?

フアナ  :……ダークエルフは闇の眷属……普通の生物じゃない。
      ……それをかばうような人間とは、一緒にいたくない。

レイディア:ちょ、ちょっと!

カトレア :ありがとうございます。では、仲間を探してきましょう。
      フアナさん、後ろをお願いします。
      センス・グラッジを。(ころころ)成功です。

G   M:視界内の4体の死体が、強い恨みを抱いたまま死んでいます。

カトレア :クリエイト・ゴースト。(ころころ)×4。成功です。

G   M:明らかに死んでいた死体達が起き上がり、カトレアにうつろな目を向けます。

カトレア :我は復讐を司る神、ミゴリの最高司祭なり。我とともに復讐を果たさん!

G   M:無反応ですが。

カトレア :あれ? おっかしいなー?

ディース :しゃべれねーとはいえ、よりによってこのタイミングでボケるか?

フアナ  :……東方語で、訳す。……あと、彼は奴らに滅ぼされた村の生き残りって。

G   M:ゴーストたちが、おたけびを上げます。

レイディア:あ、あんた、自分が何やってるかわかってんの!!?

カトレア :彼らに、復讐を果たす機会を。

レイディア:話にならないわね。まず、その気持ち悪いのを止めなさい。

マリア  :……レイディアは、こやつらが、気持ち悪いというのか……。

レイディア:え!? ……違うっ。マリアのことじゃない!! 違うのよっ!!

マリア  :我もこやつらと同じじゃ。生命を持たぬ操り人形よ。

レイディア:違うんだって!!

マリア  :もうよい。我はこやつらと一緒に行く。

レイディア:なんでそうなるのよ!? マリア、戻りなさい!

マリア  :嫌じゃ。

レイディア:カトレアも。そういうの連れて捕まったら、死刑よ!?

カトレア :覚悟の上です。

レイディア:……仕方ないわ。力づくで止めるしかないわけね?

フアナ  :……わたし……賢いし、速いよ?

レイディア:……っ!! わっ、私が封じられても、熟練の戦士が3人もいるけど?

カトレア :前衛はこちらにもいますし、そちらは誰が回復するんですかねー?

レイディア:回復できなくても、こっちにはまだディースが。

ディース :ああ。そっちの3人じゃ、俺は倒せねー。マリアならわかる筈だ。

マリア  :ふん。手加減して我らに勝つのは無理じゃ。それとも、我を壊すか?

フィーエル:レイディアさんを、傷つけるなら、誰だって許さない!

レイディア:なんでみんなそんな悲しいこと言うのよ! 私の話を聞いてよ!!

トゥエリ :今のカトレアには、何を言っても無駄デスね。

カトレア :そういうことです。さあ、そのダークエルフを渡してください。

レイディア:死んでも御免よ。

カトレア :ははは。聞き分けのない人ですねー。

レイディア:こっちのセリフよ!!

フアナ  :……隊商の人間に見られると……まずい……。

カトレア :確かに。状況を打開する必要がありますねー。

マリア  :早まるでないぞ。

フアナ  :……センス・ライ(ころころ)かかった。
      ……そこのダークエルフ……沈黙したら殺す。嘘をついても殺す……。

トゥエリ :フアナのダガーの特殊能力は厄介デス。
      ディースさんですら、回復無しでは止められないかもしれませんヨ。

レイディア:そうね。あんた、正直に答えなさい。

フアナ  :……ボスの、進路は……?

少年   :僕が邪魔するから、いつも詳しいことは教えてもらえない。
      でも、この町の東に出るって言ってた。
      そこからは北東に進んだかもしれないし、南東かもしれない。
      僕らは西の方から来たんだけど、普通はすぐにそっちに戻ることはない。
      危ないから。
      引き込み役の商人がいて、情報を集めて、襲撃時には内側から混乱させる。
      あとは、お父さんの右腕の魔法使いと、斥候が強い。本隊は商人が連れてる。
      お父さんと右腕はよく2人で行動してる。追われたりして
      危ないって感じたら、散ったり、固まったり、その時によって違う。

フアナ  :……そいつらの特徴は?

少年   :お父さんと商人は小剣使い。お父さんはマシェンスって名前。
      ホールドで足を止めて、強力な精霊魔法か、
      よくわからない爆発の魔法で攻撃するのが好き。
      商人はサイル。太ってる。普段は偽名を使うから、名前では探せないと思う。
      右腕はソリッシュ。痩せてる。
      斥候はイングィー。片目で眼帯をしてる。
      あと、僕はピニーズ。

レイディア:爆発の魔法っていうのは、術者を中心に爆発する?

少年   :うん。多分、暗黒魔法。

フアナ  :……ずいぶん、協力的……。

少年   :お父さんを、止めてほしいから。

フアナ  :……人数は全部で何人?

少年   :20人とちょっと。ほとんどは町や村の出口を塞ぐ役目。
      隊商に偽装したサイルに連れられてる。

フアナ  :……お前が、エルフを殺したことは……?

少年   :ない。

フアナ  :……父親を、どうしたいわけ?

少年   :できるなら、生きたまま捕まえて、人間の法で裁いてほしい。
      死刑になるのはわかってるけど、法は守らないといけないから。

フアナ  :……? ……父親が捕まったら、どうする気?

少年   :今までのことを全部話して、僕も裁いてもらう。

フアナ  :……? ……ダークエルフだから、絶対殺されるけど?

少年   :それでも構わない。

G   M:全て真実です。

フアナ  :……嘘……こんなダークエルフが存在するわけが……。

カトレア :は? それらが全て真実というわけですか? 信じる気はないですけど。

フアナ  :……それとは……一緒にいられない……。……気が狂いそう。

マリア  :ここで奴を殺そうとすれば、レイディアと戦わねばならぬのう。

フアナ  :……楽には、勝てない……。

カトレア :本気で戦えば、マリアさんを失うことになりますね……。
      目的は果たしましたから、それの始末は後にしましょう。ここでお別れです。

レイディア:……待ちなさい!

カトレア :まだ何か?

レイディア:明らかに死んでる連中連れてたら、いくらなんでもまずいでしょ。
      ……トゥエリ、隊商の馬車にエレミアで仕入れたローブがあったでしょ。
      取ってきて。お金は後で払うから。

ディース :それって、泥棒だよな?

フィーエル:あうー。そんなこと言ってる場合じゃない。

トゥエリ :しかし、私がここを離れて大丈夫なんデスかね?

レイディア:大丈夫よ。仲間を信じなさい。

フィーエル:レイディアさんは、僕が守るから。

ディース :一番強い俺もいるしな。

トゥエリ :わかりました。取ってきますヨ。

カトレア :ははは。ずいぶんと信用されたもんですねー。

レイディア:仲間だからね。それと、あんたは私を殺せない。

カトレア :なぜです?

レイディア:なんとなく。

カトレア :話になりませんねー。

G   M:フアナにはわかりますが、レイディアの「なんとなく」は嘘です。

フアナ  :(こいつも気付いちゃったんだね。)

G   M:さて、フアナが何をしに行くか尋ねなかったので、
      トゥエリは前衛を確保するために、
      他の護衛を連れてくるという選択肢も一応あるわけですが?

トゥエリ :いえ、普通にローブ持って行きますヨ。急いで。

G   M:では、にらみ合いの中、トゥエリがフード付きのローブを取ってきます。

トゥエリ :人数を増やすなと言っても無駄でしょうから、たくさん持って来ましたヨ。

レイディア:よくやったわ。渡して。

トゥエリ :はい。おとなしく渡しますヨ。

カトレア :いやー、これはありがたい。

レイディア:お願いだから、捕まらないでよ。

カトレア :捕まっても、かくまってもらってたことはしゃべりませんから。

レイディア:そういうことを言ってるんじゃない! あんたに死んでほしくないの!!

カトレア :へぇ。じゃあ、僕がオランの王城にある牢獄に囚われたら、どうします?

レイディア:助ける。絶対に。

カトレア :牢獄破りは重罪ですよ?

レイディア:それでも助ける、絶対。あんたは仲間だから。

フアナ  :……うん。真実……。

カトレア :……わかりました。では、我々に背を向け、この町を離れてください。

レイディア:わかったわ。護衛が終わったら、すぐに追いつくからね。

G   M:さて、この時点で開戦を決意するのもアリです。
      何か仕掛けるんでしたら、双方今のうちにどうぞ。
      もちろん、相手より知力が高ければ、その相手の行動を読めます。

レイディア:ルーンロープ以外に打開策がないけど、どうやっても読まれるわね。

マリア  :我は、自発的に不意打ちをするには不向きじゃ。

フアナ  :……レイディアとカトレアを……特に警戒……。

カトレア :ははは。フアナさんに警戒されると、何もできないんですよね。

レイディア:おまけに、センス・ライがかかってる。手の打ちようが全くないわ。

フアナ  :……にやり。

レイディア:背を向けて立ち去る以外にないわね。

トゥエリ :レイディアさんに従いますヨ。

フィーエル:あう。

ディース :え? ほんとに行っちゃうの? マジで?

カトレア :僕のイクスプロージョンは、仲間がいると使えませんからねー。
      ここは見送りましょうか、元・仲間のみなさんを。

G   M:では、レイディア、トゥエリ、ディース、フィーエルは、
      ダークエルフの少年を連れて町を出ました。





ステータス16 へ
第16話前編・第2節 へ

トップページへ