酒・ジャンキー








G   M:少量飲めば緊張は解けますが、やはり飲酒のペナルティ−1はかかります。

レイディア:……わかった。飲まずに出るわ。
      魔法使っても怖がられるだけだから、出し物は猫芸よ。
      カルーアとティフィンを自在に操って、一緒に踊るわ。
      オーファン賢者の学院の主席、レイディア・レインフィールドです。
      今から猫と踊ります。

G   M:では、即興の猫と一緒にダンスです。
      最初は調子よくできますが、少し時間が経つとだんだんきつくなってきます。
      踊り続けられるか判定を。目標値は平目で10ですが、
      2匹と精神的つながりがありますので、−2して8です。

レイディア:緊張でペナルティ−1だから、9以上か。(ころころ)6。

G   M:2足りないので、慣れないダンスに目が回って、
      まるでコントのように見事に転び、びたーんとこけました。
      さすがに顔はガードしましたが。審査員失笑。会場大爆笑です。

キャンディ:わたしまで恥ずかしいよ。

ディース :(@観客席)くししし。つかみはオッケーか。やるな。

トゥエリ :(@観客席)もっと、真剣に見てあげましょうヨ……。

レイディア:くっ。仕方ないわ。懐から秘蔵の小瓶を取り出すわ。
      緊張が解ける魔法の水よ。

マリア  :(@観客席)酒じゃのう。

トゥエリ :(@観客席)間違いないデスね。

フィーエル:(@観客席)あ、あうー。

レイディア:今から、幸せそうな顔をします!

G   M:観客は唖然としています。

レイディア:その前にっ! 皆さんは魔神王というお酒をご存知ですか!?

G   M:観客は呆然としています。

レイディア:伝説のお酒ですが、元値はそう高くはありません。
      しかし、あまりに美味しいせいで、流通過程で値段が跳ね上がり、
      色んな人に飲まれて数も少なくなっていきます。
      私の住んでいる西方に流通するのは、ごくわずか。
      それを、ファンドリアのとあるルートからようやく1瓶だけ
      手に入れることができました。もちろん飲んだ。もちろん美味しかった。
      でも、何かのお祝いのときに飲もうって、1杯分だけこの瓶に入れて、
      懐にしまっておきました。これが、幾多の誘惑に耐えて守り抜いた、
      伝説の芋焼酎魔神王の、最後の1杯です。
      では、飲みますっ!! ……ごくごく。ぷはぁー。

G   M:では、どれだけ幸せそうな顔ができたか判定を。
      隠し技能のドランカー技能が8ほどありますので。
      あと、生命力ボーナスの2をプラスしてください。

レイディア:(ころころ)6だから、16?

G   M:物凄い幸せそうな顔ができました。酒飲みには通じます。
      むしろ、通じ合えます。一部の審査員は顔をしかめていますが。
      なお、会場は歓声と爆笑に包まれます。

レイディア:お酒を飲んで恍惚とする美少女……絵になるわね。 ←頭はいいけど馬鹿

G   M:観客席からは、「いいぞー、酒飲みの姉ちゃーん!」という心温まるヤジが。

レイディア:笑顔で応えるわ。……ディースは、私のこと見てくれてるかな?

ディース :(@観客席)ぶわっはっはっはっ!! あいつ、本当に飲みやがった!

マリア  :(@観客席)思いついても普通やらぬぞ。

トゥエリ :(@観客席)思いつく段階で充分凄いデスよ。

カトレア :(@観客席)まったくですねー。

フィーエル:(@観客席)あうー。

G   M:最後はウルクです。シーツをかぶって怯えていたのが嘘のような、
      明るい茶色のショートヘアの活発そうな少女。
      キャンディの情報によれば、例年演舞のようなものをやっているそうです。
      レイディアが最後の礼をしている途中で、壇上に上がってきます。

ウルク  :みんな、聞いてくれ。
      この人は、西で有名な冒険者グループのリーダーだそうだ。
      さっき、商人の人が言ってた。たった3人でドラゴンを倒したって。

G   M:観客席が、今までにない驚きの声に包まれます。

トゥエリ :(@観客席)最初からそれ言ってたら良かったんじゃないデスかね?

ディース :(@観客席)俺らにとっちゃ当たり前だから、つい見逃してたぜ。

ウルク  :その話、本当だよな?

レイディア:もちろん本当よ。鱗が硬くて困ったわ。 ←この人は魔法で麻痺させただけ

ウルク  :ボクはこの街で最強だ。だけど、こんな小さな街で最強でも
      たいした価値はない。もっと上を目指したいんだ!

フィーエル:(@観客席)あうー。嫌な、予感が。

カトレア :(@観客席)んー。オチが見えてきましたねー。

ウルク  :頼む、ボクと戦ってくれ!!

レイディア:わっ、私は魔法使いで……。

ウルク  :さっき控え室で杖構えてただろ!

レイディア:あ、あれは……。

ウルク  :まさか、逃げるのか?

レイディア:ふん。1日で2体の巨人を倒したこの私が、逃げるわけないでしょ。

ウルク  :よし、勝負だ! 倒れるか、降参したら負けだからな。

レイディア:いいところ見せるチャンスだから、がんばるわよ。

G   M:レイディアが受けて立ったのを見て、会場が歓声に包まれました!





第15話後編・第3節 へ
第15話後編・第5節 へ

トップページへ