タマガ









■40ターン目



ディースの男らしいような男らしくないような一撃離脱に、学生たちは騒然とします。
最強の駒であるクイーンを失ったこと以上に、
自分の股間を襲うかもしれないダメージが頭をよぎり、落ち着きません。



アリエル :ははは。男共のあの顔ときたら。

クァルミル:姐さん、空の上から見ててくれますかっ!?

チェーザ :死んでないと思いますけど……。

レイディア:ふん。マリア、全力で避けるのよ。

マリア  :わかったぞ。

G   M:男子学生たちを、キングのイカーグが一喝します。

イカーグ :落ち着かんかぁ!!! 何年男をやっておるんだ……全く、たるんどる!!

G   M:喝の威力が(ころころ)11。
      イカーグの一喝により、男子学生の恐怖が取り払われました。
      そこに、キルシュの叫び声が響きます。

キルシュ :そのしゃべり方、グラースと同じじゃないかしらっ!!

一同   :!!!?

イカーグ :……はて、なんのことかな?

キルシュ :間違いないわ。さっきのはグラースの口癖かしら!

マリア  :我にもわかるように話せ。

レイディア:うちの学院に、グラースっていう導師がいるのよ。

アリエル :顔だって声だって全然違うけどね。

レイディア:幻覚で変装するマジックアイテムね。でも、まさか導師だったとは……。

リコリス :よくわかったねー。

レイディア:いや、あの仮面を父親呼ばわりするあんたのが凄いと思うけど。

リコリス :おとうさんはおとうさんだよー!

仮面騎士 :……。

キルシュ :伊達に8年も学生やってないかしら。

フアナ  :……グラース……つづりを逆にすると、イカーグとも読める……。

カトレア :な、なんて学院……。 ←がっくり

レイディア:学院の誰も顔を知らない高レベルの魔法使い。なるほどね。

イカーグ :……さて、なんのことかな?

レイディア:(でも、仮にこれがグラースだとして、うちのメンバーなのよね。)

ランラン :こいつ連れてきた奴、誰だっ!?

ストリィ :ルナオナじゃなかったかなぁ?

ランラン :そうなのか!?

ルナオナ :……。

フアナ  :……黙秘は……センス・ライ対策……。

ルナオナ :……。

ランラン :おい、目的は何だ!?

ウィット :お前、誰に向かって話しているんだ!!? 導師かもしれないんだぞ!!

レイディア:どうでもいいじゃない。

ランラン :どうでもよくないだろ!

ウィット :……お前、少し黙れ。

レイディア:導師がこんなことやってたらまずいから、『この人は絶対に導師じゃない』し。

イカーグ :……そうなるかな。

レイディア:第一、助っ人の身元を問うルールはないのに、何か問題でも?

フアナ  :……お前らが……連れてきた……。

アリエル :そうだね。異存があるなら、終わった後、『内側で処理』すればいいから。

レイディア:そうね。『内々で』ね。

ランラン :ぐっ……。



……結局、うやむやにされました。

さて、話がついたところで、黒はナイト2(謎の仮面騎士)で
白のクイーン(マリア)を狙います。

なお、マリアの幻覚はE2のマスでの投球動作中の幻覚なので、
マリアがE4に移動した現在では、惑わされることはありません。



G   M:敏捷度は、謎の仮面騎士が20、マリアが18。
      白軍の行動宣言。アリエルはマリアにカウンター・マジック。
      フアナは、クロウのシェイドを警戒して、抵抗専念です。
      リリーは残り少ない精神力を温存。マリアは回避専念。
      黒軍の行動宣言。敏捷度がマリアより低いイカーグは、
      アリエルのカウンター・マジックを悟り、精神力を温存します。
      ずっと抵抗専念のフアナに業を煮やしたクロウは、フアナにシェイド。
      謎の仮面騎士は攻撃です。
      では、順に処理します。

アリエル :カウンター・マジック! (ころころ)1ゾロだって!?

G   M:詠唱に失敗したのか、魔法はかかりません。

イカーグ :(小声で)……たるんどる。

G   M:では、謎の仮面騎士VSマリア。
      距離修正が+1なので、謎の仮面騎士の基準値は12。
      対するマリアの基準値は、回避専念で13。

仮面騎士 :……。←無言で投球 (ころころ)18。

マリア  :む……(ころころ)20じゃ。

G   M:危ないところでかわしました。謎の仮面騎士はマリアしか狙っていないので、
      ボールは気絶しているローディスの上を飛び越え、場外へ。
      ボールが止まる前に、クロウがフアナにシェイドを放ちます。

クロウ  :シェイド! (ころころ)11。

G   M:フアナは(ころころ)21で抵抗。

クロウ  :ダメージは(ころころ)5……。

G   M:冒険者レベルで止まりました。ダメージはありません。

フアナ  :……だいじょーブイ……。



【白軍】謎の仮面騎士VSマリア【N2:F6→E4 ×】






■41ターン目



白はクイーンを取られる危機をひとまず乗り越えましたが、
クイーンが危険地帯にいることは変わりません。

B7の黒のビショップ1(ストリィ)が白のクイーン(マリア)の進路上なのですが、
顔面ブロックなどでセーフになられると、マリアがまた
黒のナイト2(謎の仮面騎士)の標的にされるので、安全策を取るほかありません。



レイディア:解読されちゃったみたいだし、普通にしゃべるしかないわね。

アリエル :そうだね。

レイディア:アリエル、どう?

アリエル :マリアを左端に移動だね。

レイディア:(ジャイアント語で)マリア、左端に移動よ。

マリア  :(ジャイアント語で)うむ。



【白軍】クイーン(マリア)4歩左へ【Q:E4→A4】






■42ターン目



前のターンの白の移動で、黒は困りました。

A4に移動した白のクイーン(マリア)が、シェイドを多用して
フアナを脱落させそうなD7のナイト1(クロウ)を次に狙わない保証はないからです。

クロウがアウトになれば黒のキング(イカーグ)に接近されるため、
それを阻むために、黒のナイト2(謎の仮面騎士)は、
D7を勢力範囲に収める今の位置にとどまらざるをえなくなりました。

結局、別の駒を使って、今まで密集地帯の端から眠った仲間を起こしまくってきた
ポーン1(シエナ)を狙うことにします。前のポーンがいなくなれば、
白のキング(レイディア)の防御力が激減するだろうという考えです。

また、D7は白のナイト1(アリエル)の勢力範囲内ですが、
ストリィを取ると、黒のナイト2(謎の仮面騎士)が取り返すという計算です。



イカーグ :ストラ、2歩、盤面左下へ。

ストリィ :りょーかい。



【黒軍】ビショップ1(ストリィ)【B1:B7→D5】






■43ターン目



白も困りました。白のクイーン(マリア)がA8に進めばチェック可能ですが、
黒のビショップ1(ストリィ)の勢力範囲に収まりますし、
キングに避けられたらそれまでです。

ここで白は、G2にいるビショップ2(リコリス)が
ストリィを取ってしまうという作戦を考えます。
親子対決に持ち込めば、親はやりづらいだろうという考えです。
外れても、さほどデメリットはありません。



レイディア:で、どうすればいいわけ?

アリエル :リコリスがアタックだ。

レイディア:じゃ、リコリス、パス!

リコリス :がんばるよー!

G   M:白軍の行動宣言。全員魔法は温存し、リコリスが攻撃。
      黒軍の行動宣言。全員魔法は温存し、ストリィが回避専念。
      距離の修正が−2、回避専念で+2だから、基準値はリコリス4対ストリィ8。

リコリス :えいっ!! (ころころ)9。

ストリィ :顔で受けるまでもないね!(ころころ)19。

G   M:避けるまでもなく、ボールはそれていきます。

リコリス :ああーっ! みんな、ごめんねー。

レイディア:仕方ないわ。気にしないで。



【白軍】リコリスVSストリィ【B2:G2→D5 ×】






■44ターン目



黒としては、黒のビショップ1(ストリィ)で、白のポーン1(シエナ)を取るか、
白のビショップ2(リコリス)を取るかの選択を迫られます。

ここは、安全策で、まずは弱いシエナをねらうことにします。
シエナを取ったストリィは白のクイーン(マリア)にやられるでしょうが、
白のキング(レイディア)の守りはまた薄くなります。



イカーグ :ストラ、シエナを狙え。

ストリィ :了解。

G   M:白軍の行動宣言。ストリィにボールが渡った時点で、
      リコリス、ミケー、シエナが回避専念。魔法は温存。
      黒軍の行動宣言。ストリィが攻撃。魔法は温存。
      距離の修正が−2、回避専念で+2だから、基準値はストリィ4対シエナ2。

ストリィ :行くよ! (ころころ)13!

シエナ  :(ころころ)5。……え、えぐっ……。(泣)

アリエル :な、泣かないで! シエナはよくやってくれたから!

ルコ   :(@外野)さあ、こっち来ましょうねー!

G   M:シエナは無表情のルコによって、場外まで引っ張られていきました。



【黒軍】ストリィVSシエナ【B1:D5→A2 ○】
    白ポーン1(シエナ)→アウト






■45ターン目



敵陣に侵入した黒のビショップ1(ストリィ)がチェックをかけました。

白軍は、ストリィが顔面ブロックでセーフになることを恐れ、
魔法を使わずにこの事態を打開しようとすることができません。



レイディア:(ジャイアント語で)援護するから、行動遅らせて。

マリア  :(ジャイアント語で)任せておけ。

G   M:白軍の行動宣言。アリエルはマリアにカウンター・マジック。
      フアナはクロウのシェイドを警戒して温存。
      マリアは敏捷度0でストリィを攻撃。
      フィーナは顔面ブロックを見越してマリアに距離拡大のファイア・ウェポン。
      レイディアはA2の1つ外側のマスを基点に、スリープ・クラウド。
      リコリスも同じ。
      黒軍の行動宣言。イカーグは、カウンター・マジックの援護がある
      マリアは無視し、C2を起点にスリープ・クラウド。
      全員眠って、ストリィが顔面ブロックに成功すれば勝ちはほぼ確定です。
      では、処理に移ります。

アリエル :カウンター・マジック! (ころころ)かかったよ。

マリア  :礼は言わぬぞ。

イカーグ :スリープ・クラウド! (ころころ)14。

G   M:抵抗は(ころころ)レイディア17で抵抗、アリエル11で寝た、
      リオン13で寝た、クァルミル11で寝た、ローディス気絶中、
      フアナ14で抵抗。

フィーナ :燃え上がりなさい! (ころころ)13です。

G   M:援護の予告があったので、抵抗しません。マリアの手が炎で包まれます。

マリア  :おお!

レイディア:スリープ・クラウド! (ころころ)19!

G   M:ストリィは(ころころ)17。出目11なのに抵抗失敗。眠ります。

リコリス :ひつじさん、キャンセルだよー。

G   M:そして、マリア対ストリィ。ストリィは眠っているので、
      自発的に顔面ブロックを試みることができません。
      距離修正+1なので、マリアが基準値7。1ゾロ以外は命中です。

マリア  :我の一撃を受けるがよい! (ころころ)12。

G   M:炎に包まれたボールですが、
      急所にヒットしないかぎり、ダメージはありません。
      顔面判定は(ころころ)胴体。ストリィ、アウトです。

レイディア:すごいわ、マリア!

マリア  :我に任せておけ。



【黒軍】マリアVSストリィ【Q:A4→A2 ○】
    黒ビショップ1(ストリィ)→アウト



ちなみに、敏捷度の低いフィーナとレイディアは、
このターンが初めての精神力消費になったのでした。
敏捷度7のリコリスに至っては、まだ精神力全快です。





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