じょばん!
■バトルスタート!
例:【白軍】ポーン5(レミィ)2歩前進。【P5:E2→E4】
最初の【 】内は、どちらの軍の行動かを表しています。
その右側は、どの駒をどう動かしたかを表しています。
その右の【 】内は、それらの略表示です。【駒の略号:移動前座標→移動後座標】
座標は、白側から見て、左から順にA〜H、下から順に1〜8の順です。
ボールを投げた場合は、これに○か×がつきます。
○がついた場合は、そこに居た駒を取り除いてそこに進んだということ。
×がついた場合は、失敗してそこに進めなかったということです。
■1ターン目
レイディア:レミィ、作戦通りお願い。
レミィ :わかったです。
【白軍】ポーン5(レミィ)2歩前進。【P5:E2→E4】
■2ターン目
イカーグ :ふむ……ランラン、2つ前へ。
ランラン :わかった。
イカーグ :これでどうかな?
【黒軍】ポーン5(ランラン)2歩前進【P5:E7→E5】
■3ターン目
レイディア:ふん。全くの読み通りね。恐れ入るわ。
アリエル :僕の万能っぷりも、悪くないだろう?
レイディア:クァルミル、1歩だけお願い。
クァルミル:わかったぜ!
【白軍】ポーン4(クァルミル)1歩前進【P4:D7→D6】
■4ターン目
イカーグ :ふむ……。
ディース :ど、どうすんだ、これ。
ウィット :わ、私に聞くなっ!
ここで、チェスに慣れた人員が1人もいなかった黒軍の作戦にほころびが生じます。
中盤までは相手の駒の動きを真似て陣形を整え、
中盤以降は戦力差を生かした力押しで圧倒するという作戦でしたが、
敢えて前線に置いた戦闘技能に劣るカトレア(P4)を前進させるわけにもいかず、
次の手に迷ってしまったのです。
イカーグ :(ひとまず、前線を整えるかな。)クーン、2歩前へ。
クーン :ああ!
【黒軍】ポーン7(クーン)2歩前進【P7:G7→G5】
■5ターン目
レイディア:え? それって、想定に無い動きなんだけど?
レミィ :多分、悪手だと思うですが。
アリエル :惑わされてはいけない。僕が動くよ。
【白軍】ナイト1(アリエル)前方右へ【N1:B1→C3】
■6ターン目
イカーグは、5ターン目で、白のポーン7(エタニカ)が2歩前進し、
黒のポーン8(ランディ)の前進を阻むため、
黒のポーン3(グレンザ)辺りを前に進めようと考えていました。
しかし、白のポーン7(エタニカ)が前進しなかったのを幸いとし、
黒のポーン8(ランディ)を進める手に切り替えます。
イカーグ :ランディ、2歩前へ。
ランディ :わ、わかったよ。
【黒軍】ポーン8(ランディ)2歩前へ【P8:H7→H5】
■7ターン目
5ターン目のアリエルの移動は、結局は事前の打ち合わせ通りでした。
アリエルは、次も事前の打ち合わせ通り、
白のクイーン(マリア)をキングの前に移動させることを意図します。
これにより、キングを守れるだけでなく、
いずれF6に飛び出して白のポーン5(レミィ)を狙ってくるであろう
黒のナイト2(謎の仮面騎士)に対する牽制にもなります。
アリエル :レイディア、君の恋人を、例の位置に。
レイディア:だから、恋人じゃないって言ってんでしょ!!
マリア :そう照れずともよい。
【白軍】クイーン(マリア)1歩右上へ【Q:D1→E2】
■8ターン目
白のクイーン(マリア)の前進により、
黒のナイト2(謎の仮面騎士)を用いた電撃作戦の目論見は敗れました。
イカーグは、とりあえずポーンを前に進めて前線を制圧することを意図します。
まずは、ポーンにしては戦闘能力が高いグレンザを進めます。
イカーグ :グレンザ、2歩前へ。
グレンザ :へい!
【黒軍】ポーン3(グレンザ)2歩前へ【P3:C7→C5】
■9ターン目
アリエル :手順通りだ。
レイディア:わかったわ。ローディス、1歩進んで。
ローディス:1歩、でいいんだよね?
【白軍】ビショップ1(ローディス)1歩右上へ【B1:C1→D2】
■10ターン目
イカーグは、引き続き、ポーンの前進を意図します。
安全に進行でき、かつ、まだ進んでいない黒のポーンは、
盤面左端のポーン1(マグノリア)だけです。
イカーグ :マグノリア、2歩前へ。
マグノリア:……ああ。
【黒軍】ポーン1(マグノリア)1歩前へ【P1:A7→A5】
■11ターン目
ここまで、白は全くの想定通りに駒を動かしています。
そして、ここでキャスリング。もちろん、これも想定通りです。
レイディア:フアナ、キャスリングよ!
フアナ :……合点、承知の助……。
【白軍】キング(レイディア)2歩左へ【K:E1→C1】
ルーク(フアナ)3歩右へ【R1:A1→D1】
■12ターン目
白の陣形が整い、黒は、その陣形を突き崩すしかありません。
ルーク1(フィーエル)を前に出すべく、誰もいない第6列まで進めます。
イカーグ :フィーエル、2歩前へ。
フィーエル:あう!
ディース :ほんとに2歩で止まるなよ。マグノリアに当たるくらいまで進むんだ。
マグノリア:お、俺?
フィーエル:あう!
ディース :先輩、受け止めてやってくれ!
マグノリア:と、止まれ、止まれっ……きゃあっ!
ディース :ほんとに当たるなよ!
フィーエル:あうー。ごめんなさい。
ディース :つーかさ、手が胸に当たったくらいでそりゃないんじゃね?
クロウ :なるほど。マグノリアは受け、っと。
マグノリア:き、気にするな!
【黒軍】ルーク1(フィーエル)2歩下へ【R1:A8→A6】
■13ターン目
12ターン目に、黒はポーン1(マグノリア)をわざとマスの外に出させ、
カウンターマジックをかけたルーク1(フィーエル)をA8からA2まで
一気に突撃させるという手もありました(カンタマ付きのフィーエルは
並の達成値なら軽く抵抗できますし、白のナイト1のアリエルの攻撃も、
達人相手では魔法の補助なしではまず当たりません。
運良く魔法で捕まえたところで、黒のキングのイカーグは
距離拡大のディスペルを何度も放てますし。)。
そういった突撃をしなかったのは、マグノリアがポーンにしてはかなり強く、
ただで捨てるのは惜しいという理由です。
その理由も、相手の出方がわからず(というか、白による端からの攻めも
想定に入っており)、そこそこ強いマグノリアを端に配置せざるをえなかった
ということに起因するわけですが。
白は、1手遅れで、念のためにそのような突撃を防ぐ方策を取ります。
アリエル :レイディア、左だ。
レイディア:まあ、想定内ね。わかったわ。
【白軍】(レイディア)1歩左へ【K:C1→B1】
■14ターン目
ここで、黒は、ポーン1(マグノリア)をさらに1歩前進させる策を思いつきます。
これにより、黒のポーン1(マグノリア)は白のナイト1(アリエル)の
攻撃範囲内に入ります。しかし、白のナイト1(アリエル)がこれを取ってしまうと、
黒のルーク1(フィーエル)から2マスの位置で攻撃されることになります。
黒にとって、マグノリア(黒では豊富なファイター2レベル)で
アリエル(白では貴重なファイター3レベル)が取れるなら安いものです。
また、白がポーン1(シエナ)を進めてマグノリアの進路を塞ぐなら、
黒のルーク1(フィーエル)をB6にずらして、白のポーン2(ルコ)に特攻できます。
もし黒のルーク1(フィーエル)が魔法で動きをとめられてレイディアにやられても、
そのときは黒のクイーン(ディース)がB6に移動し、一気にチェック。
白のキング(レイディア)の守りはがら空きです。
もちろん、白のナイト1(アリエル)がD5に移動すればB6は射程内ですが、
仲間の魔法が届かない距離で(距離を拡大して、なおかつ抵抗を破ったとしても、
その途端に黒にディスペルされるので分が悪い)、
ディースやフィーエルを倒すのはまず不可能です。
また、白が黒のポーン1(マグノリア)を無視しても、
次の黒の番でポーン1をもう1歩進め、
白のポーン2(ルコ)との対決に持ち込めるわけです。
ルコが勝っても、白のキング(レイディア)の守りががら空きになります。
この戦法、完璧な理論のようで、実際には大きな穴があります。
男子全員、ルコ(シーフ6レベル(?))の強さを知らなかったわけです。
それについては、女子もほぼ全員が知らないので、無理もないことですが。
イカーグ :マグノリア、1歩前へ。
マグノリア:ああ。
【黒軍】ポーン1(マグノリア)1歩下へ【P1:A5→A4】
■15ターン目
14ターン目の黒の一手は白にとって予想外でした。
というのも、最初からそうするつもりなら、
12ターン目でルーク1を進める必要がないからです。
そして、黒の次の手も大体わかっていますが、黒のポーン1(マグノリア)、
白のポーン2(ルコ)の双方の強さを知っているアリエルには脅威ではありません。
むしろ、一手得をしたとばかりに、逆に、白のクイーン(マリア)に
H5にいる黒のポーン8(ランディ)を狙わせることを思いつきます。
本来のチェスならば、黒のルーク2(ルナオナ)の移動範囲なので、
絶対にとってはいけない行動です。
しかし、トゥエリより強いとレイディアが保証する白のクイーン(マリア)に、
少なくとも正魔術師になるまでは全く戦闘の訓練を積んでいない黒のルーク2(ルナオナ)
の攻撃が、当たるはずなどないのです。
この突撃は、事前に黒のナイト2(仮面騎士)をF6にしておけば防げました。
黒の拙攻による一手損が響いています。
アリエル :レイディア。■■■■■■■■だ。
レイディア:わかったわ。■■■■■■■■ね。
G M:暗号会話により、知力16以上の白軍幹部に作戦が伝達されます。
具体的には、レイディア、アリエル、レミィ、ローディス、
フアナの5人にしか伝わりませんが。
レイディア:(ジャイアント語で)マリア、H5のあの貧相な男に本気で投げるのよ。
マリア :(ジャイアント語で)うむ。
レイディア:リリー、作戦通り、ライトキャンセルで。
リリー :はうあっ!? わ、わかったよ!
ウィット :な、何語だっ!?
イカーグ :意味はわからんが、ジャイアント語かな?
レイディア:クァルミル、伏せて。アリエル、パスよ!
G M:アリエルとレミィとマリアの中心にいるクァルミルが伏せ、
レイディアとアリエルの間にいるルコとリオンがボールを避ける態勢に。
ボールはレイディアからアリエルに渡り、アリエルからレミィ、
そして、レミィからマリアへ。
マリアは助走をつけて、H5にいる黒のポーン8(ランディ)を狙います。
ディース :へっ。どっからでも来いやぁ!!
クロウ :ランディ、避けて!
ランディ :え、俺!!?
アクトゥス:クーンさん、盾に!
クーン :わかった。
G M:行動宣言は、白軍はアリエルが敏捷度22でマリアにカウンター・マジック。
リリーが敏捷度19でライト、マリアが敏捷度18でランディに攻撃。
これは黒軍のダークネスが来ても、敏捷度が直近のリリーのライトで
打ち消し、マリアの攻撃につなげるというコンボです。
行動宣言と攻撃の時点で目標が見えているため、
マリアの攻撃は妨害されないという計算です。
さらに、ローディス、フアナ、レミィがG5を中心にスリープ・クラウド。
黒軍は、(ディースからの情報により)マリアは簡単に眠らないとみた
アクトゥスが、ランディにフィジカル・エンチャント・クイックネス。
ルナオナがD2を中心にスリープ・クラウド。
では、処理に移ります。まずは23のアクトゥス。
アクトゥス:フィジカル・エンチャント・クイックネス! (ころころ)13。
G M:かかりました。ランディの敏捷度と回避力が上がります。次、アリエル。
アリエル :カウンター・マジック! (ころころ)問題ない。
G M:マリアの精神抵抗力が+2されます。次、20のルナオナ、フアナ、レミィ、
ローディス。4人同時にスリープ・クラウドの詠唱が完成します。
ルナオナ :スリープ・クラウド! (ころころ)13。
G M:抵抗は(ころころ)アリエル8で寝た、リオン7で寝た、
クァルミル9で寝た、ローディス15で抵抗、フアナ11で寝た、
マリア20で抵抗。
フアナ :……スリープ・クラウド……(ころころ)18。
G M:抵抗は(ころころ)クーン1ゾロで寝た、ランディ11で寝た。
レミィ :スリープ・クラウドです!
ローディス:スリープ・クラウドぉっ!
G M:1レベルの2人では、フアナの達成値を上回れません。
元々、2人ともフアナの出目が悪かったときの保険のつもりでしたが。
同時だからキャンセルもできませんし。
リリー :はうあっ!? キャンセルしないとっ!?
G M:ダークネスがかかっていないので、リリーはライトをキャンセルします。
そして、マリアの番。ブロックのクーンと標的のランディが眠っています。
したがって、ブロックのボーナスはなし。
距離が5マスなので、攻撃力修正−2。
マリアが基準値6、対するランディは回避できません。
仮にこの2人が起きてれば、基準値7で回避できたんですが。
ただし、達成値が10ないと絶対に当たらないというルールなので、
4以上を出す必要はあります。
マリア :砕け散れぇい! (ころころ)12。当たりじゃ。
G M:それでも、6分の1の確率で顔面に当たるわけですが(ころころ)胴体です。
マリアの投げた球が眠っているランディを直撃し、ランディがアウトです。
レイディア:やった!!
マリア :ふん、我に任せておくがよい。
G M:マリアは、ランディのいたH5まで進みます。
【白軍】マリアVSランディ【Q:E2→H5 ○】
黒P8(ランディ)→アウト
第11.5話・第7節 へ
第11.5話・第9節 へ
トップページへ