Forest Giant








G   M:族長の指示した道を進んでいくと、遭遇もなく、集落に着きます。
      大きな木々が生い茂っている場所です。
      集落の中には、巨人が4人ほど見えますが。

レイディア:……こ、怖くなんかないんだからね!

ディース :お、俺も怖くねーからなっ!

フアナ  :……襲われて勝てる相手じゃない。……だから、襲われない。

トゥエリ :その論法はアリなんデスかネ?

レイディア:確かに、フアナの言うとおりね。

トゥエリ :納得するんデスか!?

族長   :(ジャイアント語で)東の集落の長だ。族長と話がしたい!

G   M:巨人たちは今にも襲ってきそうな雰囲気ではありましたが、
      巨人の族長の場所に通してくれます。
      どうやら、自分たちの族長が怖いようですね。
      巨人たちの族長は、他の個体と違って、温厚な態度です。
      ジャイアント語のみ通じます。

レイディア:かわいくて優秀な私が同時通訳するわ。(えっへん)

巨人の族長:よく来た。歓迎する。

族長   :久しぶりだな。また会えて嬉しい。この者たちはこちらの客だ。

巨人の族長:すまない。数日前にそちらに使いを出したが、奴らに阻まれたのだ。

族長   :奴ら!? ……使いは来ていないが……。

巨人の族長:やはり、同胞がそちらに迷惑をかけているのか?

族長   :越境が数回。今はそれだけだが、あまり重なるようでは……。

巨人の族長:申し訳ない。実は、掟に反した同胞2人を追放したのだが。

族長   :なるほど。追放者か。

巨人の族長:追放した後に、そちらの方面で2人の姿がみられたので、
      そちらに使いを出したのだが、2人がかりで追い返されたのだ。

族長   :なるほど。そういう事情だったのか。

マリア  :そやつらの処罰はせぬのか?

巨人の族長:カストゥール人だとっ!!?

G   M:ジャイアント語を話した小さな人間に注目したところ、
      額の水晶が目に入ったようですね。
      全員セージなので問題なく知っていますが、
      巨人族と古代王国は敵対していた歴史があります。

ディース :ん? マリアがなんかやらかしたのか? 早く通訳してくれよー。

マリア  :少しくらい待てぬのか。どのみち、交渉の役に立たぬくせに。

ディース :ちくしょう……戦闘で挽回してやるからなっ。覚えてやがれっ!

レイディア:カストゥールは遥か昔に滅びました。彼女は格好が近いだけです。

巨人の族長:これは驚いた。しかし、我らの言葉を解する者がこれほど多いとは。

族長   :して、その者たちの処罰はどのようにしましたか?

巨人の族長:そちらへの使いを妨害したのは死罪に値する。しかし、
      同数では勝てないし、多数でそちらへ越境すれば敵対行動とみられる。

レイディア:なるほど。そのために使いを妨害した、と?

巨人の族長:そこまで頭が回る奴らではない、とは思うが。

族長   :ここに来る途中、そちら側に入った後、1人の巨人族に襲われたのだが。

巨人の族長:当然、私に会うと告げたのだな?

族長   :ああ。その後で襲われた。

巨人の族長:それはすまない。……勇敢な戦士を失わせてしまい、申し訳ない。

族長   :こちらは全員無事だ。掟に反した者は、無傷で麻痺させておいた。

巨人の族長:なんと!!

カトレア :ありゃー。まずかったですかね?

フアナ  :……違う。巨人に襲われて犠牲が出ないなんて……強すぎる……。

巨人の族長:そ、それで、その者の特徴はわかるか?

フアナ  :……クリエイト・イメージで出せる。通訳して。

レイディア:この者が、魔法でその者の顔を映し出しましょう。

G   M:では、シーフ技能の記憶術で。

フアナ  :記憶術(ころころ)17。魔法の発動(ころころ)1ゾロっ!

G   M:記憶は完璧なんですが、発動しません。

フアナ  :……次唱えたら、気絶する。

レイディア:紙に書いても巨人には見えにくいわよね。

カトレア :仕方ないので1点トランスファーしましょう。(ころころ)成功です。

フアナ  :……ありがと。クリエイト・イメージ! (ころころ)11で成功。

G   M:先程の巨人の幻覚が現れます。よく似ていますね。

巨人の族長:この者だ!

族長   :我々はどのようにすれば?

巨人の族長:もはや共通の脅威だ。本来はこちらで処理すべき問題なのだが……。

族長   :位置にかかわらず、排除して構わないということか?

巨人の族長:現在位置に関わらず、殺して構わない。頼むわけではないが……。

族長   :ならば、遭遇すれば排除しよう。

レイディア:もう1体の特徴は?

巨人の族長:左腕に大きな火傷の跡がある。

レイディア:他に同様の火傷がある巨人はいないということですね?

巨人の族長:そうだ。

族長   :話はまとまった。邪魔をしたな。

巨人の族長:追放者のこととはいえ、此度はすまなかった。

族長   :気にすることはない。こちらも若い馬鹿者がたまにお邪魔するしな。

巨人の族長:お互いのため、これからも住み分けの協定を守ろう。

族長   :了解した。





第10話後編・第1節 へ
第10話後編・第3節 へ

トップページへ