わんこにくらわそう








ところ変わって、冒険者の店。






レイディア:かんぱーい!

他ほぼ一同:かんぱーい!

ディース :……あ、あのさ?

レイディア:足置きが喋ってんじゃないわよ。思いっきり蹴るわ!

ディース :ぐべっ!

フィーエル:あうー。かわいそう。

ディース :……俺、なんかした?

フアナ  :……リベンジです……。

カトレア :とてもいいことですね。

レイディア:ブリザードの的にされないだけ、ありがたく思いなさい。

フアナ  :……レイディアさえ落とせば……奴隷も、酷いことされない……。

マリア  :そのような下種な目的で言い寄るとは、万死に値するのう。

カトレア :んー。因果応報。なんて素晴らしい言葉でしょう。

トゥエリ :……。

レイディア:お前も、うらやましそうな顔してんじゃねえよ! ←ディースを蹴る!

ディース :ぶぼっ! な、なんで俺が……。

フアナ  :……人の気持ちを……もてあそぶから……。

マリア  :うむ。エルフの娘の言うとおりじゃ。

レイディア:あんたもでしょうが! あの場面は敬遠されるだろ! ←ディース蹴る!

ディース :へばっ!

フアナ  :……記憶に、ございません……。

ディース :そんな……。

フアナ  :……現に……打ててないし……。

ディース :で、でも、あれは、俺に気があるってことだよな!?

マリア  :アホか。あの場面は絶対に敬遠じゃ。

トゥエリ :そうデスね。100%敬遠と、誰でも分かる場面デス。

レイディア:私だってわかってたわよ! ←蹴る!

ディース :へぶっ! ……まあいいや。そろそろ腹減ってきたんだけど?

レイディア:あそこの犬にでも分けてもらいなさい。

ディース :……くっ……それだけはできねー。あと、あいつ狼な。

トゥエリ :プライド、まだあったんデスね。

ディース :てめーまで調子乗ってんじゃねぇぞ。俺はレイディアの奴隷だからなっ!!

マリア  :情けないセリフじゃのう。

フィーエル:あうー。トゥエリさんが、怖い。

マリア  :うむ。自分以外の者がレイディアの足で虐げられておるからのう。

フアナ  :……プッツン、きてる……。

マリア  :我とて、レイディアの蒸れた足は許容範囲ではあるが、別に喜びは……。

レイディア:さっきちゃんと洗ったわよ!! お前ら、変態ばっかりかっ!?

フィーエル:あうー。僕、普通。

ディース :頭以外はな。

レイディア:犬よりマシだろ! ←蹴る!

ディース :ほばっ!

フアナ  :……カトレアは……普通……?

カトレア :ははは。どうなんでしょうねー?

ディース :待てよ。その辺は、俺が一番正常だろ。

レイディア:股間蹴るわ。それも、一番痛いところをね。

G   M:椅子に座ってるのでさほど威力はありませんが、とても痛いですね。

ディース :ぐっぐおおおおっ。

レイディア:駄犬の分際で、誰彼構わず盛ってんじゃないわよ。……返事は?

ディース :……く、くそっ……奴隷でさえなけりゃ……。

レイディア:股間蹴る。

ディース :ふぅつぐおっ……。

レイディア:返事は?

ディース :……は、はい……。

レイディア:股間蹴る。

ディース :ふぬがあああっぁお!!

レイディア:盛りのついた犬の分際で、人間語喋ってんじゃないわよ。

フィーエル:あうー。かわいそう……。

レイディア:あんたは黙ってなさい。

トゥエリ :珍しく、本気で怒ってますネ……。

カトレア :んー。素晴らしいっ!

トゥエリ :(ま、まさか、この人も……。)

レイディア:(足で股間をさすりながら)ごめんね……。そんなに痛かった?

ディース :……わ、わん……。

マリア  :すまぬ。よう聞こえなんだ。

ディース :……わんっ!

レイディア:じゃ、空いてるお皿に余った肉とか入れて、床に置くわ。食べていいわよ。

ディース :わんっ!! わんっ!!

レイディア:いい子ね。食べ終わったら、おとなしく足置きに戻るのよ。

ディース :わんっ!

フアナ  :……想定の……範囲外……。

トゥエリ :……ちょ、調教しちゃいましたネ……。

カトレア :復讐は完遂せり、ですねー。

マリア  :うむ。それでこそ、我が見込んだ女じゃ。

フアナ  :……弱いものいじめさせたら……神……。

レイディア:失礼ね。お互い合意の上だもんねー?

ディース :わんっ!!

フィーエル:あうー。ディースさんが、犬になっちゃった……。

マリア  :案ずるな。どうせ、飯が食いたかっただけであろう?

レイディア:意外といけるもんね。まあ、単純な奴にしか効かないだろうけどさ。

トゥエリ :またろくでもない技を使ったんデスね。

レイディア:トゥエリを蹴るふりして、寸止めするわ。

トゥエリ :あああっ!?

レイディア:残念そうな顔してんじゃないわよ、この変態!

マリア  :周りが変態ばかりで、大変じゃのう……。

レイディア:あんたが一番危険なのよ!






外野の人A:……お、おい、あれ見ろよ!

外野の人B:牛殺しの戦士が、犬に、だと!?

外野の人A:しかも、無抵抗で蹴られまくってたぞ。

外野の人B:これは、あの子供がデュラハンを倒したって噂も、あながち……。

外野の人A:それはもう1人の方だろ。あれは『口だけ疑惑』があったリーダーだよ。

外野の人B:でも、リーダーも凄いに違いないぞ。あの奇術団のリーダーだもんな。

外野の人A:だな。






かくして、冒険者の店の夜はふけていくのでした。





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