しっぽの気持ち
エート :そんで、結局どうなったん?
カルーア :そんなのねー?
ティフィン:きまってるよねー?
エート :せやから、言わなわからん言うてるやろ。
カルーア :きゃははは!
ティフィン:にげろー!
エート :……はぁ……精神くっついた双子のガキとか、反則やろ……。
アーサー :主人より頭のいい猫も、反則だと思うが。
エート :言うたかて、あんたも充分賢いやろ。
アーサー :私だって、猫じゃらしには体が反応してしまう。本能には勝てない。
エート :ええやろ。うちのご主人なんか、自分でつけた名前忘れよるんで……。
アーサー :それは災難だな。
エート :名前のことはもうええねん。それより全然深刻な話や。
アーサー :この生活に不満があるのか?
エート :ご主人が間違うたび、ツッコミ入れなあかんねんで。激務やっちゅうねん。
アーサー :それは大変だな。
リノ :私の、ご主人様、弱い……。
エート :せやなー。ご主人が蹴られても、キミにダメージ来んのが救いや。
アーサー :私の主人は、色々と気を遣ってくれるぞ。
エート :ええなぁ。いっぺんでええから、気ぃ遣われてみたいわ。
アーサー :しかし、食事は与えられているのだろう?
エート :当たり前や。財布はうちが握っとるさかい。ま、普段しんどいけどな。
ツクヨミ :いいじゃないですか。ご飯いっぱいもらえるんですから。
アーサー :おお、狼もどきか。お前の方が、量は食べているだろう?
エート :はらぺこ狼と一緒にすなや。わしら猫やっちゅうねん。
ツクヨミ :私、本当に狼なんでしょうかね?
エート :またその話かいな。そんなんどうでもええがな。
アーサー :主人が狼というのなら、犬ではないのだろうな。
ツクヨミ :そんな適当な……。
エート :なんや、群れが恋しなったんか?
ツクヨミ :……そりゃ、ちょっとは……。
エート :わしらみたいな半端モンは、野生では生きてかれへんで。
アーサー :お前の言う通りだ。
エート :わしもメスなんかに興味ないよって。独り身同士仲良うしよや。
アーサー :……それさえなければな……。
エート :諦めや。あそこにええのおるやろ。2匹も。
ティフィン:まてー!
カルーア :いやだよーだ!
アーサー :……子供は好かない。
エート :すぐ大きなるて。
カルーア :そうは思えないが。
エート :心配せんでも、飯のことやったら、わしがご主人通して言うとくさかい。
ツクヨミ :ワオォォォーーーン!!
エート :あかん。こいつ、嬉しなったら野生にかえりよる。
アーサー :それが普通だ。
ツクヨミ :……はっ!? ありがとう! ご飯ありがとう!
エート :やっ、やめんかいどアホ!! 急に寄ってくな! 怖いっちゅうねん!
ツクヨミ :……ごめんなさい……。
アーサー :……平和だな、ここは。
リノ :なぜか、猫に、食べられない。犬にも。
カルーア :よーし、じゃ、次は、ネズミおっかけよう!
ティフィン:でっかいネズミおっかけよう!
リノ :ひーっ!!
エート :待ちや。そいつ本気で逃げ回るさかい、また姉ちゃんに怒られるで。
カルーア :うん。やめとこ。
ティフィン:やめとこっかー。
ツクヨミ :あの人間のメス、うちの御主人様より上位みたいですね。
アーサー :人間の階級は理解できん。私の主人が一番強いだろうに。
エート :わしも理由はようわからん。
アーサー :お前にもわからないのか。
エート :わしらの逆になるいうわけでもないみたいやし。
リノ :?
エート :メスのが強いんか思たら、絶対にそうっちゅうわけでもないみたいやしな。
アーサー :しばらく前まで、大人のオスが頂点にいたからな。
エート :いっちゃん謎なんは、あのエルフとかいうんのメスや。
アーサー :同感だ。あれは弱い個体にしか見えない。
エート :やのに、双子のご主人、めちゃめちゃびびっとるがな。
アーサー :私の主人は、それほど恐れてはいないようだが。
エート :でも、キミのご主人、双子のご主人より下やろ?
アーサー :そうだ。それが人間の求愛なのだろう?
エート :難儀な求愛やなぁ。(そもそも、メス同士ちゃうんか。何がしたいんや?)
アーサー :同感だ。だが、エルフのメスは求愛されていないぞ。
ツクヨミ :人間の群れって、不思議ですよね……。
アーサー :あのエルフという生物には、何か秘密があるのだろうか?
エート :その辺どうなん? さっきから眠たそうにしとるけど。
ギルティア:よくわかんないです。(><)
エート :キミに聞いたわしがアホやったわ。
アーサー :お前はアホではないぞ。アホなのはあのイタチだ。
ギルティア:あほでごめんなさい。(><)
エート :……あかん。なんとかして、ご主人以外の人間と直接しゃべりたい……。
アーサー :私では不足なのか?
エート :いや、キミは悪うないねん。わしが……あかん、やっぱり言わんとこ。
アーサー :言わないと、伝わらないぞ。
エート :ええねん。ご主人通して他の人間としゃべるさかい……。
ツクヨミ :元気なくなってますね。
アーサー :この生活の何が不満なのか、理解できない。
カルーア :いっしょにあそぼー!
ティフィン:あそぼー!
リノ :びくっ!?
エート :やめんかい!! 元気やから! わかったから!
ティフィン:つまんないねー。
カルーア :ねー。
アーサー :それで、わかったのか?
エート :ちゃうって……まあ、上におる奴ほど、怒ったら怖いんやろうけど。
アーサー :あのエルフが、怒ったことがあるのか?
エート :ワシも見たことないけどな。その辺どうなん?
ギルティア:なにがです?(><)
エート :あのエルフ、ワシらが見てないとこではめっちゃ怖いんちゃうの?
ギルティア:とってもやさしいです。(><)
エート :んなわけないやろ。いっつもろくに構てへんから、そう感じるだけやて。
ツクヨミ :たまに寄っていっても、怖いです。
アーサー :あれは近寄りがたいな。
リノ :うん。怖い。
エート :せやなー。あの隙の無さは尋常やないで。
カルーア :怖いよねー。
ティフィン:ねー。
エート :……おっ、そろそろ飯の時間かいなー。
ツクヨミ :ワオォォォーーーン!!
エート :あかんて。その癖直さな、また怒られるで。
ツクヨミ :……ごめんなさい……。
エート :ええから、ご主人が戻ってくる前に直しとき。
アーサー :……食事といえば、その、財布というのは何なのだ?
エート :そんなんも知らんのかいな。ご主人が財布つっついたら、飯出てくんねん。
アーサー :そういう仕組みだったのか。今度やってみよう。
エート :待ちや。財布は人間がつつかなあかんねん。
アーサー :財布と言うのは、食事を貯めておく場所ではないのか?
エート :ようわからんけど、人間がようやる、交換っちゅうやつやな。
アーサー :交換? 財布とか?
エート :財布の中身と飯交換できるんや。ええやろ。
アーサー :食事と釣り合うものがあるのか?
エート :あー。腹いっぱいのときより、腹へっとるときに食いたいやろ。
アーサー :だが、相手も飢えていたら、財布を出しても交換できないだろう?
エート :ようわからんけど、なんとかなるんちゃう? 人間って物好きやから。
アーサー :私もよくわからないが、お前は頼りになるな。
エート :任せとき。
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