第01話・タイトル未定



PCゲーム『マジック・ザ・ギャザリング オンラインプラス』。
世界中で大人気のカードゲーム『マジック・ザ・ギャザリング』を
PCでプレイできるという優れモノソフトだ。
しかも、アドベンチャーRPG風の『シャンダラー』というモードがあって、
カードをカツアゲで増やしながらの冒険が楽しめる。
最終的な目標は、5人のギルド・ロードと、ラスボスのアルザコンを倒すことだ。



もちろん、普通にプレイしたんじゃつまらないので、制限を設ける。
プレイ制限は以下の通り。

・タイプ1.5の禁止カード使用禁止。

具体的には、以下のカードが使用禁止となる。

祖先の知恵・天秤・凶暴化・ブラックロータス・黒の万力・ほとばしる知識・
悪魔の教示者・素早い支配・分岐・象牙の塔・アレクサンドリアの図書館・
モックス〜各種・太陽の指輪・露天鉱床・時間移動・新たな芽吹き・
時間の歪曲・運命の輪・チャネル・精神錯乱・時の器

全て、強力すぎて禁止されたカードである。
もちろん、敵は容赦なく使ってくるし、
敵から奪ったところで売るくらいしかできない。

・ワールド・マジックでデッキの同カード使用制限を5枚にして、
 なおかつ実際に5枚のカードを入れる行為を禁止。

・デッキは可能な限り60枚以上とし、61枚以上になるまで
 既存のカードは削れない。

この条件で、果たしてクリアすることはできるのか!?
赤いデッキを選び、ゲームスタート。
もちろん、一番難しいウィザードモードでの挑戦だ。

なお、このゲーム、ゲームを新しく始めるごとにマップがランダムで
自動生成されるという、かなり変わったシステムだ。
したがって、同じ名前の町でも、プレイヤーによって、どこにあるか違ったりする。
このように、変なところに力が入っているゲームなのだ。

マップ中央のやや東、赤の城付近からスタート。
さっそく、近くの村へ逃げ込んで、デッキを確認する。
赤のデッキを選んだにも関わらず、赤以外のカードも多い。
しかも、平地がデッキに1個なのに、白マナが2個必要な
アムロー・キスキンがデッキに入っている。

つまり、絶対に出せないカードがデッキに入っているのだ。
沼に至ってはゼロなのに、黒3無色1のマナが必要なイシュトバーンおじが。
ここまであからさまな嫌がらせもめずらしい。
ひとまず、逃げ込んだ村で山と灰色熊を買って、多少はマシに。
これで、デッキは合計48枚。
まだ、使えないカードも取り除く事はできない。

なお、このゲームには、フィールド上にランダムで遺跡が出現することもある。
遺跡では、強敵とレアカードを賭けて対戦したり、カードが手に入ったり、
情報が手に入ったりと、色々なことが起こる。
もちろん、いいことだけでなく、泥棒に所持金を盗まれるイベントも存在する。
とはいえ、リセットすれば、悪い結果はある程度回避できるばかりか、
いい結果が出るまでリセットする事も可能なのだ。
かくして、このシャンダラーモードはリセットゲームへと変貌する。
PCなので、リセットするたびにデータ消失の恐怖と戦わなくていい
ので楽だ。(コンシューマーでも、いずれ感覚が鈍麻してくるが……。)
ともあれ、リセットを繰り返し、泥棒の隠れ家で金貨500枚を入手!
序盤からこの大金は大きい!
さて、遺跡を出たところで、道を歩いていたドルイドを発見。
最弱クラスの敵なので、さっそく戦ってみる事にする。



VS ドルイド

最初の手札がよく、赤1マナで出せるハール・ジャッカルと山が揃っていた。
もちろん、さっそく召喚に成功! 後攻ながら、いきなり有利な状況だ。
なお、ハール・ジャッカルは1/1。(/の前はパワーで攻撃力を表す。
/の後はタフネスで守備力(あるいは生命力)を表す。攻撃したクリーチャーは
ブロックしたクリーチャーか、ブロックされなければプレイヤーにパワー分のダメージを
与え、クリーチャーはタフネス分までのダメージに耐えられる。
(遊戯王と違って、自分から弱い敵を狙えないので注意だ。)
なお、このダメージは蓄積するが、クリーチャーが死亡していない限り、
ターン終了時に元のタフネスまで回復される。)
最弱クラスだが、最速で召喚可能な頼もしいクリーチャーだ。
しかし、次のターンに相手が2/2の灰色熊を召喚。
ハール・ジャッカルの天下は1ターンで、しかも攻撃できずに終わった。
(召喚酔いと言って、通常のモンスターは、出たターンには攻撃できないのだ。)
そして、クリーチャーへのダメージは蓄積しないので、
ハール・ジャッカル1体では、灰色熊と戦わせるのは無謀だ。
しかし、ここで見事に塵の壁を引き当て、場に出す!
クリーチャーの中には、壁というタイプのクリーチャーが存在し、一般に、
コストの割りにタフネスが高めだ。しかし、当然敵1体までしかブロック
できないし、壁は攻撃に参加できないという弱点を持つ。
とはいえ、塵の壁ほどの分厚さがあれば、灰色熊ごときは問題にならない。
この壁で防ぎつつ、反撃の切り札を引き当てるのみだ。
しかし、ドルイドは殺人蜂を召喚!
殺人蜂は0/1の飛行クリーチャーだ。
飛行を持っているクリーチャーをブロックできるのは、
通常、飛行を持っているクリーチャーのみ。
上空から攻撃できるイメージと考えて差し支えない。
塵の壁には飛行がなく、殺人蜂をブロックできないのだ。
しかし、殺人蜂は0/1なので、このままだと
こちらにダメージを与えることができない。
だが、殺人蜂には、『パンプアップ』と呼ばれる特殊能力が備わっていた。
殺人蜂の場合、緑1マナをつぎ込むごとに、ターン終了時まで
パワーとタフネスが1ずつ上昇する(+1/+1の修正、という言い方もある)。
パンプアップクリーチャーは、強化したければ毎ターンマナをつぎ込む
必要がある上に、召喚コストの割りには元々のパワーとタフネスが弱い者が多い。
とはいえ、マナが貯まる中盤以降には、こちらの展開次第では
極めて恐ろしい敵へと変貌する。スピードに劣る初心者同士の戦いでは、
このパンプアップクリーチャー1体で勝負が決まる事も多々あるのだ。
あとは、敵の攻撃に耐えつつ、何かいいカードを引き当てるしかない。
しかし、現実は非情で、何の反撃もできないまま敗北した。
たまらずリセット。
終わってみれば、敵のライフは満タン。こちらの初期の手札がなかなかよくて、
なおかつ最弱クラスの敵相手にこれである。

前途は多難だ……。

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