バトルのチュートリアル−21





G   M:ゆうすけ、ふう、ケン、アキラの4人は、
      さくら幼稚園の建物の近くまで来ました。
      まず、こっそり近づくか堂々と近づくかの選択はどうしますか?

ケン   :堂々とはまずいっしょ?

ふう   :……相手のシマだから、筋は通さないと……。

ゆうすけ :全面衝突になったらヤバイから、ここは間を取ろう。全員で静かにさっと近づいてみて、
      もしいるのが確認できて、こっそり奪い返せそうならそうしよう。

ケン   :どんなじょうきょうだよ。

ゆうすけ :もしさくら幼稚園に見つかっても、話し合いに来ただけってことで通す。

ふう   :……気は進まないけど……無しでもないよね。

アキラ  :いいさくせんだ。それで行こう。

ケン   :やっぱそうっすよね〜。

G   M:では、スピード重視の潜伏行動ということで、全員すばやさ基準で判定してください。
      もし見張りがいれば、しゅうちゅう基準で判定し、成功値での勝負となります。

ゆうすけ :(ころころ)9だ。

ふう   :……(ころころ)回して、11。

ケン   :(ころころ)10。ま、こんなもんっすよ。

アキラ  :(ころころ)8か……。

G   M:ひまわり幼稚園の面々は知る余地もないんですが、さくら幼稚園の内部で色々あったので、
      見張りが手薄なんですよね。相手は、普通の能力値なので、3が基準です。
      (ころころ)7。全員上回ってますので、誰にも気づかれずに、敷地内に進入できました。
      ひまわり幼稚園のメンバーには、相手に見張りがいたかどうかもわかりませんが。
      でも、まさか、一般園児より遅いふうが成功するとは……。

ゆうすけ :見える範囲は?

G   M:成功したので、敷地内全部見渡せた扱いでいいでしょう。外には誰もいません。
      さくら幼稚園はひまわり幼稚園と同じく2階建てなのですが、
      まだ昼だというのに、1階の全ての窓で黒いカーテンが閉められていて、不気味な印象を受けます。
      さて、仮にはるひが庭で縛られてたりするとわかりやすいと思っていたゆうすけの思惑は外れ、
      結局、さくら幼稚園がクロだと断定できませんでした。
      ここから先の主な選択肢は3つですね。
      1.こっそり1階を探す 2.こっそり2階を探す 3.大声で話し合いを呼びかける
      では、小声で相談どうぞ。

ケン   :2人1組で探すってのはどうっすか?

ゆうすけ :いや、戦力の分散は避けたい。

ケン   :オメェにゃ言ってねーよ。

ふう   :……その2人が囲まれたら……捕まる……。

アキラ  :……そうだな。

ふう   :……まずは、話し合い……。

アキラ  :……話し合いが通じるあいてなのか……?

ゆうすけ :最初は話し合いも考えたけど、一番怖いのは、話し合いに出てシラを切られることだ。

ふう   :……証拠、ないから。

ゆうすけ :なんでもいいから、確定できるものを見つけたかったんだが……。

ケン   :……。

アキラ  :こっそり探すしかないのか。

ゆうすけ :見つかったら、「挨拶したけど返事がなかったので入ってきました」で通そう。

アキラ  :それでいこう。どっちをさがす?

ゆうすけ :2階は窓から逃げられない。カーテンも怪しいし、まずは1階だ。

G   M:では、今度は屋内の潜伏・捜索行動なので、かしこさが基準になります。
      隠れられそうな場所を探りつつ、人を探していくわけですね。
      対して、さくら幼稚園側は、異常な物音などを感知できるかが問題になるので、
      かしこさが基準になります。しかし、ホームで警戒態勢を取っていない上、
      見張りがスルーしてしまっているので、マイナス4のペナルティーがかかります。
      特に役割を負っていない一般園児はこういった判定には参加できませんので、
      さくら幼稚園の名のある園児との勝負になります。
      なお、ひまわり幼稚園のメンバーには知る余地もないことですが、
      さくら幼稚園には独特の支配体制があって、一般園児は基本的に名のある園児の側にいるんですよね。
      ですから、名のある園児が部屋でくつろいでいる限り、
      廊下で一般園児とバッタリ遭遇する可能性は低かったりします。
      その分、平時は不意打ち防止のための見張りが複数いるんですが、ちょっと色々ありまして……。
      とはいえ、高能力の名のある園児が相手となると、4人全員がそれに勝つのは難しいです。
      マイナス4のペナルティーは非常に大きいですが……。とりあえずどうぞ。

ゆうすけ :(ころころ)6が出て、ストップだ。

G   M:今回は1人気づかれるとアウトですので、中程度の能力値の園児は、
      6が出ても回さないという作戦も大いにアリですね。
      中能力+6の成功値が仲間内で一番低いってのはまずないですので。

ふう   :……(ころころ)私もストップ。

G   M:合計12と10、ここまでは上々です。

ケン   :(ころころ)9か。

アキラ  :(ころころ)7!

G   M:アキラも、能力値の割には大健闘でしょう。
      対するさくら幼稚園の1階には、ひまわり幼稚園の誰よりも賢いのがいます。
      とはいえ、マイナス4ものペナルティーはとても大きいんですが……。
      (ころころ)かしこさ7にペナルティ4、出目4で、合計7。
      念のために、はるひは(ころころ)2です。全然ダメ。
      アキラとキンダイチが同点決勝ですね。サイコロ1個振り合いです。
      同点決勝なのでペナルティはありません。出目の大きさのみで決まります。
      もちろん、性質上、1人でも気付かれたらアウトだと思ってください。

アキラ  :(ころころ)5!

キンダイチ:(ころころ)1ですね……。

G   M:ここまで、奇跡的にいい目連発ですね。
      では、足音を忍ばせつつ、1階の部屋を覗いていったひまわり幼稚園の一行は、
      いくつかの部屋の後で覗いたホール(広間)で、はるひと男の子が2人でいるのを発見します。
      何か話していますが、部屋の奥側にいるのでよく聞こえません。
      男の子はメガネをかけていて、黒髪でおかっぱ頭、背は低め。ガリベンっぽい印象ですね。
      鼻の辺りをケガしてるのか、何か白いものが貼られています。遠くからわかるほどのサイズですね。
      対するはるひは、制服の色が変わってます。
      ひまわり幼稚園は水色の園児服なんですが、今のはるひは桃色の園児服を着ています。
      そういえば、みどり幼稚園の3人も、同じ桃色の園児服でした。
      そして、メガネの男の子は緑っぽい色の園児服。
      少なくともひまわり幼稚園は、男女で違う色の服だったりはしないんですが……。
      なお、アキラは思い出します。自分たちを襲った園児は、これと同じ緑色の園児服を着ていたことを。
      さて、めいめいがそういった光景を見ながら混乱したり情報を分析したりしてるうちに、
      メガネの男の子がニヤニヤしながらはるひに手を伸ばし、はるひは涙目で後ずさります。
      何を言っているのかは聞こえませんが、はるひは本気で嫌そうですね。

アキラ  :うおぉぉぉっ!!!

キンダイチ:!?

はるひ  :?

G   M:アキラは声を上げながら飛び出し、ミョルニル(注:ピコピコハンマー)で殴りかかります。

ゆうすけ :ちっ! 助けを呼ばれる前に倒すしかないか!

ケン   :あーあ。1人だけ許してもらえそうもねーし、こうなったらやるしかねぇか。

ふう   :……疑わしきは……罰せよ……。

G   M:では、4人でボコろうとするわけですね?
      ホールに入った4人は、一気にメガネの園児やはるひとの距離を詰めます。
      メガネの園児は、突入直後こそ一瞬驚いた顔をしたものの、すぐに不敵な笑みを浮かべます。
      ゆうすけ、ふう、アキラは、その笑みの意味を深く考える余裕なんてありません。
      ひまわり幼稚園の園児たちは、まさかこいつがみどり幼稚園のリーダーだなんて思いませんし。
      もちろん、それについてはケンも同じです。ですが、ケンは嫌な予感を感じます。
      こいつを敵に回すと、何かとんでもないことになるような気が……。

ケン   :オっ、オ、オレはっ、後ろから敵が来ないように、けっ、けいかいしとくぜ!

G   M:では、残る3人は、メガネの園児に一方的に攻撃することができます。



本来ならば、矢田姉妹を仲間にできなかった時点で、正面から戦っても絶対に勝てないほどの戦力差がありました。
しかし、ふうが苦手分野のすばやさ、アキラが同じくかしこさで高い出目をそれぞれ連発したこともあって、
奇跡的にひまわり幼稚園の不意打ちが成功してしまいます。
不意打ちが成功した場合、1ターンの間命中率アップで攻撃できる上、
確実に先攻も取れるので、2ターン目の表まで、つまり、不意打ちした側が2回の行動を終えるまで、
不意打ちされた側は何もできません。その間、増援を呼ぶ手段がないのです。
みどり幼稚園の園児が戦いの物音に気付くかどうかはまた別の話ですが、ここは安全な筈の園内。
自分のところのおバカが暴れてるだけかもしれないので、不審な物音を聞いてから発生源を確かめようと判断するには、
どうしてもある程度の時間が必要です。
つまり、増援を呼ばれる前にメガネの園児さえ倒してしまえば、
はるひを連れて逃げるのはそう難しいことではありません。
九死に一生を得られるかどうか、ひまわり幼稚園の挑戦が始まります。
しかし、彼らは知りません。
目の前の園児が、広大な領土を持つさくら幼稚園を、武力で平定した王であることを。


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