この街では



この街は、瀬戸内海に面する、人口10万人あまりの街。
この街では、街を挙げた園児のお泊り合宿の最中に
『若年者の保護及び健全な育成に関する法律』(通称、幼年法)が成立。
結果、家族を含めたほぼ全ての大人が疎開してしまい、
各園に泊まっていた園児と、引率の先生が街に取り残された。
そう、この街の園児たちは、自宅に帰れないのである。

それでも、流通の激減は例外ではない。
日に日に不足していく物資に、園同士が緊張を募らせていた。

ある日、東京から派遣されてきた執政官の代理を名乗る者から、園にカードが配られる。
カードは全部で52枚あり、多くのカードを集めた者はどんな願いでも叶えられるという。
きらきら輝くカードの裏には、謎の地図。どうやら、分割されたこの街の地図のようだ。

同時に、生きていくための術も示された。
執政官代理は、生き残るために、カードと支配権を賭けて、他の園と戦えという。
それらは国会の立法によって許された合法行為である、とも。

かくして、戦いが始まった。


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