第6話・第4節・タイトル未定





浅丘   :今日はもう遅いっすけど、向こうから安否確認が入る前に攻め入るのがベストっすね。

ましろ  :無事だと嘘をつくと、他も疑われるからな。

ゆうすけ :でも、仲間を不意打ちってのは、酷すぎないか?

浅丘   :彼、要塞化の能力者っしょ? 最悪、締め出されるっすよ。

ましろ  :最初は話し合いの姿勢を見せるべきだな。

浅丘   :そうっす。ましろさんとは気が合うっすね。こっちには人数の優位があるんで。

はるひ  :みんなでかこんでぼっこぼこですわ♪

アキラ  :……。 ←苦々しい表情

ましろ  :(こやつ、我輩以上にえげつないな……。)

浅丘   :それもいいんすけど、数で迫ったら、一騎討ちを持ちかけてくる可能性が高いっす。

ゆうすけ :(それもいいのかよ。)

ましろ  :それで勝てるのか?

浅丘   :一回負けてるだけに、相手も勝てると思うっしょ。そこで叩けば納得するっす。

ゆうすけ :なるほどな。

ましろ  :もし負けたら、ボスを助けに行くという悲願はどうなるんだ?

浅丘   :その時は、獅子身中の虫であるボクらが、クーデター起こしちゃうかもしれないっすね。

ましろ  :!!!?

はるひ  :そ、そんなに強いんですの!? ←月面のくぼみのようなものを思い浮かべているらしい。

田沼   :あたしらだって、ちゃんと備えときゃ負けないぜ!

アキラ  :……さくはかんぺき、ということか。

ゆうすけ :そうか。あいつらはひまわりが信用できない以上、れいめいの戦力に頼らざるを得ない。

ましろ  :あやめの古参だけでは、人数が少なすぎるか。

浅丘   :もちろん、クーデターの後は、ゆうすけさんに治めてもらうっすけどね。

ゆうすけ :(言われてみれば完璧な理論だが、れいめいが裏切る可能性だってある。
       継承戦争に勝てばいいだけの話だが、どこまで信用していいのか……。)

浅丘   :仲間は多い方がいいっす。ボクらが後ろから倒しても、手は貸してくれないと思うんで。

ゆうすけ :勝てばいいんだな。

浅丘   :そうっす。一騎打ちのメンバーはアキラくんにお願いするっす。

アキラ  :……。

浅丘   :あの雷を敵に当てるつもりで攻撃したら、ゆうすけさんより強い筈っす。

アキラ  :……わかった。

ゆうすけ :……その案には賛成できない。

浅丘   :ゆうすけさんなら、そう言ってくれると思ってたっすよ!

ゆうすけ :お見通しなら、最初からそうしてもらいたいもんだな。

浅丘   :申し訳ないっす。確実性を取る人かもって思ってたんで……。

はるひ  :……つまり、どういうことですの?

ゆうすけ :一騎討ちには俺が出る。

はるひ  :さすがゆうさま! すばらしいですわ!

アキラ  :……。

浅丘   :あと、ゆうすけさんの組織なんで、階級名は直してもらっていいんすけど。

ゆうすけ :いや、このままで行く。

浅丘   :そう言うと思ったっす!
      ゆうすけさんは自動的にボスになってる筈なんで、ボクを相談役にお願いするっす。

ゆうすけ :わかった。

浅丘   :はるひさんはアンダーボスのまま。ここにいるほかの人は全員幹部で。

はるひ  :とうぜんですわ!

浅丘   :リョウさんをアンダーボスに。ただし、実質的に無権限です。
      同格にはるひさん、上にボクとゆうすけさんがいますし、名前で満足してもらうっす。

ゆうすけ :そこまで考えてるのか……。

ましろ  :(こやつ、いくらなんでも賢すぎるぞ。何者だ!?)

浅丘   :じゃ、戻るっすよ。……っと、どうやって来たんすか?

ゆうすけ :駐車場前まで先生の車だ。

浅丘   :なるほど、その手があったんすね。

ゆうすけ :(そんな奇抜な手でもないと思うが……。)

浅丘   :戻りましょう。車の定員もあるんで、まずはボクがゆうすけさんたちと一緒に帰るっす。

田沼   :きょーちゃん、大丈夫か!?

浅丘   :心配は要らないっす。今日はこれでお別れっすけど、
      ゆうすけさんにみんなの部屋お願いするんで、あやめに戻ったら寝といてほしいっす。

田沼   :わかった!

ましろ  :ボス。危険だが、誰か残すか?

ゆうすけ :いや、大丈夫だ。うちの相談役は信用できる。

浅丘   :ありがたいっす!

ゆうすけ :(もっとも、本人には疑ってることはバレバレだろうな。
      それを踏まえた上で、お互いどう動くか。腹の探り合いだな。
      今はこいつに対抗できるのはいないから、受け身にはなるだろうが……。)


第6話・第3節 へ
第6話・第5節 へ

トップページへ