第72話・



マキナ、厳密には、マキナを演じているマウリヤがさらわれてしまった!
ひとまず、夜のサンマロウで情報を集めることにする。
酒場の店主によると、ここのところ入り浸っていたガラの悪い2人組の仕業だろうという。
そして、からくり職人に話を聞いてみると……。



からくり職人
「それにしても、マキナお嬢さんお気に入りの、あの人形はどこへ消えてしまったんじゃ。
 あの人形は特別製でな。マキナお嬢さんに頼まれて、わしが作ったものなんじゃ。
 大きさも見た目も何もかも、お嬢さんそっくりの人形さ。」



他意はないが、どこまで精巧に作ったんだろうか……。

みつばたちは、宿に泊まり、サンマロウ北の洞窟へ。
なお、ここまで来れば、もう温存戦は無理だ。
宝箱回収とボス戦の二段構えでいくことにする。

この洞窟には、いくつかの立て札がある。



『足元にお気をつけて 魔物にご注意ください。』



以前来たときには、鍵がかかっていて入れない扉があった。
例の扉を横目に別の道を進んでいる途中、
鍵のかかっていて入れなかった扉から、誘拐犯が出てきた。



あらくれ
「おいおおいおい! どうなってやがるんだ!?」
盗賊
「アニキぃ〜。あの娘、親なんかいないって言ってますぜ……。
 しかも、屋敷の使用人も全部クビにしちまったから、誘拐に気づくやつはいないって……
 そういや……あのお屋敷、まるで人の気配がなかったな。……………………。」
あらくれ
「バッキャロー!
 あきらめるなっ! 家族がいなくても、友だちとか、誰かひとりくらいいるだろう!
 もうしばらく待つんだ。きっと、誰かがオレたちのために、身代金を持ってきてくれるさ!」



少なくとも、お前たちのためじゃねぇよ。



盗賊
「かっこいいぜ! アニキぃ〜!」



誘拐犯たちは、扉の中へと戻っていった。
さらに進み、椅子とテーブルの前へ。
立て札には、こう書かれている。



『いらっしゃいませ。どうぞイスに座り、しばらくお待ちください。』



粗末なイスが置いてある。イスに座りますか?
→いいえ



結局、座らないと話が進まないので、座る。
座って待っていると、誘拐犯がはしごをかけて、イスのところまでやってきた。



あらくれ
「あんた…! まさか、身代金を……!?
 ようこそいらっしゃいませ! 
 いやぁ〜。こんなむさくるしい所へ、よく来てくださいやがりました!
 わかってます、わかってます。
 あなた、アレでしょう。マキナお嬢さんの……
 いや〜っ、いい人だ! あんた、すばらしい人だ!! 誘拐した甲斐があった!
 大丈夫。お嬢さんは、元気にしてやがりますよ。かすりキズひとつ、つけてません。」



あらくれがマキナを連れてくるように盗賊を呼ぶが、
盗賊によると、マキナは逃げてしまったという!
みつばたちは、慌てて後を追った。

マキナが捕らえられていたと思われる牢屋の柵はこじ開けられていた。
女神の果実の力を得た人形なら、そのくらいはやりかねない。
誘拐した相手に注意を促すためなのか、立て札が立てられていた。



『誘拐は、明るい笑顔で元気よく。』
『!注意! 洞窟の奥は魔物が出ます。』
『危険、進むな。』
『坂をおりたら、その先、地獄』




いいやつなのか悪いやつなのか、よくわからない。
まあ、悪いやつなんだが……。



『例のアイツを探して、メタルハンターが住み着いています。
 皆さん、十分ご注意ください。』




みつばたちは、意を決して洞窟を進む。


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