第70話・



みつばたちは、ひとはを倒されながらも、なんとか石の番人を倒した!



石の番人
「オ……オオ…………。」



石の番人は、消えてなくなった。



サンディ
「何? 今の? ちょーびっくりしたんだけど……。」



サンディが振り返ると、老人の幽霊が階段を下りていくのが見えた。もちろん、後を追う。
すると、地下の棺の側に、老人の幽霊の姿が。



ラボオ
「すまなかったね、旅の人よ……。
 どうやら、あの番人は、私が不思議な果実にこの地の平穏を願ったばかりに、生まれたようだ……。
 だが、あれは私の本意ではなかった。これで、ようやく私の小さき友人も安心できるだろう。」



もしかして、友達って、あのスライムだけとか……?



ラボオ
「私は、帰れぬ故郷の地を……
 手に入らなかった大切な物をここに作り上げたのだ。
 そう……この地は、幻影。老いぼれの見た、最後の夢。
 だが、それでも……。
 クロエ……私はこれで、愛する君の元へ……故郷エラフィタに帰ったのだ……。」



ラボオの幽霊は消え、そこには女神の果実が残った。
みつばは女神の果実を手に入れた!



サンディ
「そっか……思い出した。
 ここって、黒騎士騒ぎのときに、歌を聴きにきたエラフィタ村なんだ。」



遅いよ!!



サンディ
「あの村が、ラボオっておじいちゃんの故郷だったんだね……。
 それを、何十年もかけて……。
 でも、このことを知って、おじいちゃんの元カノは、どう思うんだろう?
 ねえ、みつば……。人間のすることって、よくわかんないね。」



お前の脳みそもよくわからん。



例の石の家に戻り、スライムに話しかけてみる。



スライム
「ラボオじいさんはやさしい人だったよ。ぼく、大好きだった。
 だから、ぼく、ずーっとここにいる。ここの番をするんだ!」



先程、どこか寂しげにみえた恋人たちの彫像は、幸せそうにほほえんでいる。
みつばたちは石の町を後にした。

カラコタ橋の教会でひとはを復活させ、夜のエラフィタへ。



クロエばあさん
「まあ。ラボオに会った?
 山の上に石のエラフィタを作って……?
 おもしろいこと言うのね。それに、あなた、いったいラボオの名をどこで聞いたの?
 ラボオ……なつかしい響き。
 たしかに昔、この村の生まれの、ラボオという名の青年がいたわ。私は、彼と恋人同士だった。
 でも、彼は、ウデをみがくために旅に出て、それっきりこの村には帰ってこなかった。
 裏切られたって思ったわ。私はあの人のことをずっと待って………………。
 なのに……あの人が彫刻でエラフィタを……? そんなこと、あるはずないわ。
 私にはとても信じられない。あの人は、この村を捨てたのよ。私といっしょにね……。
 それに、あなたの言ったことが本当だとしても、もう、今更おそいわ。
 時間は、決して戻せないのよ……。」



複雑な思いを抱きつつも、エラフィタを出た。


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