第180話・



回想。

ラテーナとエルギオスがナザムで暮らしていた頃の話。
エルギオスはラテーナに星空の首かざりを贈る。
未来にみつばが掘り出してラテーナに渡すことになる、
天使が近づくと輝き出す首飾りだ。



エルギオス
「願わくは、この首かざりが、常に輝きと共にあらんことを……。」



こいつ……。



ラテーナ
「それって……あなたが、これからもずっとそばにいてくれるってこと?」



うなずくエルギオス。

その後、ガナンの兵士が大群で村にやってきた。
どうやら、エルギオスを狙っているようだ。
ラテーナの父親は、ラテーナと一緒に泉に隠れるように、傷を負っているエルギオスに言った。
そう。ナザムの北にあった、あの泉である。
そして、首かざりをつけていたら帝国軍に見つかるかもしれないと言って、
ラテーナは首かざりを隠すことにした。

泉に来たエルギオスとラテーナだったが、エルギオスは、やはり村に戻って戦うと言う。
そんなエルギオスに、ラテーナは父親が持たせた秘伝の薬を飲ませた。



エルギオス
「これは?」
ラテーナ
「村に伝わる秘伝の飲み薬よ。キズによく効くの。お父さんが使ってくれって……。」
エルギオス
「人間の薬が私の身体にどれほど効くかわからぬが……ありがたく使わせてもらおう。」



エルギオス
「ううっ……これは、眠り…ぐすり?
 どう…して、ラテ……ナ?」
ラテーナ
「……ごめんなさい、エルギオス。
 でも、こうしなければ、あなたはきっと村のために戦い、深くキズつくことになる。
 そんなの、私には耐えられない。たとえ、あなたを裏切ることになっても……。」



そこに、帝国兵がやってきた。
遅れて、ラテーナの父親も到着する。
どうやら、ラテーナの父親はエルギオスと引き換えに、村を助けてもらう取引をしたようだ。
結局、なす術の無いラテーナの目の前でエルギオスは連れ去られ、
父親とラテーナもその場で帝国兵に殺されてしまう。
ラテーナの父親も、騙されていたのだ。



そして、回想が終わる。



サンディ
「……そんなことがあったんだ。そりゃあ、あのエルキモすも、人間を恨んじゃうわ。
 たぶん、あんたのことも、裏切り者って思ってるんじゃん?」



こいつ、色々とひでぇw



ラテーナ
「私は、もう一度彼に会って、あの時のことを謝らなくてはならないの……。
 そのために、今日までこうして地上をさまよってきたのだもの。
 あの人が去っていったのなら、私はそれを追うだけ……。」



サンディ
「あ〜あ、行っちゃったよ。相手はお空の上だってのに、どうするつもりなのカナ?
 ……さって、こんなこぎなたいトコ、もう用はないし、アタシらも、もどろーよ。」



そこに、アギロがやってきた。
飛び去る得体の知れないやつとバルボロスを見て、心配になって来たという。
結局、救出した天使を箱舟に乗せて、天使界へと行くことになった。

ガナン帝国城をあとにしたみつばは
救い出した天使たちを 天使界へと送り届けた。
そして……

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