第31話・幸せな結末?

浩平たちは激闘の末、ついにイブールを倒した!

「こ、これが……こうなることが……運命だったと、いうのか……
 全ては我らが神大魔王ミルドラース様の予言通り!」

いや、負けるって予言されてたならもうちょっと用心しようよ。
特に単調な戦闘パターンとか……。


「浩平よ。お前の母は暗黒の魔界、ミルドラース様のもとにいる」
 
へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜

「母を助けたくば魔界に行くがよい」

母を訪ねて三千里か……。イマイチはやりそうにないな。

「しかし、そこでお前とその一族は滅びることになるのだ
 今このわしが魔界への道を通じさせてやろう」

あ、そりゃご親切にどうも。

「大魔王ミルドラースよ! このわしに最後の力を与えたまえ!」

この期に及んでまで『わし』とは、横柄な奴である。

『しかし何もおこらなかった……』

ほらね。頼みごとするのに態度がデカいから……。

「そ、そんな……。バ、バカな……。ぐふっ!」

やはりお約束の断末魔を残し、イブールは息絶えた。
浩平はイブールのいた場所で命のリングを拾った。
命のリングにはかすかに浩平の母のぬくもりが残されていた。
……このぬくもりって、実はイブールのじゃないだろうな?

そして、洞窟を出ようと歩いていると、命のリングから不思議な声が聞こえてきた。

「こうへい……。こうへい……。
 わたしの名はマーサ。こうへい……。わたしの声が聞こえますか?」

→「いいえ」

「ああ! わたしの……この母の声が聞こえるのですねっ!」

……そこは「聞こえとるやんけ!」ってつっこむところだよママン。

「浩平。大きくなったお前の姿をこの母はどんなに見たいことでしょう!
 しかし、それは願ってはいけないこと。
 浩平……。魔界に来てはなりません。
 伝説の勇者といえども、魔界にいる大魔王にはとてもかなわないでしょう。
 浩平。お前にはすでにかわいい奥さんと子供たちがいると聞きました」

いや、その子供のうちの1人が伝説の勇者なんていう因果な宿命を背負っているわけで。

「この母のことなど忘れて、家族仲良く暮らすのです」

無視かよ……。

「母はこの命に代えてもミルドラースをそちらの世界に行かせません。
 さあ、もうお行きなさい。すぐそこにかわいい人が待っているはず。
 さようなら、浩平……」

そして、地上に出た浩平たちを待っていたのは、
石化が解けたフローラだった!

「ここはどこかしら…? 私ったら今まで何を……?」

そりゃそうだ。約10年(推定)も石になってりゃ、
状況がよくわからないのも無理はない。

「あら! あなたたちは!」

やはり、石像はフローラだった。
フローラはついに元に戻ったのだ!

第30話へ
第32話へ

トップページへ