浩平たちは激闘の末、ついにイブールを倒した!
「こ、これが……こうなることが……運命だったと、いうのか……
全ては我らが神大魔王ミルドラース様の予言通り!」
いや、負けるって予言されてたならもうちょっと用心しようよ。
特に単調な戦闘パターンとか……。
「浩平よ。お前の母は暗黒の魔界、ミルドラース様のもとにいる」
へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜
「母を助けたくば魔界に行くがよい」
母を訪ねて三千里か……。イマイチはやりそうにないな。
「しかし、そこでお前とその一族は滅びることになるのだ
今このわしが魔界への道を通じさせてやろう」
あ、そりゃご親切にどうも。
「大魔王ミルドラースよ! このわしに最後の力を与えたまえ!」
この期に及んでまで『わし』とは、横柄な奴である。
『しかし何もおこらなかった……』
ほらね。頼みごとするのに態度がデカいから……。
「そ、そんな……。バ、バカな……。ぐふっ!」
やはりお約束の断末魔を残し、イブールは息絶えた。
浩平はイブールのいた場所で命のリングを拾った。
命のリングにはかすかに浩平の母のぬくもりが残されていた。
……このぬくもりって、実はイブールのじゃないだろうな?
そして、洞窟を出ようと歩いていると、命のリングから不思議な声が聞こえてきた。
「こうへい……。こうへい……。
わたしの名はマーサ。こうへい……。わたしの声が聞こえますか?」
→「いいえ」
「ああ! わたしの……この母の声が聞こえるのですねっ!」
……そこは「聞こえとるやんけ!」ってつっこむところだよママン。
「浩平。大きくなったお前の姿をこの母はどんなに見たいことでしょう!
しかし、それは願ってはいけないこと。
浩平……。魔界に来てはなりません。
伝説の勇者といえども、魔界にいる大魔王にはとてもかなわないでしょう。
浩平。お前にはすでにかわいい奥さんと子供たちがいると聞きました」
いや、その子供のうちの1人が伝説の勇者なんていう因果な宿命を背負っているわけで。
「この母のことなど忘れて、家族仲良く暮らすのです」
無視かよ……。
「母はこの命に代えてもミルドラースをそちらの世界に行かせません。
さあ、もうお行きなさい。すぐそこにかわいい人が待っているはず。
さようなら、浩平……」
そして、地上に出た浩平たちを待っていたのは、
石化が解けたフローラだった!
「ここはどこかしら…? 私ったら今まで何を……?」
そりゃそうだ。約10年(推定)も石になってりゃ、
状況がよくわからないのも無理はない。
「あら! あなたたちは!」
やはり、石像はフローラだった。
フローラはついに元に戻ったのだ!