第66話・祥子さまの屈辱


祥子たちは三度目の正直で、ついにバラモスを倒した。

バラモス
「ぐうっ……お…おのれ、さちこ……」
由乃
「呼び捨て禁止!」(ぺしっ)

由乃はどこからか取り出したあっぱれ扇子でバラモスの額を軽く叩いた。

バラモス
「わ…わしは……あきらめ…ぬぞ…ぐふっ!」

ドラクエ名物「ぐふっ」を残し、バラモスは光の中で消滅した。

祐巳
「あ、由乃さんが魔王にトドメを!」
由乃
「あ」(中指立てるくらいにしておいた方がよかったかな……?)

暖かい光があたりを包む……。

祥子たちのHPとMPが回復した!

そして、どこからともなく声が聞こえる…

SEELE SOUND ONLY
「さちこ…さちこ…私の声が聞こえますね?」
祥子
「いいえ」
祐巳
「お姉さま、ツッコミいりますか?」
祥子
「遠慮しておくわ。(声のする方に向き直って)ごきげんよう。
 声の中の人はどなたですの?」
志摩子
「中の人などいなっ……いえ、いません。」
祐巳
「やっぱり、志摩子さんってけっこうマニアック?」
由乃
「やっとメラゾーマ覚えた〜! 令ちゃんに見せてあげたいなぁ。
 『これが余のメラだ。』な〜んて。」

声の存在など忘れたように、一行ははしゃぎ始める。

SEELE SOUND ONLY
「あなたたちは本当によくがんばりました。
 さあ、お帰りなさい。あなたたちを待っている人々のところへ……。」

謎の声の仕業か、一行はアリアハンの近くに強制ワープ。
有無を言わせないテレポートは余り嬉しくないが、低レベル状態で
地下深くの階にいきなりテレポートされなかっただけマシだろう。
「いしのなかにいる!」などとは比べ物にならないくらいマシだ。

そして、祥子たちはアリアハンへ。
バラモスを倒したという知らせは、すでにここまで届いていた。

……届くの早すぎ!

町の入り口で人々の歓迎を受け、そして、
教会でマリア様に戦勝を報告。
祥子の自宅で清子おばさまに会った後、
王様に会いに城へ行った。

王様
「おお、祥子よ! よくぞ魔王バラモスを打ち倒した!
 さすがオルテガの息子! 国中の者が祥子を称えるであろう。」

……称えてもらわなくていいですから、
せめて性別は間違えないでください……。


祐巳
「よりによってお姉さまを男性呼ばわりするなんて……。」

ともあれ、魔王を倒したのでこれから祝いの宴でもというときに、
突如周囲が暗くなり、落ちてきた稲妻によって兵士が6人ほど消し飛んだ。

ゾーマ
「わはははははっ! 喜びのひと時に少し驚かせたようだな。
 我が名はゾーマ。闇の世界を支配する者。
 このわしがいる限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう。
 さあ、苦しみ、悩むがよい。
 そなたらの苦しみはわしの喜び。
 命あるもの全てを我が生贄とし、絶望で世界を覆いつくしてやろう。
 我が名はゾーマ。全てを滅ぼす者。
 そなたらが我が生贄となる日を楽しみにしておるぞ。
 わははははははっ…………!」

某小説家のあとがきのような笑い声の登場により、
宴の席は大変なことになってしまった。
王様にはゾーマの存在は町の人たちには秘密にしておくように言われる。
よって、ゾーマの存在を知らない町はまだ浮かれムードなのだが……。

いつもセーブさせてもらっているルイーダの店にいるシスターも、
なにやら胸騒ぎを感じている様子。
ゾーマのことを話すべきか話さないべきか……。

なんにせよ、ゾーマとやらをなんとかしない限り、真の平和は訪れないらしい。
一行はゾーマの手がかりをつかむべく、
ラーミアに乗って世界を巡ることにした。

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