第00話・殴らない女



「メラ!」
「メラ!」
ささやかな火力の呪文が、澄み切った青空にこだまする。
マリア様のお庭に集う乙女が、今日も天使のような無垢な笑顔で、
火力の低い呪文を繰り出していく。
汚れを知らない心身を包むのは、安い値段の防具。
攻撃の呪文は途切れさせないように、
なけなしのMPは切らさないように、
よく考えて進むのがここでのたしなみ。
もちろん、序盤のダンジョンでMP切れなどといった、
はしたないパーティーなど存在していようはずもない。

私立リリアン学園inドラクエ3プレイ日記。
いつのまにか開始されていたこの企画は、
もとは魔法使用禁止プレイ日記へのアンチテーゼとして考案されたという、
伝統もへったくれもない制限系プレイ日記である。
アリアハン周辺。魔王の勢力がいまだに浸透しきれていない
スライムの多いこの地区で、マリア様に見守られ、
仲間集めから次の大陸までの一貫教育が受けられる初心者の園。
時代は移り変わり、ルイーダの店の2階が薔薇の館の住人で
あふれてしまった今日でさえ、18回も魔法だけで勝ち抜けば
温室育ちの純粋培養お嬢様もいつのまにかレベルアップしている、
という仕組みが未だに残っている貴重なプレイ日記である。





かくして、ここに新たなプレイ日記がスタートする。
今回の制限は、前回のプレイ日記の逆で、
魔法をバンバン使う制限プレイ。
制限は単純明快。

「たたかう」使用禁止だ。

……レベル上げとか辛いだろうなぁ。
今から鬱になってきた……。

ルールは前回とほぼ同じ。
「魔法・特技」使用禁止が「たたかう」使用禁止に変わっただけだ。
さて、今回も無事にクリアすることができるのか!?



※なお、例によってキャラ名は別の作品のキャラ名を
勝手に借用しています。いわゆる二次創作のようなもので、
必ずしも原作の設定に忠実ではないかもしれないです。
むしろ、めちゃめちゃ崩れてます。
一部のキャラクターの性格がかなりデフォルメされてますので、
原作のファンの方はどうぞご注意ください。

キャラクターの原作はコバルト文庫「マリア様がみてる」
今野緒雪 先生著  集英社 刊 です。
原作を読んでないとわからないネタもちらほらありますが、
その辺はご愛嬌ということで……。
もちろん、たとえ原作を読んでいても
わからないネタを各所にちりばめているなどといった、
はしたない管理人など存在していようはずもない。(嘘)

なお、セリフの改変等で、通常のドラクエ3ともやや違った毛色になっています。



正式なプレイ制限は「たたかう」使用禁止のみです。
ただし、裏技(ルカナン→守備力を戻すために装備変更、など)は認められません。



かくして始まったプレイ日記。
勇者祥子(さちこ)は、16歳の誕生日を迎える朝、
母親の清子(さやこ)に連れられてアリアハンの王様のいる城へと向かった。



清子は「この日のために祥子を
男の子のように育てた 」と言っていたが、
ついでに男嫌いになってしまっていた様子。
なお、ゲーム進行の都合上、
彼女の性格は当然のようにセクシーギャルである。
きっと、下級生にもモテモテに違いない。


そして、祥子は城の中に入る。
しかし、初めて入る場所なので、何があるのかよくわからない。

祥子「色々調べて回るのも面倒そうね。殿方も多いし。」

結局、他の人には目もくれずに直進し、王様に話しかける。
そして、王様に50Gと仲間の武器・防具を貰い受け、
仲間を集めるべく一直線にルイーダの店へ向かった。

ルイーダの店に着いた祥子は、
シスターに「ごきげんよう」と挨拶してから2階へ。
まず、登録所で僧侶の志摩子(しまこ)を呼び出してもらった。
なかなかきれもののようだ。
次に、登録所で魔法使いの由乃(よしの)を呼び出してもらった。
なかなかきれもののようだ。

もちろん、2人の性格は意図的に選んでいる。
今後魔法を多用するのはわかっているので、賢さの種をいっぱい与えると、
案の定、性格は魔法使い向けの「きれもの」になるのだ。

賢さの種おそるべし!

最後に、登録所で祐巳(ゆみ)を呼び出してもらった。
職業は遊び人。なかなかセクシーギャルのようだ。

……なんとっ! デフォルトでセクシーギャル!?



※セクシーギャル
全ての能力値がバランスよく上がるという、通常なら最強の性格。
もちろん、この性格になれるのは女性だけ。



あろうことか、勇者でもないのにいきなりセクシーギャル。
狙ってないのに偶然セクシーギャル。

しかも、祥子さまとおそろい。

ただの遊び人ながら、祐巳は非凡な才能を秘めている様子。
祥子さまに見出されるだけのことはあるのか!?
なお、全員の能力値は以下の通り。
志摩子と由乃の賢さは、レベル1としてはもはや異常である。

祥子 (勇者) LV:1 力:11 早:17 体:9 賢:9  運:8
志摩子(僧侶) LV:1 力:6  早:5  体:5 賢:21 運:5
由乃(魔法使い)LV:1 力:3  早:10 体:5 賢:21 運:4
祐巳(遊び人) LV:1 力:5  早:4  体:7 賢:12 運:11

ここで装備を整えることに。
通常と違うのは、武器を買わないでいい、
というかむしろ武器があっても邪魔になるだけだということ。
そこで、軍資金を得るために、使わない武器を売却することにした。
武器屋で棍棒2個、ひのきの棒1個、銅の剣1個を売却。
これで所持金は172Gになった。

所持金が増えたので、次は防具だ。
祥子は150Gの皮の鎧を祐巳に買い与えようとするが、
遊び人の祐巳は皮の鎧を装備できなかった。
この段階では、遊び人の祐巳には旅人の服が最高の服なのだ。
かくして、王様からもらった旅人の服は、
祥子さまの意向により祐巳の物になった。
そして、祐巳の布の服は、祥子が持つことにした。

祐巳「もう使い道がないのに、私の着てた布の服は売らないんですか?」
祥子「祐巳がずっと身に付けていたものを売るなんてとんでもない。
  この布の服は私が大事にするわ。何か問題でも?」
祐巳「お姉さま……。(ぽっ)」

その後、祥子は祐巳に皮の盾を、志摩子に旅人の服を買う。
資金が尽きたので、ひとまず街中を探索してみることにした。

アリアハンの城や城下町を探りまわり、
ラックの種や力の種などを入手。

力は上がっても嬉しくないので、力の種は売り払うことに。
力の種は、180Gもの大金で売れた!


祥子は自分に皮の鎧を買い、装備していた旅人の服を由乃へ。
これで全員に旅人の服以上が揃い、残金は86G。

なお、祐巳がかつて装備していた布の服を売れば皮の盾が買えるのだが、
祥子さまはなぜか手放そうとしない。


残ったお金で、皮の盾が装備できない由乃におなべのフタを買い、
ひとまず武器と防具の買い物は終了。
全員の能力を確認した後、隊列を整える。

祥子  (勇者) LV:1 HP:18 MP:17 攻:11 守:20
由乃(魔法使い) LV:1 HP:10 MP:20 攻:3  守:15
祐巳 (遊び人) LV:1 HP:14 MP: 7 攻:5  守:14
志摩子 (僧侶) LV:1 HP:10 MP:18 攻:6  守:10

魔法が使えないから役に立たないはずの祐巳が厚遇されている気がするのは、
気のせいだろう、きっと……。


かくして始まった紅+紅白黄一行の冒険。
これからどうなっていくのか!?

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