ハリセンこみゅにけ〜しょん







前回の冒険で得た経験点は、5028点+各自の1ゾロ分でした。






G   M:それでは、成長申告をどうぞ。

レイディア:ソーサラーが6レベルよ。

トゥエリ :下手な導師より強いデスね。

フアナ  :……成長見送り。

トゥエリ :シーフとソーサラーとセージ兼任で、他の人より負担が多いデスからね。
      私はファイターが7レベルデスよ。

カトレア :んー。プリーストが8レベルです。

トゥエリ :もう8レベルだなんて、一本伸ばしは強いデスね。

ディース :ファイター7レベルだぜ! やっとマリアに並んだ!

トゥエリ :クリティカルと回復がある分、もうマリアさんより強いデスね。

マリア  :下僕の分際で、主人の恋人を愚弄するか。

レイディア:恋人じゃないけど、やっちゃっていいわよ。

ディース :下僕なのは否定しねーんだな。

マリア  :ならば、我の事典を広げてトゥエリに見せるぞ。

G   M:トゥエリが集落で試練に負けて逃げ出したときの葛藤が、
      事典のページにびっしりと記されています。標的以外の人間も、
      そちらを見れば内容を知ることができます。標的は精神力で抵抗を。

トゥエリ :(ころころ)6ゾロ!

マリア  :(ころころ)精神へのダメージが、合計6じゃ。

トゥエリ :冒険者レベルで止まりましたヨ。

ディース :また無駄な6ゾロが出たぞ。

レイディア:……初めて使ったけど、えげつない能力ね。この事典は心を読むわけ?

マリア  :何が書いておったのじゃ。この能力の使用中は、我が本を読めぬのじゃ。

レイディア:トゥエリの当時の心象風景っていうか、そんな文章が見えた。

フアナ  :……おそらく……魔神がかかわってる……それも、かなり高位の。

レイディア:ありえない話じゃないわね。マリア、その能力は味方には使用禁止よ。

マリア  :わかったぞ。

フィーエル:あうー。カトレアさん、さっき、席、立った。

レイディア:人には知られたくない過去があるもんだからね。
      そりゃ、私だって覗かれたくはないわ。

トゥエリ :だったら覗かせないでくださいヨ!

レイディア:あんたはいいのよ。(きっぱり)

トゥエリ :ひ、ひどい……。

レイディア:まあ、こんなに強力な能力だとは知らなかったしね。

マリア  :広い心で許せ。

レイディア:後で踏んであげるからさ。

トゥエリ :その言い方だと、踏まれるのが嬉しいみたいに聞こえるんデスが。

マリア  :バレバレじゃ。

フアナ  :……公知の……事実……。

レイディア:はいはい。終わったことクドクド言ってたら、踏むわよ。素足で。

トゥエリ :しかしデスね……今回のはいくらなんでも……。

ディース :そ、そんなに踏まれるのが好きなのか……。

フアナ  :……。 ←汚物を見るような目

マリア  :……。 ←同じく

ディース :まあいいや。お前、カトレア呼び戻して来い。

トゥエリ :自分で行ってくださいヨ。

ディース :へっ。俺がレイディアにちょっかいかけて、ストレス発散されてもいいのか?

フアナ  :……へタレが……染み付いてきた……。

ディース :うっせー。しゃーねーだろーがよ!

トゥエリ :わかりましたヨ。仕方ないデスね。

マリア  :むぅ……まともな男は奴だけか。

フィーエル:あう。ありがとう。

レイディア:あんたじゃないわよ。






ディース :はい、今日もこの時間がやってまいりました……って、どの時間だよっ!?

フアナ  :……ひょうきんな、奴隷……。

トゥエリ :また来ましたネ。

ディース :今日も燃えるぜ! 熱いバトルだ!

レイディア:そんなに脱ぎたいの?

ディース :……いや、脱衣はナシだ。

マリア  :ほう。学習能力はあるのだな。

ディース :意外そうに言うなよ!

レイディア:カトレアも気軽に参加できそうなのにしなさい。命令よ。

ディース :め、命令かよ……。

カトレア :んー。僕ですか?

ディース :となると、魔法なしか。うーん。

カトレア :いえいえ。僕のことはお構いなく。

レイディア:まあそう言わずに。腹割って話しましょうよ。

フィーエル:あ、あうー……。

トゥエリ :いや、割腹はしませんからネ。

フアナ  :……語彙が……おじんくさい……。

レイディア:お前にだけは言われたくねぇよ!!

フアナ  :……わたしの……オハコ……。

トゥエリ :お金ないときは、知らない人にもお酒たかりますからネ、この人。

レイディア:言うなよ! ていうか、最近リッチだし!

ディース :リッチじゃなかったら、やるのかよ!

マリア  :そんなものなくとも、我が酔わせてやるというに。

レイディア:いや、そういうのはいいから。

ディース :じゃ、古今東西やろうぜ。

レイディア:どんなルール?

ディース :お題を出して、そのお題に合うものを答えながら、ボールを打ち合う。

レイディア:却下。

ディース :えー、なんでだよ。

トゥエリ :運動オンチのレイディアさんが不利だから、デスね。

レイディア:そうよ。(えっへん)

トゥエリ :いや、誇らしげにされても。

ディース :へぇ、逃げんの?

レイディア:奴隷が何を言っても無駄。あんた、存在が軽いのよ。

フアナ  :……あの時着てた服も、軽い。

ディース :ああ、軽かったぜ……って、それ重量ゼロじゃねえか!

トゥエリ :この人、今ノリツッコミしましたヨ。

フィーエル:あう。

トゥエリ :あそこまで恥晒して、普通の神経だったら顔出せないと思うんデスが。

ディース :へっ。まあな。

レイディア:褒めてないし。

フアナ  :あそこ■■■晒して、普通■■■■■■■■出せないと思うんですが。

トゥエリ :いや、一部だけ小声にしてリピートしないでいいデスから。

マリア  :しかも、状況に合ったセリフであるしのう。

ディース :お前ら、絶対事前に打ち合わせしてるだろ!?

カトレア :ははは。

レイディア:あんたら全員、シモネタに食いつきすぎ。

カトレア :僕はそんなに食いついてませんよー。

マリア  :我はレイディアのシモの方に食いつきたいが。

レイディア:いい加減にしとかないと、本気で怒るわよ。

カトレア :ははは。

ディース :いや、こんなもんだって、実際。

トゥエリ :この精神力は、見習わないといけませんネ。

マリア  :馬鹿が移りそうじゃから、関わりたくないのう。

ディース :フィーエル、たまには言い返してやれよ。

レイディア:お前だよ、お前。

ディース :え?

マリア  :馬鹿がおるのう。

フアナ  :……おばかさぁん……。

レイディア:まあいいわ。とっとと代案出しなさいよ、奴隷。3秒以内。

ディース :りょっ、寮でしりとりやろうぜ! ←余裕が無い

レイディア:最高学府でそんな幼稚なことさせる気?

トゥエリ :いや、今までやってきたの、ほとんど子供の遊びの応用デスから。

フアナ  :……楽しそう……。

マリア  :うむ。悪くないのう。

フィーエル:あうっ!

レイディア:うーん。まあ、私らと一緒なら、カトレアも寮に入れるしね。

カトレア :僕もですか?

マリア  :ぬしも、たまには付き合え。

カトレア :ははは。仕方ないですねー。






G   M:一行は、寮にやってきました。

ディース :学生が普通にやっても勝負つかねーから、高速しりとりだ。

フアナ  :……結論において……妥当……。

フィーエル:あ、あうー。

ディース :で、ただしりとりやってもつまんねーから……。

フアナ  :……わたしが紙芝居を使って……あんたたちに……。

フィーエル:あう。紙芝居ー!!

レイディア:目ぇ輝かすなよ! お前何歳だよ!?

フアナ  :……オーファンスケ番連合の……緊急集会を……。

レイディア:とりあえず、こいつらは無視して進めましょ。

ディース :……おう。ただしりとりやってもつまんねーから、罰ゲームを作る。

レイディア:ふん。そう来ると思ったわ。

カトレア :あんまり過酷そうなのは、ちょっと勘弁ですねー。

マリア  :ふん。負け犬など恐れるに足らぬわ。

ディース :大丈夫だ。負けた奴は、通行人にボコボコにされる。そんだけ。

レイディア:大丈夫じゃないし!!

ディース :へっ、忘れたのか? 俺ら、歴戦の勇士だぜ?

トゥエリ :なるほど。素手なら、冒険者レベルでダメージが止まりますネ。

レイディア:でも、どさくさに紛れて変なとこ触られたら嫌だし。

ディース :その辺は、俺ら男子を信用してくれ。

レイディア:できるわけあるかっ!!

トゥエリ :日頃の行いが日頃の行いデスからね。

ディース :そんぐらいいいだろ! 俺なんか、あだ名フェニックスになったんだぜ!?

マリア  :自業自得じゃ、クズ。

レイディア:あの状況で■■とか、頭おかしいんじゃないの?

ディース :フアナがエロ小説朗読するからだろっ!!!

フアナ  :……。 ←顔を隠して震えている

カトレア :じゃ、僕はこの辺で。

レイディア:待って! 罰ゲームはソフトなのにするから。

カトレア :うーん。どうしましょうかねー。

ディース :仕方ねぇな。じゃ、ギャラリーがハリセンで殴ることにすっか。

トゥエリ :ハリセンって、この世界にもあるんデスね。

ディース :ああ。地下の倉庫に大量に眠ってるぜ。

レイディア:ていうか、なんでそんなもんあるんだよ。

ディース :1階にも、拳より剣技が重視された時代があったらしい。その時代の遺物だ。

トゥエリ :魔法って選択肢はないんデスね。

レイディア:お前ら、何しに来てんだよ。

フアナ  :……お前が……言うな……。

マリア  :剣の代用でハリセンとは、お気楽じゃのう。

カトレア :ははは。本物の剣だと怪我しちゃいますからねー。

ディース :その名も、しりとり騎士だっ!

トゥエリ :この大陸には、侍いませんからネ。

レイディア:思いっきりパクリじゃないのよっ!?

ディース :へっ。世の中にはインスパイヤっていう便利な言葉があってだな。

レイディア:いろんな方面に敵を増やすなよっ!!?

ディース :もちろん、失敗したら、山賊団にボコにされる。

レイディア:ていうか、■TAに怒られそうな勝負よね。

フアナ  :……僕……イケメン……。

レイディア:それは■■TAだろ! 局違うしっ!

ディース :大丈夫だ。怒られたら力士呼ぶからよ。

トゥエリ :この世界にそんな職業ありませんヨ……。

レイディア:はぁ……。(嘆息) 開始前につっこみすぎて疲れたわ……。

マリア  :では、今日は我が……。

レイディア:シモネタ禁止。

マリア  :ぬぅ……。

ディース :じゃ、ギャラリー集めるぞ。






■ルール



基本は高速しりとり。
名詞のみ。人名不可。
知名度(の数値)があるものは、セージ技能の判定に成功しなければ、出てこない。
それ以外でも、高速であるため、目標値10の判定に成功しなければ、出てこない。
例外は、古代語魔法及び、ソーサラーであれば必ず知っている知識。
それらに関しては、成功ロールは不要である。



失敗した場合、山賊団のみなさんに殴られる。回避不能。
もっとも、攻撃者があまりに多すぎて当たりにくいため、
命中回数は1D6、攻撃者は1D10で決定される。
ハリセンは、打撃力0、クリティカル値12。追加ダメージは攻撃者に依存する。



※隠しルール:生命点が3分の1以下(鼻血限界点以下)になったら、鼻血が出て終了。

※便宜上、知名度が設定されているものについては、
 名称の後の( )内に知名度を併記しています。

※密かにシーフ技能で攻撃するルコは、クリティカル値が−1になっています。

※技能レベルの矢印の前後は、成長前と成長後の数値。
 もちろん、今回は後者の数値のみ適用されます。



■しりとり騎士のみなさん



1.レイディア ダメージ減少:6+防御0 鼻血限界点:5 生命力15

2.フアナ   ダメージ減少:5+防御0 鼻血限界点:2 生命力 8

3.トゥエリ  ダメージ減少:7+防御0 鼻血限界点:4 生命力12

4.カトレア  ダメージ減少:9+防御2 鼻血限界点:3 生命力11

5.ディース  ダメージ減少:7+防御0 鼻血限界点:7 生命力22

6.フィーエル ダメージ減少:7+防御2 鼻血限界点:6 生命力17

7.マリア   ダメージ減少:12[固定] 鼻血限界点:− 生命力25



■山賊団のみなさん



1."元・火の王"マグノリア ファイター0→1 追加ダメージ3

2."番長"ランラン ファイター3→4 追加ダメージ5

3."剛拳"ストリィ ファイター3→4 追加ダメージ7→4(手加減)

4."アリエルの女"ルコ シーフ4→6 追加ダメージ7

5."俊足"レミィ ファイター1→3 追加ダメージ4

6."宿屋のウェイトレス"キルシュ 成長無し 追加ダメージ0

7."4階の雄"リコリス シーフ2→4 追加ダメージ6→4(手加減)

8."ガリ勉"フィーナ ソーサラー4→5 追加ダメージ0

9."3階の雄"ローディス ファイター3→4 追加ダメージ6(女性には4)

0.必殺技(さらに1D6を振る)



■必殺技



1.ルコ:ハリセンラッシュ! 打撃力0 クリティカル値12 追加ダメージ11

2.   レイディアとフアナに対してのみ威力大。それ以外は、通常攻撃のダメージ。

3.レミィ:パラダイスキック 打撃力0 クリティカル値10 追加ダメージ4

4.    男性に対してのみ威力大。それ以外は、通常攻撃のダメージ。

5.フィーナ:急所攻撃 打撃力0 クリティカル値11 追加ダメージ0 ×3回

6.     男性に対してのみ威力大。それ以外は、通常攻撃のダメージ。






レイディア:これまた、凄い面子が集まったわね。

マグノリア:あのハリセンは、俺の管理だ。文句があるのか、女。

ランラン :殴りたい奴がいるからな。

ディース :だから、俺はホモじゃねーんだって!

ストリィ :レイレイ、元気にしてるかい?

レイディア:……うげっ!

ルコ   :あんたなんか、ギッタギタにしてやるんだから!

レイディア:だから、誤解だってば!

ルコ   :あんたもよ! 私達の愛の営みを邪魔して……。

フアナ  :……あまーい……。

レミィ  :私の足技が火を吹くのです!

トゥエリ :いや、蹴りは禁止デスから。

キルシュ :仕事さぼって来た甲斐があったかしら。

フィーエル:あうー。さぼり、よくない。

フィーナ :負けた男性は脱ぐって本当ですかー?

ディース :もう脱がねーよ!!

ローディス:これ以上、寮の問題を増やさないでよ。

レイディア:なんて言ってる割に、付き合いいいのよね。






さて、このゲームには、隠しパラメーターがあります。
山賊団のみなさんも、殴る相手によって、攻撃が甘くなったり辛くなったりするわけです。
そして、それはダメージ減少の数値に影響されます。

レイディアはほとんどの人に好かれているので、ダメージ減少+1。
ただし、マグノリアに対しては+0。ルコには嫌われているので−2です。

フアナはプラスマイナスゼロ。
ルコも、口では色々言いつつも、エルフを全力で殴らないだけの分別はあるようです。

トゥエリは影が薄いせいか、プラスマイナスゼロ。

カトレアはほとんど初対面なので遠慮され、ダメージ減少+1。
それとは別に、魔法の服のボーナスもあります。(上記データに算入済み)

ディースは色々と前科があるので、全ての女性に対して−2。
さらに、愛の告白をしたことのあるランランに対しても−2。

フィーエルは美形なので、全ての女性に対して+2。

マリアは子供にしか見えないので、全員に対して+4。

なお、これらのデータは、実際に殴られている場面を見るまでは、
参加者からはわかりません。






まず、ランダムでしりとりの順番が決定されます。



マリア→ディース→フィーエル→フアナ→トゥエリ→カトレア→レイディアの順です。



基本的には、言おうとする言葉を明らかにしてセージ技能で判定し、
それに知名度がある場合はその数値、ない場合は10を出すだけの作業。
ただし、ソーサラーならば必ず知っている知識については判定不要。
ここが第一のポイントとなります。

そして、直前の言葉の最後の文字によっては、即死の危険すら伴います。
これが第二のポイント。はたして、結果やいかに!?





ステータス11 へ
第10.5話・第2節 へ

トップページへ