足と、出会った少女
レンドルフ:というわけで、もう1人連れてきたから、よろしく頼むよ。
コーウェル:「よろしく頼むよ」じゃないですよ! 何やってるんですか!
レンドルフ:女の子の次は、男の子がいいと思わないか?
コーウェル:動物じゃないんですから! 性別の問題じゃないでしょ!
レンドルフ:人数の問題だとでも言うのかい?
コーウェル:当たり前でしょ! しかも、ありえないところからばかり!
レンドルフ:実は、森で道に迷ってしまってね。
コーウェル:またですか!? いい加減にしてくださいよ!
レンドルフ:どうやら、森とは相性がよくないみたいだね。
コーウェル:聞いたことないですよ! 方向音痴のアウトドア好きなんて!
レンドルフ:まあ、何かの縁というやつだよ。
コーウェル:スカウトはしかるべきところでやってください!
レンドルフ:他にもいるだろ、森から来た子。現に、ハーフェン師だって……。
コーウェル:他がやってればいいという問題ではありません!
レンドルフ:でもね、他国のスパイじゃないのは確実だよ。
コーウェル:誰がこんなとこにわざわざスパイ送り込むんですか!
レンドルフ:可能性の話だよ。
コーウェル:今は現実のお話です!
レンドルフ:そうか……まあいいか……。
コーウェル:よくありません! どうするんですか!?
レンドルフ:とりあえずだね……トゥエリ君、挨拶を。
トゥエリ :$☆△$□。
コーウェル:……ま、まさか……共通語、話せなかったり……?
トゥエリ :ダイジョヴデス。
コーウェル:片言じゃないですかっ!
トゥエリ :シャチョサン、シャチョサン。カワイイコ、イパイ、イルネ。
コーウェル:どこから連れてきたんですかっ!!!?
トゥエリ :今ノハウソデス。師匠ニ言ワサレタダケデス。
コーウェル:……。
レンドルフ:あれ? もっと受けると思ったんだけどね……。
コーウェル:……たまに帰ってきたかと思ったら、得体の知れない子供を、2人も!!!
レンドルフ:いいじゃないか。1人ずつ連れてきたんだし。
コーウェル:うちの派閥じゃなかったら、査問じゃ済みませんよ!
レンドルフ:それこそいいじゃないか。実際そうなんだし。
コーウェル:でも、2人もいたら、カーウェス師の許可が下りないでしょう!
レンドルフ:いいよ。この子は1年授業無しで勉強させるから。
コーウェル:……念のために伺いますけど、どこに置く気ですか?
レンドルフ:あそこしかないだろうね。
コーウェル:簡単におっしゃいますけどね、彼は学生ではないんですよ。
トゥエリ :……。
レンドルフ:私と君との仲じゃないか。
コーウェル:それに、社交性に難があるようですが。
トゥエリ :……。
レンドルフ:ちょうど元気な子もいるし、なんとかなるだろう。
コーウェル:……特待解かれたら、どうするつもりですか?
レンドルフ:私はね、才能を見る目にだけは自信があるんだ。
コーウェル:そのことは放っておいてください!
レンドルフ:……あの女のこともある。いざというときの戦力は、多い方がいいだろう?
コーウェル:そ、そこまで優秀なんですか……?
レンドルフ:この子は向いてるんだよ。『いろいろと』ね。
レンドルフ:この子が例の子です。仲良くしてあげてください。
レイディア:任せといてください。私が立派に育て上げるっすよ。(っしゃ、下僕ゲット!)
トゥエリ :ヨ、ヨロシクオネガイシマスヨ。(こ、これが、外の世界の女の子……。)
レンドルフ:彼は共通語の会話に不慣れです。どんどんしゃべってください。
レイディア:お安い御用っす!(こっち来てから、雑用いなくて不便だったのよね。)
トゥエリ :(……か、かわいい……。)
レンドルフ:またしばらく出かけますから、お願いしますよ。
G M:レンドルフは、部屋を出て行きました。
レイディア:師匠の『しばらく』は、半年くらいっすかねぇ。(さて、最初が肝心ね。)
トゥエリ :……エ?(そんな、無責任な……。)
レイディア:というわけで、姉弟子の命令は絶対だからね。(今のうちにしめとこ。)
トゥエリ :エエッ!?(いつからそんな話に!?)
レイディア:なんか文句あんの?(この体格で脱落ってことは、相当気が弱い筈だし。)
トゥエリ :……ハ、ハイ……。(外の女の子って、無茶苦茶なんですね。)
レイディア:逆らった罰として、裏庭5周。(ふん。体力無いのはわかってんだから。)
トゥエリ :……イ、嫌デス……。(何でそんなことしなきゃいけないんですか。)
レイディア:生意気な奴ね。後ろ回し蹴り食らわすわ。(この蹴りは避けにくい筈よ!)
G M:そんなことしたら、スカートがめくれるんですが……。
トゥエリ :!!!!!! (こ、これが、女の子の下着……。)
G M:見とれている間に、蹴りがみぞおちにクリーンヒットします。
トゥエリ :ぐっ!!? (こ、これが、女の子の蹴り……。)
G M:弟を幾度となくダウンに追い込んだレイディアの足技が炸裂します。
まともに食らったトゥエリは、床に崩れ落ちました。
レイディア:な、何見てんのよっ!!? 踏んでやる!! この! この!
G M:そのまま、胴とか頭とか、色んな場所を素足で踏まれます。
トゥエリ :ぐっ……。
レイディア:見掛け倒しだったの? ざまぁないわね!(知ってたけどね。)
トゥエリ :……。(こ、これが、女の子の足……。)
G M:反応はありませんね。そんなに痛いはずはないんですが。
レイディア:どうしたのよ、男の癖に! なんとか言いなさいよ!(何、こいつ?)
トゥエリ :……。(どうせ私は、何をやってもだめですから……。)
レイディア:……!?(まさか、こいつ、気力使い果たしてる!?)
トゥエリ :……。(こんなことなら、出てこない方がよかったかもしれませんね。)
レイディア:……腹立った。蹴るわ。思いっきり。
G M:レイディアがトゥエリの胴を思いっきり蹴りつけます。
さすがに少し痛いですね。衝撃で転がって、顔が横向きになります。
その顔に、レイディアの足が乗るわけですが……。
レイディア:何うじうじしてんのよ!! あんたの昔の話、知ってるんだからね!
トゥエリ :!!!?
レイディア:反撃しなさいよ!! あんた男でしょ!? 悔しくないの!?
トゥエリ :……。(まさか、この仕打ちは、私のことを考えて……。)
レイディア:嫌なんでしょ! 嫌なら行動で示しなさいよ!
トゥエリ :……デ、デモ…………私ナンカ……。
レイディア:ぶちぶちぶちぶち言ってんじゃないわよ!!!
選びなさい。これから一生下向いて生きてくか、今すぐ上向くか!!
トゥエリ :…………上、ヲ……。
G M:初めて触れ合った外の女の子。初めてのぬくもり。
見上げれば、足、スカート、その中身。
そして、自分を真剣に叱ってくれた、外の世界のかわいい女の子。
トゥエリは、とてつもない感情が湧き上がってくるのを感じたのでした。
レイディア:あんた、さっき自分の意思でスカート覗いたわよね。
トゥエリ :えええええっ!!?
レイディア:ふん。言いふらされて孤立したくなかったら、身の程をわきまえることね。
トゥエリ :……シカタナイデスネ……ワカリマシタヨ……。
レイディア:それだと、私が無理やりやらせてるみたいじゃない。
トゥエリ :……ズット守リマスヨ……自分ノ意志デ。
レイディア:……ふん。いい心がけね。 ←えっへん
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