飛ぶ剣はさかさまに落ちる夢を見るか
G M:第三のホールは、南から北へのロングホール。
スタート地点から、最初に噴水跡(水溜り、プレイ可能)、
すり鉢状のバンカー、沼と続き、最後にグリーンがあります。
また、風が強く、風の影響が2倍になります。
レイディア:軍師様。どうっすか?
フアナ :……まずは飛距離……沼に落ちないのが次善……。
フラメウス:初心者がこのコースの特性を見切れるかな?
レイディア:わかんないわよ。この子、私の次に成績いいしねー。
トゥエリ :(また嘘ついてますね。)
フアナ :……打順は……ディース、フィーエル、マリア、トゥエリ、
カトレア、レイディア……わたし。
ディース :おっしゃー! 俺が一番期待されてるってことだよな!
フアナ :……。
フアナの指示で、全員が1体ずつのストーン・サーバントを立てることになりました。
(1レベルのカトレア除く。)まず、ディースのサーバントを沼の手前に配置します。
フアナ :……転がって沼に入るのが……一番怖いから……。
フラメウス:あれを私に狙い打たれる覚悟で、短期決戦か!
G M:風読みは一致です。
ディース :男なら狙うぜ、ど真ん中狙ってホームラン!
トゥエリ :それって、駄目なんじゃ……?
ディース :(ころころ)当たり! (ころころ)飛距離9!
G M:噴水の北のほうにぽちゃりと。平坦なコースなので、全員見えます。
フアナ :……今のが、悪い見本……。
レイディア:あの色、水が淀んでるわね……しばらく近寄らないでね。
フアナ :……えんがちょ……。
ディース :……わ、わざとだよっ!
フアナ :……嘘を嘘と見抜ける人でないと……。
ディース :わかったよ! 俺のミスだよっ!
レイディア:(奴隷になってから、ヘタレが板についてきたわね。)
次は、フィーエル。またしても、サーバントを沼の手前に配置します。
レイディア:真っ直ぐ狙いなさい。できるだけ遠くに!
G M:風読みは、一致です。
フィーエル:(ころころ)当たった!(ころころ)出目が7,7,5。
G M:ちょうど沼の北辺です。ボールは沼の中の岩に当たり、
はねたボールは沼へポチャリ。OBです。
そして、ボールが当たった岩が動きます。あたかもボールが当たって
目が覚めたかのように、小山のようなサイズの岩が動き出しますね。
レイディア:うん? 何、あの岩……?
フアナ :……山が動いた……。
G M:よく見ると、岩に見えたのは巨大な蛇のようです。
1匹がこちらに向かって来たのかと思えば、だんだん数が増えていきます。
沼から上がってきた蛇の首たちは、同じ胴体につながっていますね。
セージチェックを。
結局、セージの低いカトレア、知力の低いフィーエル、出目が悪すぎたマリアが失敗。
フラメウスは普通に成功です。
G M:間違いありません。ヒュドラですね。
レイディア:あんた、なんてもんに当ててんのよぉっ!!!?
フィーエル:あ、あうー。へび?
カトレア :ははは。蛇のモンスターはあまり強くないですよね。
フィーエル:あう。たいしたことない。
マリア :我らを倒したくば、ドラゴンでも連れて参れ。
フアナ :……ヒュドラ……ドラゴンと同じ、10レベル……。
レイディア:打撃点20で9回攻撃。だから、1ラウンドの最大ダメージは180。
そこだけなら、伝説のエルダードラゴンすら上回るわ。
マリア :なに、当たらなければどうということはない。
レイディア:いや、確実に何回か当たる。マリアでも1ラウンド持たない……。
ディース :……ちょっとあれはいくらなんでも無理じゃね?
トゥエリ :あの巨体は、ライトニング・バインドも通用しませんネ。
レイディア:達成値全開でパラライズしても、決まらなかったら全滅ね。逃げるわよ。
G M:ヒュドラは沼を出て、砂地を超えました。
まだ距離はありますが、少しずつ迫ってきます。
フラメウス:ああして、隣のエリアの魔獣が、たまに住み着くんだ。
ディース :先に言えよ!
フラメウス:すまない。さて、試合の続きは……。
レイディア:できるわけないでしょうが!! 逃げるわよ!
フラメウス:しかし、試合が……。
フアナ :……逃げない……フラメウス……試合のために力を貸して……。
マリア :我からも頼む。
フラメウス:……後で再開させてくれよ。私は何をすればいいんだい?
フアナ :……フィーエルは、全員に、フォーリング・コントロール……。
落下距離は……各自がほぼ0に。
フィーエル:あう!
フアナ :……フラメウスは、フライトで飛んで……マリアを引き上げて。
フラメウス:わかったよ。
フアナ :……マリアは、上空から……グレート・ストライク……。
マリア :うむ。任せるがよい。
フアナ :……マリアが牽制してる間に……フラメウスは全員を引き上げて……。
フラメウス:お安い御用だ。
フアナ :……引き上げながら、マリアの剣をよく見て……。
……その剣をマリアが譲渡するから……所有権はフラメウスにある。
マリア :ならぬ。我の剣は我のものじゃ。
レイディア:マリア、お願い。
マリア :よくわからぬが、わかったぞ。
フラメウス:じゃ、行くよ。
マリアは、レイディアたちの方へ進んでいるヒュドラの上空に引き上げられ、
落下速度をほぼ0で固定されます。
フアナ :……投げて。
マリア :グレート・ストライクじゃ! 強打クリティカル−1で。
(ころころ)当たりじゃ。(ころころ)10で回った。12、また回った。7。
合計53点じゃ。
G M:……39点通りました。刃物なので首が一本飛びます。
ヒュドラは上を向いて吠えますが、反撃手段がありません。
マリア :じゃが、こちらも武器がないぞ。
次のラウンドで、弱いレイディアとフアナが引き上げられます。
フアナ :……フラメウス……アポートで、あの剣を……。
フラメウス:(ころころ)お安い御用だ。……お、重い…………。
フアナ :マリア、お願い。
マリア :うむ。
マリアはグレート・ソードを受け取り、
フラメウスはカトレアとトゥエリを回収しに向かいます。
マリア :さっきと同じじゃ。グレート・ストライク!
(ころころ)当たり。(ころころ)9で回って、6。ダメージ37点じゃ。
G M:14点止めて23点通りました。また首が1本飛びます。
生命点−8ですが、生死判定は自動的に成功です。
マリア :我を侮るでないぞ。
結局、フライトで運ばれたトゥエリのライトニングとマリアのパンチで、
ヒュドラはあっさりトドメを刺されます。
もちろん、他のメンバーもフォーリング・コントロールが切れる前に着地しました。
レイディア:……な、なんてこと……。
フラメウス:凄い。私でも倒せないよ、あれは。
ディース :俺ら、めちゃめちゃ強くね?
トゥエリ :フアナの頭とマリアの力が合わされば、無敵デスね。
フィーエル:あう。2人は、無敵。
マリア :褒めても何も出ぬぞ。
フアナ :……敵の射程外から……一方的に攻撃できれば、勝てる……。
トゥエリ :いえ、確かに、理論上はそうかもしれませんガ。
レイディア:上空からってのと、他人の物のアポートってのは考え付かないわ。
ディース :フアナが味方で良かったよなー。
こっちのが強いのになぜか負けてるとかあったら、洒落になんねーし。
カトレア :んー。あの蛇、そんなに強かったんですか?
レイディア:知らない人がみたらそう見えるわね。恐ろしい……。
フアナ :……逃げながら魔法もアリだけど……上空からのが確実……。
レイディア:とんでもない仲間がいたものね……。
マリア :……レイディアは我が怖いのか?
レイディア:何で? フアナが怖いだけよ。
フアナ :……感謝の極み。(にやり)
マリア :そうか。ならよいぞ。
フラメウス:さあ、試合を再開しよう。
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