最果ての今








前回の冒険で得た経験点は、4512点+各自の1ゾロ分でした。






レイディア:セージは上げられなくもないけど、ソーサラーのために温存よ。

トゥエリ :次で確実にソーサラー5レベルというわけデスね。

フアナ  :……セージを4→5……シーフを2→3……。

トゥエリ :ソーサラーはきついデスね。私はファイターが4→5デスよ。

カトレア :プリーストが5→6になりました。

トゥエリ :イクソシズムが使えますネ。

カトレア :ええ。(フランティック・ミッションも使えますけどねー。)

ディース :ファイターを4→5だぜ。こいつには負けられねー。

トゥエリ :素質では私が負けてますヨ。

フィーエル:あう。ファイターを4→5に。

トゥエリ :経験点を3000点も残してるのがミソデスね。またすぐ上がりそうデス。

マリア  :ソーサラーが3→4じゃ。レイディアに追いついたぞ。






G   M:1晩経って、氷柱は溶けました。中身の生命力は0です。

カトレア :…………。

レイディア:はいはい。応急手当すりゃいいんでしょ。30分かかるけど、仕方ないわね。

G   M:30分が経過しました。中身が目を覚まします。

カトレア :……さっ、寒っ! ……なんか、皆さんの視線も冷たい気が。

トゥエリ :気のせいじゃないデスか?

カトレア :生命力1なので、キュアー・ウーンズを。(ころころ)一発で全快です。

トゥエリ :相変わらず、凄い腕デスね。

フアナ  :……無駄な精神力……。

カトレア :え、そろそろ休むんじゃないんですか?

レイディア:氷ができてから、もう半日経ったわ。行くわよ。

カトレア :僕、何かまずいことやりました?

レイディア:あんた、命賭けた経験、ないでしょ?

カトレア :ははは。流れの神官ですからね。それはもう。

ディース :威張るなよ。

レイディア:あれが洗脳光線だったら全滅モノよ。大事な神官なんだから、前に出ないで。

フアナ  :……出るのはいい……無意味に出ないで……ぱっぱらぱー……。

カトレア :? ……わかりました。すみません。(いつもの笑顔で)

レイディア:じゃあ、行くわよ。

G   M:遺跡の残骸を出ると、全方向に荒野が広がっています。

ディース :荒野の旅か……ワイバーンとか出ねーよな?

フアナ  :……不吉なこと……言わないで……。

レイディア:敵の攻撃があんまりまずいと、トゥエリとフアナを下げるしかないからね。

マリア  :勝てぬ敵ではないが、温存戦は厳しいのう。

トゥエリ :敵が誰かに関わらず、こちらの鎧は薄いデスからね。

レイディア:どっちに行く? レンジャー技能だけじゃわからないわよね?

マリア  :建物の残骸からみて、あっちが南じゃ。
      父上のはエリア22で、研究所は南の方にあった筈じゃから……。
      ここから南にあるエリア28には、父上の知り合いがおった筈じゃ。

レイディア:その人の研究内容は?

マリア  :知らぬ。が、マジックアイテムコレクターなのは確かじゃ。

フィーエル:あう! マジックアイテム!

ディース :へっ。魔法戦士の腕が鳴るぜ!

フアナ  :……他の方向は?

マリア  :知らぬ。じゃが、エリア22は広いからのう。
      ここから南以外に歩いて行くのは、骨が折れると思うぞ。

カトレア :これは、南に行くしかないみたいですねー。

レイディア:じゃあ、そっちに行くわ。

G   M:南に向けて数時間歩くと、1mほどの高さの壁に行き当たります。
      壁は視界の続く限り、横に続いていますね。

フアナ  :……境界……?

マリア  :うむ。魔力は失われておると思うが、調べてみてくれ。

フアナ  :……了解。罠発見(ころころ)13。

G   M:魔力は失われていて、普通に乗り越えることができます。

レイディア:特攻隊長。

ディース :超えるぜ。

G   M:超えました。異状はないです。

カトレア :着地点に落とし穴があって、槍が敷き詰められてたりはしないんですね。

フアナ  :……くわばらくわばら……。

フィーエル:あうー。痛そう。

ディース :怖いこと言うなよ。さすがに、罠で死ぬのはちょっと嫌だな。

マリア  :くっくっくっ。カトレアは発想が陰険じゃのう。

トゥエリ :(どうしてうちのパーティーの神官は変な人ばかりなんでしょうか?)

フアナ  :……これだけ設置面積が広いと……効果も怪しいけど……。

G   M:さらに南に進みますか?

レイディア:壁沿いに進んでもアレだしね。そうするわ。

G   M:少し進むと、皆さんの目の前に、一面の壁が。
      高さは10メートルほどでしょうか。
      少し離れた場所に、入り口らしきものもあります。
      アーチ状の入り口が開いているだけで、扉はありませんが。

レイディア:この壁は何?

マリア  :知らぬ。他所のエリアのことは、何も聞いておらぬゆえ。

ディース :入るしかねーんじゃね?

レイディア:フアナ、お願い。

フアナ  :……入り口の罠を、探す……(ころころ)高い、17。

G   M:何もなさそうな気がします。

フアナ  :……何もない。

レイディア:ディース、なんかいたらフアナがまずいから、お願い。

ディース :おうよ、普通に通るぜ。

G   M:普通に通れます。
      壁の向こうに行ったディースの目に映ったものは、自然溢れる景色。
      草原、森林、草の生えた平地、池、芝生……。

ディース :なんだこれ?

レイディア:大丈夫みたいだから、私たちも行くわよ。……うわ。何これ?

G   M:最近刈られたような丈の草もあり、いくらか人の手が入ってるようですね。
      野趣溢れる緑の大庭園といった印象です。
      最大の特徴は、刈られた芝で構成された土地の面積が大きいことでしょうか。

フアナ  :……なんじゃこりゃあ……。

フィーエル:あう。ママと、来たことあるかも。

ディース :その歳でママはねーだろ。

レイディア:フィーエル、どういうこと?

フィーエル:小さい頃に、見たことある気、する。

トゥエリ :教科書にないデスよ、これは。

マリア  :もしや……これが競技場なのか?

レイディア:競技場って、何?

ディース :つまり、こういうことか……。






新しいスポーツ競技の発生は、剣闘士奴隷の戦いだと
魔法力の差があまり重要でないという問題に起因する。
すなわち、「身体能力の高い奴隷を早く育てた者」が
圧倒的に有利で不公平だという考えから編み出されたものだ。
無論これらのスポーツについてもその点大して差はないのだが、
剣闘士奴隷の育成に熱心でない、
あるいはその育成に遅れをとった魔術師の一部には、
新しいスポーツ競技は大いに支持されたという。
          民明書房刊『よくわかる不安乱土史』より






マリア  :だ、大体合っておるのだが……。

ディース :へっ。任せとけって。

レイディア:恐ろしい推理力ね。

トゥエリ :頭はいいデスからね。

ディース :つーか、そこは「知っているのか、雷電!?」だろ。

レイディア:ほっといていいわよ。

マリア  :うむ。

骸骨   :いらっしゃーい。

G   M:いつの間にか、皆さんの側には動く骸骨の姿があります。
      景色に見とれていたせいで、気付かなかったようですね。

トゥエリ :いつの間に!?

レイディア:……そりゃ、荒野歩いてりゃ、壁の上とかから丸見えよね。

G   M:セージチェックは(ころころ)、フアナ、ディース、フィーエルが失敗。
      (カトレアはチェックの必要なく知っています。)

ディース :スケルトンだなっ!? ぷよを回転させることができないという……。

骸骨   :お茶ー!

レイディア:ゴーストよ。それにしてもノリがいいわね。

トゥエリ :早い話が、骸骨付きの自縛霊デスね。

フィーエル:あう。ちゅどーん!!

G   M:骸骨の額には、水晶があります。古代王国人のゴーストのようですね。

カトレア :あなたを縛り付けているものは、復讐ではありませんか?

骸骨   :復讐? 興味ない。

カトレア :そうですか……。 ←心から残念そう

骸骨   :細かいことはいい。勝負しよう。

レイディア:何の勝負?

骸骨   :ゴルフだ。

フィーエル:あう。ゴルフ!

他一同  :ゴルフぅ!?

ディース :知ってるぜ。伝説の武人ゴ・リューフが開発したと言われている武術だ。

トゥエリ :またこの人は変な知識を仕入れてますネ。

ディース :ソースは民明書房だ。基本だぜ!

フアナ  :……危ないの……却下……。

骸骨   :クラブ(棍棒)で球を打ち、穴に入れる紳士のスポーツだ。危険ではない。

レイディア:つまり、あなたはゴルフがしたくてこの世にとどまっていると?

骸骨   :そうなるかな。明日の試合を楽しみにしていたのに、死んでしまって。
      それだけならともかく、待てど暮らせど誰も来ない。

マリア  :…………。

レイディア:マリア、そんな顔しないのよ。

フアナ  :……報酬は?

マリア  :そんなことはどうでもよい。さっさと解放してやろうぞ。

骸骨   :……思い出した! その顔は、マリアンヌちゃんかい?

マリア  :我を知っておるのか!?

骸骨   :私はフラメウスだ。君の父上とも一緒に回ったことがあるぞ。
      途中、よく幻影の魔法で君のことを見せびらかされてな。

マリア  :くっくっくっ。フラメウスか。骨なので気付かなんだわ。
      久しぶりじゃのう。いや、はじめましてか?

フラメウス:…………そんなのどちらでも構わないじゃないか。会えて嬉しいよ。

マリア  :うむ。ところで、ぬしのコレクション、競技の賞品にならぬか?

フラメウス:私はもはやコレクションには興味がない。ゴルフがしたいだけだ。
      でも、ただ勝ちたいのではない。
      楽しみにしていた試合のように、真剣勝負がしたい。
      だから、私に勝てば、コレクションを授けよう。
      元々、賞品にするためのコレクションでもあるしな。

レイディア:マリア、ナイスよ。

フアナ  :……いかす……。

レイディア:フラメウスさん、初心者の私たちが熱い戦いをするために、
      ルールを教えて下さい。あと、できれば練習も。

フラメウス:ここにルールブックがある。

トゥエリ :えらく準備がいいデスね。

マリア  :退屈は敵じゃ。あまり触れてやるな。

フアナ  :(ルールブックを見ながら)面白そう。

フィーエル:あう。ルール、知ってる。






ルールブックを見ながら、作戦会議が始まります。
ボールの大きさが拳大、特殊な用具を巻きつけた棍棒で球を打つ、
魔法を使えるなど、フィーエルの知っているゴルフとは多少違うようですが……。
一行は、とりあえず練習ラウンドで大体の感じをつかみます。






レイディア:ボールに当てるのは、戦闘技能で代用できるみたいね。

マリア  :むぅ……上手く打てぬ。フラメウス、ハンデをよこせ。

フラメウス:せっかく来てくれたことだし、マリアンヌちゃんが言うのなら仕方が無いな。

G   M:フラメウスは、魔法の棍棒を差し出します。全員チェックを。






結局、達成値16のマリアだけが成功します。






名称:ウインド・ミル
宝物鑑定の目標値:15
魔力付与者:「気分屋」ノルナール
形状:メイス
必要筋力13、+2の魔法のメイスです。
武器そのものが変なところに重心を置かれている粗悪品で、攻撃に−4の修正を受けます。
(選択ルール使用時、魔法の武器、メイスの攻撃力ボーナスと相殺して攻撃力−1
となります。)魔法の武器の効果として、クリティカル値が−1になります。
このメイスは、魔法の発動体として使用可能です。
武器として使用中のみ、使用者の筋力が+18(ボーナス+3)され、
身体能力に関する魔法の影響を受けなくなります。
取引価格:18万6千ガメル






フラメウス:これを貸そうか。私が未練から解き放たれたら、そのままやるぞ。

レイディア:どうなの?

マリア  :これこれこういう感じじゃ。父上の槍より高いぞ。

トゥエリ :いきなり凄いデスね。

フィーエル:あう。すごい!!

ディース :必要筋力13ってことは、俺じゃね?

レイディア:ボス相手に使ったら空振りしまくりよ。今より空振りしたいの?

ディース :そりゃちょっと勘弁だな。

フアナ  :……わたし……使える……。

レイディア:なるほど。筋力の上昇を逆手に取るのね。

フアナ  :……器用度……無駄に高いし……。

ディース :そういや、6レベルの爺さんにも攻撃当ててたよな。ダメージなかったけど。

トゥエリ :ディースさんも当ててましたけどネ。

マリア  :貴族の娘は武器を振るえん。優雅なクラブを貸せ。

フラメウス:では、私のクラブを使うといい。





ステータス08 へ
ゴルフ第1ホール−1 へ

トップページへ