エルフの砂時計








G   M:とある森の中で、エルフの少女と人間の若者が話しています。

カタリナ :おあとがよろしいようで〜。

???  :面白かったよ。ありがとう。

カタリナ :どういたしましてっ!

???  :すごいね。エルフの話芸なんて、初めてみたよ。

カタリナ :だって、せっかく教えてもらったんだもん。

???  :まさか、本当にやるなんて。エルフは静かな人が多いからね。

カタリナ :おしゃべりなエルフは嫌い?

???  :そんなことないよ。……あ、そろそろ時間だ。

カタリナ :また、来てくれるよね?

???  :うん。約束するよ。

カタリナ :ばいばい。まったねー。

G   M:男性は、人間の町の方へと歩いて行きました。

フアナ  :……さっきの、何?

カタリナ :ええと、漫才?

フアナ  :

カタリナ :ほんとは2人でやらなきゃいけないんだけどね。

フアナ  :……あの人、最近よく来るよね。

カタリナ :そうだよね。昔はあんなにちっちゃかったのにね。

フアナ  :……好きなの?

カタリナ :そ、そんなことないよ。だって、エルフと人間だよ?

フアナ  :分かってるならいいけど……。






G   M:1年後。同じ場所で。

カタリナ :おあとがよろしいようで〜。

???  :面白かったよ。うちの奥さんにも見せてあげたいな。

カタリナ :…………え?

???  :あ、そうか……。僕もやっと結婚したんだ。

カタリナ :嘘……去年は、独り身だって……。

???  :1年もあれば、いろいろあるさ。

カタリナ :……そ、そうだよね。エルフと人間って、色々違うもんね。

???  :今度、連れてきてもいいかな。きっと喜ぶと思うから。

カタリナ :ごめん……わたし、人見知りするから。

???  :そうか。残念だけど、仕方がないね。

カタリナ :……ごめん。急に気分が……。

???  :大丈夫かい!? すぐ手当てを……。

カタリナ :だいじょうぶ。なんでもないの……。

G   M:そのとき、木陰から、別のエルフが姿を現します。

フアナ  :人間にはわからないことだから、今日は帰って。

???  :そ、そうかい? 頼むよ。

G   M:男は、慌てて去っていきました。

フアナ  :……そんなの、言われるまでもない。

カタリナ :……ごめん、フアナ。

フアナ  :謝るのはこっちよ。いい人みたいだから、放っておいたけど……。

カタリナ :

フアナ  :言ったでしょ。エルフと人間は違う。絶対、上手くいくわけない。

カタリナ :……本当に、そうなのかな?

フアナ  :全部言わなきゃわからない?

カタリナ :だって……おかしいよ、そんなの。

フアナ  :年に何回か会って、話してただけでしょ。

カタリナ :住んでる場所が違うもん。それが普通だよ。

フアナ  :人間の寿命は短いのよ! エルフの時間とは合わないの!

カタリナ :そんなことないもんっ!

フアナ  :本当は、わかってるんでしょ!?

カタリナ :……わかってないもんっ!

フアナ  :……お父さんとお母さんも、心配してたよ……。

カタリナ :……嘘ばっか……あの子のことばっか構って……。

フアナ  :あんたももうお姉ちゃんなんだから、我慢しなさい。

カタリナ :…………。

フアナ  :もう大きいんだから、常識には従わないといけないでしょ。

カタリナ :……知らないもん……。

G   M:困ったような顔をしながら、フアナは去っていきます。

カタリナ :…………常識……かぁ……。





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