ひぐらしのなく頃に・真相推理



雛見沢村連続怪死事件(1979年〜1983年)
毎年6月の決まった日に、1人が死に、1人が消える怪奇。
巨大ダム計画をめぐる闘争から紡がれる死の連鎖。
昭和中期に隠蔽された怪事件が、蘇る。
陰謀か。偶然か。それとも祟りか。
    (「ひぐらしのなく頃に」20040813verパッケージより引用)

〜はじめに〜
この文章がUPされたのは、平成18年4月10日です。
筆者は現在発売されている皆殺し編までをプレイし終えていますが、
ここに、暇潰し編プレイ終了当時の推理を公開してみます。
この推理は、当時の推理をまとめたノート(というか、オリジナルの推理用メモ用紙)
の内容に加筆し、文章としてまとめたものです。
本来ならば解答編が出る前にUPするのが理想的なのですが、
「ひぐらしのなく頃に」の存在を知ったのが、目明し編が出た後でしたので……。
もちろん、出題編のネタバレは多分に含まれていますし、
解答編のネタバレになっている部分もあるかもしれません。
(正解していれば、それがそのまんまネタバレになるわけです。)
下記の内容はあくまで私的な推理ですので、公式設定以外の部分に関しては、
事実と異なる記述がなされている可能性があります。
なお、この文章の内容を筆者が他のホームページ上で発表することはありません。

さて、ここからは多くのネタバレを含みます。
「ひぐらしのなく頃に」の最大の楽しみは『謎解き』であるといっていいでしょう。
まだプレイされていない方に関しては、ゲームの楽しみを大きく損なう恐れがあります。
今後プレイされるご予定のある方は、まだご覧にならない方がよろしいかと思います。
これからプレイされる方は、ぜひ色々な推理をしてみてください。そして……。


『どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。』
           (鬼隠し編の犠牲者が遺したノートより引用)



















ひぐらしのなく頃に・真相推理〜目次〜


〜正解率が犯人を示唆する〜
〜犯人は祟りか?〜
〜犯人は偶然か?〜
〜犯人は人か?〜
〜全ては鬼隠しから始まった〜
〜鬼隠し編の真犯人=綿流し編の真犯人〜
〜犯人は園崎家の暗部か?〜
〜鬼隠し編における園崎家の暗部〜
〜犯人は誰?〜
〜オヤシロさまの正体〜
〜雛見沢の伝説〜
〜なぜオヤシロさまという名前なのか〜
〜鬼隠し編の謎〜
〜綿流し編の謎〜
〜祟殺し編の謎〜
〜暇潰し編の謎〜
〜結論〜
〜ひぐらしはこうしてなかされていた〜
〜推理の種〜


ひぐらしのなく頃に・真相推理




〜正解率が犯人を示唆する〜
「正解率1%。」
「各収録シナリオ発表時の応募推理の正解率は1%未満」
出題編のパッケージでこう公表されている。
思うに、ゲームをプレイする前にプレイヤーの多くがパッケージを見ることは、
製作者側が当然予想することである。
したがって、この正解率を推理の材料として使うことは、当然に許されると考える。

正解率1%未満。
つまり、正解者が少なくとも1人はおり、なおかつ、正解者の99倍以上の不正解者がいる。
このことから、2つの重要な事実を導き出すことができる。
第一に、ほとんどの者が正解できなかったことから、推理の難度が非常に高いこと。
第二に、正解率が0%でないことから、推理にわずかながら正解者がいたこと。
ここで真に重要なのは、後者である。
普通に推理したのでは、到底真相にたどり着けない。
しかし、真相を暴くのは決して不可能ではないのである。

さて、一連の事件の犯人は、崇りか、人か、偶然か。
今の段階では、犯人もトリックも目星がつかない。
また、使用可能なトリックは犯人によって異なるため、
犯人がわかればトリックを絞り込むことができる。
したがって、まずはこの「正解率1%未満」という情報から、犯人を絞ってみることにする。


〜犯人は崇りか?〜
一連の事件の犯人は、崇りという名の超常現象だろうか。
仮に超常現象であれば、それぞれの事件に簡単に説明がつく。
また、この説がお疲れさま会でも提示されていることからも、多くの人が
崇りによる事件であると一度は疑うことが予想されていると考えられる。
また、超常現象でなければ説明がつきにくい現象も多く存在する。
したがって、この説は、正解率1%未満の出題の、正解にはなりえない。

そして、あえて別の切り口から言うと、崇りが犯人では身もフタもないのである。
(もっとも、身もフタもないという点では、この発言も負けてはいないのだが……。)


〜犯人は偶然か?〜
一連の事件の犯人は、偶然だろうか。
言い方を変えると、全てが偶発的に起こったのかということである。
推理小説でもごくまれにありうる答えだが、正解としては反則に近い。
確かに、これが正解だろうと考える者は少ないであろうから、
正解率1%未満という条件は満たす。
しかし、それがそのまま正解では説得力がないどころか、身もフタもない。


〜犯人は人か?〜
一連の事件の犯人は、人だろうか?
犯人が崇りでも偶然でないとすると、同一人物(あるいは同一組織)の犯行
である可能性が極めて高いということになる。
では、犯人が人だとすると、それは誰なのだろうか。

なお、トリックについては本編及びTIPSで提示されているヒントが少ない。
だからこそ正解率が1%未満になるのである。
(例えば、最初に死んだ富竹ですら、
 誰がどのように殺したか最後まで確信が持てない……筈。)
しかし、誰かが犯人であると仮定すれば、
その犯人が使いうるトリックはある程度限定される。
しかし、そうであるにもかかわらず、実際の正解率は1%未満である。
したがって、正解率が低い原因はトリックではなく、犯人にあると考える。
つまり、その正解率から、意外な者が犯人であるということが推認されるのだ。

一般に、推理小説において、読者が犯人を当てることが困難な場合には、
以下のようなものが考えられる。

1.探偵・主人公が犯人
  表向きは事件に巻き込まれたり、真相を暴こうとしたりしつつ、
  裏では当の本人が糸を引いているケース。
  (多重人格や記憶喪失のため、本人がその事実を知らない場合も。)
  本件に即して具体的にいうと、圭一が犯人である。
2.警察(捜査官)が犯人
  捜査をしている当人こそが、事件の犯人であるケース。
  本件に即して具体的にいうと、大石か雛見沢の警官が犯人である。
3.主人公の身内が犯人
  家族や親友など、主人公と付き合いが長く読者に疑われにくい者が犯人であるケース。
  本件に即して具体的にいうと、圭一の両親が犯人である。
4.序盤から唯一嫌疑濃厚な人間が本当に犯人
  事件当初唯一アリバイがなかったり、犯行を自白したりした人間が本当に犯人であるケース。
  読者の思い込みを逆に利用するトリックである。
  本件に即して具体的にいうと、園崎家が犯人である。
5.死人が犯人
  死んだと思われた者が生きていて、犯行を主導するケース。
  あるいは、本当に死んでいるが、事件の種を遺していくケース。
  最初に死ねば容疑者の選択肢から外れやすいことを利用したトリックである。
  本件に即して具体的にいうと、富竹か鷹野が犯人である。
6.容疑者以外が犯人
  容疑者とは別に、姿の見えない犯人がいるケース。
  (考えようによっては、ケース5の一場合といえるかもしれない。)
  本件に即して具体的にいうと、過去の行方不明者である悟史や現場監督などが
  犯人である。
7.全員が犯人
  容疑者の中の誰かが犯人ではなく、容疑者の中の誰もが犯人であるケース。
  本件に即して具体的にいうと、村全部、あるいは登場人物のほぼ全部が犯人である。
8.犯人がいない
  人為的な犯罪ではない。
  本件に即して具体的にいうと、偶然、あるいは、無生物が犯人である。
  (あまり具体的にいえていない気もするが……。)

これだけ挙げればかなりの確率でどこかにかするだろうが、
真相を明らかにするためには、ここからどんどん絞っていかなければならない。
詳しくは、後に検討する。


〜全ては鬼隠しから始まった〜
一連の事件が同一人物(あるいは同一組織)の犯行であるとすると、
鬼隠し編に登場した者の中に犯人が含まれていることになる。
なぜなら、そうでなければ鬼隠し編の時点で正解者がゼロになるからだ。
以下、順に検討する。
※なお、ここでいう「犯人」とは、主犯を指す。

・竜宮レナ
 謎に包まれた人物。普段は猫をかぶっているが、抜群の推理力を誇る。
 奇行が目立ち、白昼に鉈を持って村を闊歩しても怪しまれない。
 村での地位、家庭環境も謎。かぁいいモードも謎。
 非常に怪しい。普通に考えて一番怪しい。
 しかし、竜宮レナは犯人ではない。
 なぜなら、鬼隠し編において実行犯である以上、
正解率1%未満という条件を満たさないからだ。

・園崎魅音
 村を牛耳る園崎家当主代行。村の中ではおよそ何だってできる。
 しかし、園崎魅音は犯人ではない。
 なぜなら、鬼隠し編において実行犯である以上、
 正解率1%未満という条件を満たさないからだ。
 また、村内ではいかなるトリック・アリバイ工作も可能であることから、
 彼女が犯人である可能性は完全に排除して考える。

・北条沙都子
 相手の心理を利用したトラップワークを駆使すれば、様々なトリックが可能であろう。
 しかし、北条沙都子は犯人ではない。
 なぜなら、部活メンバーに対する容疑は濃厚である以上、
 正解率1%未満という条件を満たさないからだ。

・古手梨花
 御三家の一角である古手家の当主であり、オヤシロ様の生まれ変わり。
 そのカリスマを利用すれば、村内の老人を手足として使うことが可能だろう。
 しかし、古手梨花は犯人ではない。
 なぜなら、部活メンバーに対する容疑は濃厚であるうえ、御三家の一角でもあり、
 正解率1%未満という条件を満たさないからだ。

・園崎家
 今や御三家の筆頭。村内に絶大な影響力を有し、村の中ではおよそ何だってできる。
 しかし、園崎家は犯人ではない。
 なぜなら、綿流し編以降は容疑がきわめて濃厚である以上、
 正解率1%未満という条件を満たさないからだ。
 また、村内ではいかなるトリック・アリバイ工作も可能であることから、
 園崎家が犯人である可能性は完全に排除して考える。

・村全体
 異常ともいえる独特の連帯感に支えられた村内。
 外敵に対する敵対心を考慮すると、どのような事件を起こしても不思議ではない。
 しかし、村全体は犯人ではない。
 なぜなら、容疑がきわめて濃厚であり、
 正解率1%未満という条件を満たさないからだ。
 また、園崎家に黙認されれば、村内ではいかなるトリック・アリバイ工作も
 可能であることから、村全体が犯人である可能性は完全に排除して考える。

上記の者達が主犯であるという選択肢は、消去する。
(ただし、共犯である可能性は、ひとまず除外しないでおく。)

とすると、残る容疑者は以下の通りである。

・園崎詩音
 魅音に化けられるのでトリックの幅は広がるだろうが、犯人である可能性は低い。
 なぜなら、鬼隠し編に登場していないからだ。
 (話の大まかな部分が共通するというのは公式設定のようなので、
 鬼隠し編でも入れ替わっていた可能性も存在する。
 しかし、鬼隠し編の発表時には読者はその存在を知らず、
 正解を導き出せないことから、鬼隠し編の犯人ではありえない。)

・大石蔵人
 刑事である大石ならば、現場での証拠捏造・隠滅もさほど難しくないだろう。
 しかし、彼が犯人である可能性は極めて低い。
 なぜなら、暇潰し編で語られた過去により、
 彼が犯人である可能性はほぼ消滅するからだ。

・監督(入江京介)
 医師であり、薬品に対する知識も豊富であると思われる。
 また、お魎の主治医であることから、村に影響力を行使することも可能かもしれない。
 しかし、入江京介は犯人ではない。
 なぜなら、鬼隠し編での容疑がきわめて濃厚であり、
 正解率1%未満という条件を満たさないからだ。
 また、鬼隠し編で注射器が凶器になったことから、
 医療関係者は怪しすぎて犯人ではありえない。


・富竹ジロウ
 偽名で雛見沢を訪れている不審人物。
 しかし、彼が犯人である可能性は低い。
 なぜなら、死体が確認された後の犯行は不可能だからだ。

・鷹野三四
 好奇心旺盛な看護婦。医学的な知識を用いれば、様々なトリックが可能であろう。
 そして、彼女の死体は偽装である可能性も存在する。
 しかし、彼女が犯人である可能性は低い。
 なぜなら、仮に死体が偽装であるとしても、
 その後の犯行は単独ではまず不可能であるからだ。
 また、鬼隠し編で注射器が凶器になったことから、
 医療関係者は怪しすぎて犯人ではありえない。
 また、敢えて身も蓋もない言い方をすると、あの性格で犯人というのはありえない。

・前原圭一
 犯人であると最も疑われないのは、おそらく彼だろう。
 そして、1%という正解率を考え合わせると、彼が一番怪しいということになる。
 しかし、前原圭一が犯人である可能性は極めて低い。
 なぜなら、綿流し編で、彼が犯人である可能性はほぼ消滅するからだ。

・雛見沢の警官
 現場に一番先に到着できるのは彼である。
 証拠の隠滅・捏造に関するアドバンテージは最も高いだろう。
 しかし、彼が犯人である可能性は低い。
 なぜなら、犯行は単独ではまず不可能であるからだ。

・監督(現場監督)
 事件の被害者とされ、怪しまれることのない立場にいる監督。
 発見された死体が彼のものでない可能性も存在する。
 しかし、彼が犯人である可能性は低い。
 なぜなら、仮に死体が偽装であるとしても、
 その後の犯行は単独ではまず不可能であるからだ。

・知恵先生(知恵留美子)
 彼女の名前、容貌、カレーが好きであることを考えると、
 知恵留美子が犯人である可能性は全く無い。

・校長
 彼があと10人いればアメリカは日本に負けていたであろうことを考えると、
 校長が犯人である可能性は全く無い。

・前原圭一の両親
 納得し難い理由で辺鄙な村にわざわざ引越し、
 途中で村からいなくなる存在。
 彼らが犯人である可能性も存在する。
 なぜなら、消去法で考えると犯人候補が他に残らないからだ。

結局、犯人である可能性を消去しきれないのは彼らである。
・最も怪しい者
前原圭一の両親。
・やや怪しい者
富竹ジロウ、鷹野三四、雛見沢の警官、現場監督。

容疑者リストに消去法を用いると、彼らがひとまず犯人候補となる。
しかし、園崎家の領域で彼らが自由に単独行動できるかというと、まず無理である。
また、現場付近で彼らが目撃された形跡も無い。
彼らが園崎家に確知されず犯行に及ぶには、何らかの手段が必要である筈だ。
特に、犯人候補である彼らと園崎家との関連が問題になるが、これについては後述する。


〜鬼隠し編の真犯人=綿流し編の真犯人〜

ここで、綿流し編について考えてみる。
犯行は園崎家、あるいは園崎魅音が主導したもの。
少なくとも、表向きはそうなるはずである。
しかし、正解率1%未満ということは、別に真犯人が存在するということを表す。
(そもそも、魅音が主犯であるならば、鬼隠し編で圭一を自ら捕らえに行くこと自体が
 不合理極まりないのである。)

ここで、仮にXという個人、あるいは団体が真犯人であると仮定しよう。
思うに、雛見沢で何をするにしても、情報網などの園崎家の影響下から逃れられない。
したがって、真犯人Xが雛見沢で犯行を成功させるには、
園崎家の支援(少なくとも、黙認)が必要である。
(仮に、真犯人が死んだはずの人間となればなおさらである。)

さて、真犯人が園崎家の支援のもとにあると仮定しよう。
その場合でも、園崎家の意思のもとで犯行が行われたならば、主犯は園崎家。
つまり、実行犯は誰であれ、結局のところ園崎家が犯人であるということになる。
しかし、前述のように、これは正解率1%未満という条件に合致しない。

園崎家が真犯人でない、そして、真犯人を支援していないとすると、
真犯人は園崎家に犯行を黙認されるほど存在価値の高い別勢力、
又は、村内で園崎家を上回る権力を持つものの犯行ということになる。
なぜなら、雛見沢で園崎家に覚知されず犯行を達成することは不可能だからである。

では、そのような存在について考えてみる。
古手梨花が犯人でないのは先に述べた通り。
村長の公由が犯人だとすると、村全体に影響力が及ぶ可能性が高い。
したがって、彼の犯行であるとすると、村全体が犯人になる可能性が高いので、
村長の公由は犯人ではないと考える。

お魎の主治医である入江京介であれば、園崎家の権力を利用しうる立場にあると考えられる。
しかし、鬼隠し編でレナと魅音に現場に呼ばれようとしていたことから、
彼が真犯人である可能性は低い。
怪しすぎて、正解率1%未満という条件を満たさないからだ。


〜犯人は園崎家の暗部か?〜
では、上記の条件を満たす真犯人は存在しないのだろうか。
ここで、雛見沢に伝わる「ゾンビ鬼」という遊びについて考える。
鬼が鬼以外にタッチすると、鬼が増える。
通常の鬼ごっこなら鬼が交代することになるのだが、この「ゾンビ鬼」では鬼は鬼のまま。
つまり、鬼は増える一方、逃げる者は減る一方なのだ。
これは、子どもの遊びにしてもゲームバランスが無茶苦茶である。
半数以上が鬼になると、事実上逃げようがないからだ。
おまけに、誰が鬼かも外見上わからないので、
自分が鬼でないと確信している者にとってはかなり怖い。
このような遊びが伝わったのには、何か雛見沢独特の理由があるのではないだろうか。

また、鬼隠し編で圭一の残したノートから「今まで行方不明になった人が生きている」
との記述が削除されていたことについて考える。そこが削除されたということは、
これが真犯人にとって都合の悪い記述である可能性は高いだろう。
では、なぜ都合が悪いのだろうか。
思うに、行方不明者の死体は確認されていない。(当たり前だが。)
また、死んだはずの現場監督の死体が偽装であり、
洗脳されるなどして地下で活動している可能性がある。
思うに、腕が1本でも見つかれば、おそらく1人殺されているだろうという結論に至る筈だ。
したがって、冷静に考えると、死体の六分割は犯行発覚の危険性を高めるだけである。
では、そのようなリスクがあるにもかかわらず、死体を分割したのはなぜか。
思うに、頭部の発見を遅らせれば、本人であるか判別がつきにくいようにすることができる。
また、当時の技術ではDNA鑑定が存在しないことから、
血液型が一致する偽装死体の場合は、歯型などの外形から判断するほかない。
したがって、園崎家の根回しがあれば、本人以外の死体を本人であると
偽装することも可能であると思われる。
したがって、現場監督は生きている可能性が高いと考えられる。

さて、一度死んだはずの人間は、表立った活動ができない。
したがって、彼らを何らかの形で保護する必要がある。
同時に、彼らを保護するメリットも必要となる。
もちろん、それらを実際に行うには、かなり大きな権力が必要である。
それらを総合的に判断すると、彼らが属しているのは、汚れ仕事を担当する
園崎家の別働隊(以下、実行部隊とする)である可能性が高い。その根拠は以下の通り。
思うに、死人が雛見沢で活動するには、園崎家の支援(あるいは黙認)が不可欠である。
また、園崎家による大臣の孫誘拐などの事件には、警察にマークされやすい
暴力団組織は不向きであり、実行には他の組織の方が適役である。
そして、現に、雛見沢村内に不審な白いワゴン車が存在している。
これらが、そのような存在の根拠となる。

なお、仮に実行部隊の構成員が死人でないとしても、
そのような部隊が存在する蓋然性はきわめて高い。

しかし、先に述べたように、園崎家は犯行を主導していないと考えられる。
では、主導しているのは誰か。
思うに、大臣の孫誘拐などの汚れ仕事にかかわることによって、
園崎家の弱みを握り、実行部隊が園崎家以上の発言力を持つようになった可能性は高い。
したがって、主導者はその実行部隊であると考える。
以上の理由で、綿流し編の真犯人は、実行部隊であることが考えられる。
ここに、綿流し編の真犯人に関する1つの仮説が完成したのである。

〜鬼隠し編における園崎家の暗部〜

ここで、実行部隊が真犯人であるという説について、鬼隠し編に戻って考える。
鬼隠し編の真犯人が実行部隊であるとすると、鬼隠し編で圭一の家に現れた
実行犯である魅音もレナも、実行部隊の支配下にあったということになる。
確かに、そう考えれば鬼隠し編の謎解きになるかもしれない。
しかし、そうである可能性は低い。
なぜなら、少なくとも鬼隠し編において、白いワゴンこそが黒幕であるという情報は、
プレイヤーが掴み得ないと思われる。とすると、鬼隠し編の正解率は0%となるであろう。
また、白いワゴンうんぬんの情報は、圭一の遺したノートから切り取られていない。
(切り取ったのが真犯人以外、という可能性もわずかにあるのだが……。)
したがって、少なくとも鬼隠し編において、真犯人は実行部隊ではないと考える。

そして、園崎家実行部隊が犯人であるとする説を否定することによって、
一連の事件が人の犯行であるという可能性がかなり低くなる。
なぜなら、真犯人であることを積極的に否定し得ない容疑者ですら、
彼(あるいは彼女)が真犯人であることを積極的に推認する手段を見出し難いからだ。

〜犯人は誰?〜
人でもない、崇りでもない、偶然でもない。
では、犯人は誰なのだろうか?
犯人は、実行犯に犯行を決意させる存在。
犯人は、園崎家の支援なく犯行を可能にする存在。
そのようなものが、本当に存在するのだろうか。

そのようなものが存在しなければ解答にはならない。
しかし、それは確かに存在する。
そう。犯人は、オヤシロさまなのである。



〜オヤシロさまの正体〜

正解となりえない選択肢を順次消去していった結果、
オヤシロさまが犯人であるとの結論に至る。
しかし、ここでいうオヤシロさまとは、多くのプレイヤーが考えるであろう、
崇りを引き起こす超常現象としてのオヤシロさまではない。
自然現象、言い方を変えると、化学現象としてのオヤシロさま。
その正体は、沼から湧き出す有毒ガスなのである。

以下、そのガスについて考察する。
ガスには、吸引した者の体内の神経伝達物質を増加させる働きがある。
(いわば、天然の向精神薬である。)
つまり、精神をわずかに高揚させる働きがあるが、日常的に微量を摂取しているならば、
体内のフィードバック調節によりほぼ無害となる。
つまり、幼い頃からずっと村にいれば、なんら異常は起きず、違和感すらないのである。
ガスの吸引量が多くなると、活力が増し、一時的に知覚能力も増える。
結果、通常気付かないようなことにも気付くことができるようになる。
緊迫した場面でひぐらしの声が聞こえる場合が多いのは、まさにそのためである。
同時に、ガスは怒りなどの感情の振幅をも増幅させる。
ダムの建設反対運動の際、あれほど強固に反対運動を展開したのは、ガスの影響が大きい。
また、圭一の父の創作意欲がわいたのも、ガスの影響である。

ガスをずっと吸っていた者が村を離れた場合、雛見沢在住時のフィードバック調節により、
体内の神経伝達物質の量が少なくなっていた結果、鬱状態になる。
ここで村に戻れば、多少の揺り戻しはあるだろうが、やがて回復する。
(鬼隠し編の圭一がこれにあたる。もっとも、彼は完全な回復には至らなかったが……。)
もし、鬱状態のまま村の外で過ごしていれば、そこから体内のフィードバック調節により、
急激な揺り戻しで神経伝達物質の量が過大になる。そこで躁状態になり、
狂乱、傷害、自殺など、ガスの犠牲者に様々な悪影響が発現することになる。
(例えば、過去のレナの場合は、友人を傷つけるなどの精神異常が現れた。)
大災害の後、雛見沢からの避難民にこのような症状があらわれたのは、まさにガスの影響なのだ。

ガスは、底なし沼から湧き出た後、空気中に拡散して村内に広がっている。
雛見沢は山間の村であるし、丘に登って見下ろせる盆地となっているのでガスが溜まりやすい。
実際、雛見沢大災害の際に村がほぼ全滅したにもかかわらず、
封鎖によって災害の拡大が防がれていることからも、
ガスがたまりやすい地形であることが確認できる。

事件が夏に起きるのは、湧き出るガスが濃くなる季節が夏だからか、
気温の上昇によりガスが変質するからか、単純に呼吸数が増えるだけか、
明らかではない。しかし、何らかの関連性があるのは確かである。

※催眠か何かの作用で、ひぐらしの声に反応して精神が高ぶる可能性もある。
 雛見沢からの避難民についてそのような記述がないので、可能性はかなり低いが……。
※夏ということは蚊が媒介しているという可能性も一時考えたが、
 蚊の描写を見た記憶がないので、おそらく違うだろう。


〜雛見沢の伝説〜
地獄の瘴気の伝説は、沼からこのガスが湧き出たことを指すと考えられる。
人を狂わせるガスを、村人は地獄の瘴気であると考えるようになったのだ。
もちろんガスそのものは目に見えないが、鬼となった者の居住地の分布から
その発生源が推測されたことは想像に難くない。

人食い鬼の伝説は、このガスにより凶暴化した人を指すと考えられる。
ちょっとした怒りがガスの力により増幅され、鬼のような人になるのである。

鬼と人との融和の伝説は、ガスを吸っていても、人と接していれば
(つまり、鬼でなく人がいるようなガスの比較的薄いところにいれば)
鬼は人に戻れるということ。逆に、人も鬼と接していれば
(つまり、人でなく鬼がいるようなガスの比較的濃いところにいれば)
鬼になりうるようになることを指すと考えられる。

精神異常者の多発とその快癒に、いつしか村人達は信仰を見出す。
これがオヤシロさま信仰の起源である。
人と鬼とを融和させる見えない存在こそが、オヤシロさま。
オヤシロさまは村の守り神として祀られることになった。
実は地獄の瘴気とオヤシロさまは同一の存在であるのだが、
その原理を知らない村人は、そんな不遜な疑いを抱くはずもない。

そのような背景のもと、オヤシロさま信仰を利用し、
御三家は綿流し(腸流し)を統治に利用した。
残忍な公開処刑である綿流しには、2つの目的がある。

1つは掟から外れた鬼の処刑。
先天的に感情的になりやすい因子を持つ者は、村の和を乱し、
御三家の権力にすら反しかねない厄介な敵であった。
そのような鬼になりやすい者を、御三家は村から排除する必要があった。
しかし、村八分にとどめたのでは、村の内部に敵を抱えることになる。
また、村から追放したのでは、なぜかオヤシロさまに祟られて戻ってきてしまう。
村にいてはならない、村から出すことはできない。
そのような鬼への罰が、処刑だったのである。

1つは掟から外れかねない鬼への牽制。
掟を破れば、腹を裂かれて殺される。村から逃げることもできない。
御三家は村人に公開処刑を見せ、彼らに絶対的な恐怖心を植え付けた。
公開処刑に参加させることにより、村日に共犯意識と連帯感を植え付けた。
そして、オヤシロさまによって恐怖感が増幅され、恐怖による統治が実現したのである。

あるいは、当初は鬼になる性向の強い者の解剖調査という目的があったのかもしれない。
近代の西洋においても、高名な医師が刑死した凶悪犯罪者の頭蓋骨を詳しく調べ、
その頭蓋骨には共通の性質があると発表したという史実が残されている。
綿流しの起源も同様に、元々はそのような目的であったと考えても矛盾は無い。

ともあれ、植え付けられた恐怖感により、鬼となる村人は激減した。
また、感情的になりやすい遺伝子も御三家によって次第に淘汰されていった。
結果、綿流しの風習は本来の意味を失っていくことになるのである。


〜なぜオヤシロさまという名前なのか〜
ガスの影響は、鬼隠し編では魅音・レナ・圭一に、綿流し編では魅音に及んだ。
これらの事実から、精神的に不安定な子ども時代、特に、
頼るべき親のいない子どもに強く作用する性質があると推認できる。
なぜなら、圭一は親の長期外出中にガスの影響が強くなっているようだ。
また、魅音は両親と同居していない。さらに、梨花と沙都子にも両親がいない。
そして、レナの家庭環境は謎である。
(推測にすぎないが、レナの家も他の3人と似たようなところだろう。)
このことから、オヤシロさまは親代(おやしろ)さまという字をあてるのかもしれない。
そうだとすると、レナや魅音の目の色の変化など、部活メンバーに
オヤシロさまの影響が強く現れていることにも説明がつく。


〜鬼隠し編の謎〜

以下、鬼隠し編の謎が、上記のオヤシロさま犯人説で説明できるか検討する。

〜富竹を殺した犯人は誰か〜
まず、神事の際に富竹が無遠慮にカメラのフラッシュを焚きまくったのが発端。
そして、あろうことか神聖な祭具殿に不法侵入。
ガスによって不遜な余所者に対する反感が増幅され、村人が富竹を襲った。
複数人に素手で殴られたような跡があるのはそのためである。
そもそも、最初から殺意があれば素手で攻撃はしないし、
祭りに行っていた村人は当然ながら素手であった。
そして、彼の死因が撲殺でないのは、
身の危険を感じた富竹が命からがら逃げ出したから。
祭具殿に入ったことによる罪の意識や恐怖感もガスで増幅され、
富竹は村人に反撃を加えようと考えなかったのだ。
(また、彼は元々あまり気の強い人間ではない。)
村には年配の者が多い筈なので、囲いを突破すれば逃げるのはわけない。
そして、村からかなり離れたところで、富竹は首が痒くなった。
(痒くなった理由は、断定できない。蚊に刺されたのか、
 村人に掴みかかられたときに首に傷ができたのか。あるいは……。)
そのとき、ガスの影響によって神経伝達物質が増加しており、痒みも倍加。そして、
村人によるリンチから逃れたばかりの富竹は極度の興奮状態にあり、痛みを感じない。
痛みを感じない以上、かきむしっても痒みが無くならないのは当然。
彼はそのまま全力で首をかきむしり、死にいたる。

※彼は毎回必ず首をかきむしって死んでいるようだ。
 事件内容はほぼ共通するとはいえ、毎回首を蚊に刺されたり、
 毎回首をすりむいたりすることに、本当に説得力はあるのか?
※首に注射をされた可能性はかなり高い。
 しかし、なぜ首に注射するのか、という疑問はやはり残る。
※それを考えると、ガスの影響が濃くなり、自滅した可能性もある。
 ガスが首のあたり(甲状腺か?)に強く影響し、
 痛覚を麻痺させた上で劇的に痒くなる可能性である。
 ただ、ガスにそのような効果があるという確証はない上、素人相手にそこまで複雑な
 医学的知識を必要とする出題をするのか、という疑問はあるが……。

※仮にそのような性質のガスだと知っている者がいて、仮にそれを強める性質を持つ注射を
 持っていれば、注射は首にするだろう。そうすれば、かきむしられて首の注射痕は消える。
※麻薬類似の効果があるガスなので、皮膚の下に虫が這いまわる幻覚に襲われてかきむしった、
 という可能性も無視できない。しかし、なぜいつも首なのか、という疑問はやはり残る。
※なぜ痛みを感じないのに痒みは感じるのかと言われると、
 興奮状態だから、と答えるほかない……。

〜ガスの影響が富竹に濃く現れた理由〜>
祭具殿に忍び込んだ富竹は、雛見沢の拷問史をその目で見たばかり。
その直後に大勢の村人に襲われた彼の恐怖は計り知れない。
恐怖が恐怖を呼び、狂ってしまったのだろう。
後に圭一がそうなるように……。

〜5年目の犯行だけが異質なのはなぜ?〜
4年目までの計画とは、全く別のところで犯行が起きている。
4年目までは園崎家の主導による計画犯罪。
それは掟を破る者への制裁であり、過去の「腸流し」の延長。
5年目の計画は、少なくともそうではない。

そこに至った背景として、5年目については、
何らかの影響によりガスが例年より濃かったと考えられる。
それは、雛見沢大災害が起こる予兆だったのかもしれない。
あるいは、ガスを利用しようとする者が何らかの失敗したことで
ガスの濃度が増加したという可能性も、ごくわずかながらある。
当時存在を知られていない「未知の薬物」。悪用すればこれほど役に立つものは無い。
(現に、圭一の遺言から「未知の薬物」の情報が削除されている。)
しかし、ガスを利用しようとするには大きな力が必要だ。
そして、大きな力があれば、そのようなガスなど必要ないのである。
具体的に言うと、園崎家には、村内でならガスの力など必要ない。
そして、ダム建設計画が撤回された今、
ガスを村外で(例えばテロなどに)利用するメリットなどもはやないのである。
なお、園崎家(の、おそらくは実行部隊)は村外でも過去に要人の孫を誘拐している。
ここまでできれば、そもそもガスなど必要がない筈だ。

※向精神薬は麻薬の一種だから、暴力団の資金源になるかもしれない。
 しかし、気体では色々不都合なので、錠剤などにする技術や施設は必要になるし、
 動機としてはいまひとつ美しくない気がする。

〜富竹殺害現場にあった角材に犯人の痕跡がないのは?〜
襲われた彼は護身のためとっさに角材を手にした。
しかし、自身に罪の意識があったため、自分を襲った村人を殴らなかった。
したがって、彼は誰も叩いていないのである。
よって、角材に犯人の痕跡がないのは当然である。

※あるいは、逃亡後に背後に気配を感じて、
 誰もいない場所を殴っていたとも考えられる。
 (玄関で暴れた形跡のある圭一と同列に考える。可能性としてはこれが一番高い?)

※事件を崇りに見せかけたい者が存在し、その者が角材を置いた可能性もわずかながら存在する。
 被害者が持っていた角材は犯人からの護身のために手にしたと考えるのが通常。
 その角材に犯人の痕跡がなければ、村人は崇りであると信じるであろうからだ。
 (しかし、死ぬまで首をかきむしった時点で村人は誰もが崇りだと信じるはずだが……。
  あるいは、警察に対する誤導なのか?)

〜圭一の最後にかけた変な電話は何を意味するのか?〜
思うに、当時圭一はガスの影響が濃く、錯乱状態だったと考えられる。
したがって、特に意味は無い。

〜圭一が玄関で暴れた形跡があるのはなぜ?〜
レナ・魅音はそのとき玄関に入っていないはずであることから、問題となる。
思うに、当時圭一はガスの影響で凶暴化するか、錯乱状態だったと考えられる。
したがって、相手は存在しない。
強いて言えば、常に背後にいる気配めがけてバットを振るっていたのである。

〜圭一の背後の気配の正体〜
思うに、知覚が異常に鋭くなっていれば、
何もいない場所から気配を感じることもある。
したがって、圭一の背後には何もいないと考える。
(何もいるはずの無い場所でも、何かがいると思い続ければ、
 実際に何かの気配を感じるものなのである。)

なお、足音については、自分の足音が山などに反響して、1回余分に聞こえるだけ。
もちろん、それは知覚が異常に鋭くなっていることによる。
TIPSでは、スーパーで後ろを振り返って驚いたような記述があるが、
おそらくはいたずら心から圭一の後をつけていたレナであろう。
レナが圭一の食べようとしたカップ麺の銘柄まで知っていたのはそのためである。

※しかし、それならばレナがカップ麺の銘柄を知っていたことに対して
 圭一が恐怖感を感じる理由がなくなるのだが……。
※したがって、TIPSでは、そこにいるはずの無い人を見てしまった可能性もある。

〜犯人の動機は? 圭一を殺して何の得がある?〜
ガスに動機などない。誰を殺しても何の得もない。
ただ、ずっと昔からそこにいるだけ。
ガスは圭一の精神に影響を与える。
疑念が疑念を呼び、怒りが怒りを呼ぶ。
精神の高ぶりが悲劇をもたらす。それだけ。

〜優しかったレナや魅音が豹変した理由〜
ガスの影響である。
彼女たちは、最初は圭一の身を案じていた。
大石に誘われて村の内偵を行うなど村のルールから外れようとする圭一を、
ルールの内に戻るよう諭したかった。しかし、圭一と同様、
ガスの影響で行為が徐々にエスカレートしていった。

なお、TIPSで崇りを恐れる圭一の話をしながら笑っているのは、
そもそも崇りなど信じていない魅音であると思われる。
祟りの正体を知る彼女にとって、祟りに名を借りた制裁に怯えるのは正しいが、
祟りそのものに怯えるのは滑稽そのものなのであろう。

〜レナや魅音の目の色が変わる理由〜
ガスで気分が高揚するとそうなる、としか考え難い。
(瞳孔が拡大するのだろうか。真偽は不明である。)

※見る者がガスの影響を受けて知覚が鋭くなり、
 相手の瞳に起こったわずかな変化を感じ取れるようになった、
 という可能性もある。とすると、祭具殿の奇怪な音も、これで説明できる。

〜魅音がおはぎに針を入れたのはなぜか〜
目的は警告である。お魎が作ったように言ったのも、そのためだ。
そもそも、村人に手作りのおはぎを振舞うなどといった、
はしたない天皇など存在していようはずもない。
それ以前に、本当に針が入っていたのだろうか。
思うに、針が後日発見されないのはおかしい。
また、針を入れた者が後日針を発見して隠蔽するには、非常に手間がかかるはずである。
したがって、針は最初から入っていなかったと考える。

しかし、何も無かったのに針が入っていたと錯覚するのもおかしい。
また、圭一は針(?)によって現に出血している。
したがって、魅音は後に残らないものを針状にして中に入れたと考える。

例えば、スパゲティの麺を尖らせて針を作ると、飲み込んだ際に消化される。
それをつまようじに似せていれば、おはぎを食べるときに使ったとカモフラージュできる。
(おはぎを食べて死んだらしい毒殺死体がそこにあるのならともかく、
 落ちているつまようじを詳しく調べてみる者などまずいない。)
また、おはぎの材料を凍らせて針を作ったという可能性もある。
そうだとすると、おはぎと同じ色なので発見されにくいうえ、
おはぎの針が胃の中に入ろうと、吐き出されようと、後日証拠が残らなくなるからだ。
また、中華料理の乾燥春雨のような透明で硬い食材を針に仕立てたというのも考えられる。
透明だと、口に入れるまで見つけにくいからだ。

〜転入前にレナが暴れた理由〜
昼の校舎だけど、支配からの卒業。という冗談は置いておいて……。
いったんガスに慣れると、ガスがない場所に長期間いれば精神が不安定になる。
(これも向精神薬と同じ。)
やがて、本来の神経伝達物質はフィードバックにより過小となる。
もちろん、ガスの影響下では必ずそうなるし、そうなって構わない。
しかし、ガスの影響を脱して長時間経つと、神経伝達物質の不足により鬱状態に。
やがて、フィードバックにより反動で神経伝達物質が一時的に過大になり、
そのときに精神が不安定となる。簡単に言うと、極度の躁鬱である。
村を離れた者に訪れるオヤシロさまの崇りは、これによって説明できる。

〜事件の被害者が口をつぐむ理由〜
ある日突然凶暴化した友達に激しく殴打されたとすると、
事件を思い出したくなくなるのは当然だと考えられる。

〜2人の村人(?)が、圭一をすぐ殺さなかった理由〜
園崎家に生け捕りを命じられていた。
あるいは、気絶させたところで魅音に遭遇し、引渡しを命じられた。
前者であれば園崎家の関与が大きいことになるし、魅音が直々に手を下す必要性も考え難い。
したがって、後者が妥当であると考える。
たとえ自分を襲った相手であれ、園崎家当主代行に身柄の引渡しを命じられれば、
村人は素直に従うのが通常であると考えられるからだ。

〜魅音の注射器の中身は?〜
圭一が証拠として時計の裏に貼り付けた注射器が何者かに持ち去られていることから、
かなり核心に近いところにあると考えられる。
結局圭一は注射から逃れたのだが、おそらく、
中身はガスの効果を増加させる薬物か何かではないだろうか。
(確証は無いが、吸って効果のある毒物であれば、注射して同じ効果
 を生み出す毒物を作ることも理論上可能なはず。)
また、微量の睡眠薬その他の行動不能化剤という可能性もかなり高い。
行動が不能な間にたっぷりとガスをかがせればいいのだから。
被害者が起きて異常な行動が始まる頃には、睡眠薬はもう検出されないという仕組みだ。

※被害者の精神を異常にさせるためのフェイク、という可能性もわずかにある。
 プラシーボ効果、というやつである。
 捕まった状態で無理矢理打たれる妙な注射を、打たれる側は有害だと思うだろうから。
 ガスの影響下では、毒を打たれるであろうという恐怖が劇的に作用するであろう。
 注射をされてもいない圭一がレナと魅音を撲殺したことも、これで説明がつく。
 (魅音は、村の掟で私的制裁を加えるために睡眠薬で圭一を生け捕るつもりだったのかも
 しれない。あるいは、正規の医師である入江を呼んでいることから、御三家の魅音はガスの効果を
 知っていて、精神異常のみられる圭一をとりあえず治療するつもりだったという可能性も
 捨てきれない。なお、園崎家の時期当主である魅音のことであるから、護身用(?)に
 何を持っていてもさほど不思議ではない。注射器は武器にするには使いにくいので、
 おそらく、武器以外の目的を持っているのだろうが……。御三家に牙を向けた精神異常者
 に対する処刑か、一時的な治療か、それとも、単なる鎮静剤か……。
 やはり、可能性としては鎮静剤と考えるのが通常だろう。
 場合によっては後でじっくり処刑する必要があるわけだし。)

〜2人が呼ぼうとした監督とは、誰?〜
思うに、工事の現場監督は村の敵であり、レナや魅音が単に監督と呼ぶとは考え難い、
したがって、2人が呼ぼうとした監督とは、工事の現場監督のことではない。
とすると、消去法で、野球の監督であるとしか考えられない。
つまり、2人が呼ぼうとしたのは入江京介ということになる。
とすると、魅音に怪しげな注射を与えていたのも監督だろうか。確証はないが……。

※注射器は、園崎家が魅音に持たせた装備であると考えることもできる。
 むしろ、そう考える方が妥当かもしれない。

〜レナと魅音を殺したのは?〜
気分が高揚した圭一が、ガスの影響を受けて殺した。
現場の状況からは圭一の犯行と考えるのが妥当である。
なお、圭一が犯行を覚えていないのは、興奮状態にあったから。
冒頭のシーンは、おそらくこのシーンと同一である。

〜圭一の家にやってきた白衣の者たちの正体は?〜
園崎家実行部隊である可能性は極めて高い。
しかし、そうだとすると医師に化ける必要などない筈だが……。
魅音の身辺警護に来た暴力団員だとしても、村人だとしてもそれは同じ。
そもそも、彼らが情報を察知するのが早すぎる。

※おそらく、ここがキーなのだろう。考えているうちに頭が混乱してきた。
 しかし、この件に関しては解決策を見出すことも可能だ。
 後に検討する。

〜圭一を殺したのは?〜
犯人はガス。
圭一はガスで気が狂い、自滅した。(おそらくは、富竹と同じ。)

※何者かが電話ボックス内に高濃度のガスを流した可能性も、わずかながらある。
 その場合は何者かがガスの正体を知り、それを人為的に利用していることになるが、
 園崎家とその実行部隊以外でそんなことをできる者がいるかを考えると、
 その可能性もまずないだろう。

〜圭一の遺書〜
遺書の第一発見者は、公的には警察である。したがって、遺書の一部破棄は、
警察か、警察より前に遺書を発見した者によって行われたことになる。

ここで、真犯人はオヤシロさまであるので、遺書の一部を破棄することはできない。
したがって、真犯人と遺書を破棄した主体の関係を考える必要はない。
言い方を変えれば、遺書を破棄した者が真犯人ではありえないということである。
そして、全部でなく一部のみを破棄していることから、破棄された部分は彼らにとって
都合が悪く、破棄されていない部分は彼らにとって都合が良い部分であると考える。
(なお、遺書はノートに書かれていることから、遺書の一部が破棄されたこと自体は、
残った部分の大きさから明白である。さて、ある文書において、文言の加除が本人によって
行われたのであれば、消すなり塗りつぶすなりするのが通常である。にもかかわらず、
本件ではノートの一部のみを切り取るという不可解な方法が取られている。このことは、
文言の加除が本人以外によって行われており、それを行った者が一部の文言を痕跡すら
残さず抹消したいと考えていたことを示している。また、捜査関係者がそこに思い至る
リスクは自明であることから、それを差し引いてもなお、破棄されていない部分を残す
利益が高いことが推認される。つまり、破棄された部分は全て真実。破棄されていない
部分は全て誤り。である可能性が高いのだ。)
以下、詳しく検討する。

『私、前原圭一は命を狙われています。
 なぜ、誰に、命を狙われているのかはわかりません。
 ただひとつ判ることは、オヤシロさまの祟りと関係があるということです。
 レナと魅音は犯人の一味。
 他にも大人が4〜5人以上。白いワゴン車を所有。』

ここまでは、遺書を破棄した者にとって都合のいい記述。
つまり、全てが彼らに都合のいい誤りであると考える。
以下、具体的に検討する。

前原圭一自身が、なぜ誰に命を狙われているかわかっている筈はないので、
二行目はひとまず無視。

その上の行を前述のように解釈すると、前原圭一は命を狙われていないことになる。

そして、この事件はオヤシロさまの崇りとも関係がないことになる。
遺書の破棄主体がこれらの事実を理解していることから、
ガスについて知っている可能性はかなり高いとも思える。
しかし、結論としてはそうでない筈だ。これについては後に検討する。

そして、レナと魅音は犯人の一味ではない。これでほぼ確実となった。

4〜5人の白いワゴンを所有している者(園崎家実行部隊)は犯人ではない。
遺書の破棄主体が実行部隊である可能性も、これでほぼ消滅する。

『バラバラ殺人の被害者をもう一度よく調べてください。生きています。
 富竹さんの死は未知の薬物によるもの。証拠の注射器はこれです。』

削除されたこの部分は、犯人にとって都合の悪い記述。
つまり、全てが彼らに都合の悪い真実であると考える。
以下、具体的に検討する。

バラバラ殺人の被害者、つまり現場監督は、実は生きている。
ということは、見つかったバラバラ死体はやはり別人のもの。
現在、本人は実行部隊の内部にいると考えるのが通常であろう。
しかし、前述のように、遺書の破棄主体が実行部隊である可能性はまずないので、
そう考えるとこの行を削除する意図が不明である。ここに矛盾が生じるのだ。
ここで、この矛盾を解消するには、この行を削除する意図を見出せればよいと考える。
削除主体は実行部隊でないにもかかわらず、
削除主体は現場監督が生存しているという事実を隠したい。
ここで、現場監督がいるのは実行部隊ではなく、遺書の削除主体である可能性が浮上する。
しかし、友人の大石に隠れてコソコソ行動する意図はやはり不明。
それどころか、顔を覚えられている筈の彼が(仮に整形していても、新参者は非常に目立つ)、
実行部隊の組織力もなく犯行を察知し、人知れず現場に立ち入れるかというのも怪しい。
とすると、バラバラ殺人の被害者でない、別の行方不明者が生きている
という事実の隠蔽を図ったと考えることもできる。
行方不明者は、監督を除いては、鷹野、悟史とあとは脇役。
暇潰し編の梨花の発言から、死んでない可能性があるのはこの2人。
しかし、いずれも行方不明者であり、村にいればこれ以上なく目立つ人間である。
また、園崎家とも実行部隊との関わりもなく、村に潜伏するのは不可能である。
したがって、結局、別の行方不明者が生きているという説も異なっていたことになる。
とすると、スペースの大きさを合わせることによって、
下の行の削除を目立たないようにしたのだろうか?
しかし、元は1枚のノートであることから、発見者は何かが削られたことに気付くだろう。
そこに気付かれるのを覚悟の上、なお一部だけを残すメリットがあるのか。
それとも、発見者が削られたことに気付かないと考えるほどの浅はかな人物なのか。
理由がどちらかは不明だが、結局この行も削除主体の動機を解明する手助けになると考える。
理由は後述する。

富竹ジロウの死は未知の薬物によるものである。
そして、削除主体はそれを知っていて、かつ、それを知られると都合が悪い。
現に、証拠の注射器も持ち去られている。
もし仮に薬物の情報が事実でないのなら、注射器を持ち去る必要などないのである。
このことから、一見、削除主体がガスについて知っている可能性がかなり高いとも思える。

ここで、削除主体の正体について考えてみる。
削除主体の候補は、警察か、警察より前に遺書を発見した者に限られる。
(とはいっても、圭一が裁縫とは無縁そうな少年であることから、「針が無かった?」
 というメモを見た者が、「裁縫針」ではなく「時計の針」を想起する可能性は高い。
 したがって、捜索能力はそれほど関係なくなり、村の全ての人間のうち、
 事件を知りえた者全てににその可能性はあることになる……。)
これに関しては、魅音が犯人の一味であるとの情報が削除されていないことが
重要な手がかりとなる。つまり、園崎家は削除に関与していないのである。
では、園崎家でなく、ガスの存在を知る者が削除したのだろうか。
園崎家並みの力を持つと考えられるのは、実行部隊だ。
しかし、実行部隊が削除に関与していないのは前述のとおりである。
園崎家でも実行部隊でもなく、ガスの存在を知る者。
鬼隠し編の犯人ではありえない医師の入江京介、及び御三家の古手梨花が
関与していないという前提に立てば、そのような者は存在しないかにも思える。
(もっとも、入江が犯人でないとしても削除主体にはなりえる。
 そして、現場に呼ばれた入江は特に怪しい。しかし、彼が犯人でないことを
 前提にすると、その部分を隠蔽するメリットが全くないのだ。)

しかし、実はこの遺書の削除は、ガスの存在を知っている証拠にはならない。
実は、この削除はオヤシロさまの正体を積極的に知っていなくても可能なのだ。
削除されたのは、全て既に起こった祟りの正体を暴露する部分である。
つまり、この部分が世に出ると、オヤシロさまの権威が揺らぐことになるのだ。
したがって、遺書の削除は、オヤシロさまの信者によって行われたと考える。
そして、彼らはおそらくオヤシロさまの正体を知らないのだ……。

※だとしても、レナと魅音や白いワゴン車の男たちについて削除しなかった意図が不明。
 彼らが操られていたことにすれば、オヤシロさまの存在が否定されることはない
 ということなのだろうか。
 あるいは、村人の間では彼らがオヤシロさまの使いであることが明白なのか……。

〜富竹ジロウは何者だったのか〜
偽名で雛見沢を訪れていた彼の目的と、殺害されたこととの関係が問題になる。
おそらく、彼の写真が示すように、村の外ではごく普通の冴えない人なのだろう。
(これもガスの影響。季節ごとに雛見沢に来るのも、一種の依存症。
雛見沢では快活になるが、外では陰気な性格になる。)
彼の目的は、写真撮影と、鷹野三四との逢瀬。
偽名は、村の外での嫌な生活を忘れるためだろう。

〜綿流し編の謎〜

〜魅音いわく、詩音とは一卵性らしいが、どうも能力差があるらしいのはなぜ?〜
園崎家の英才教育の影響で、いざというときの判断力は魅音の方が高い。
ただ、普段興宮にいる詩音が雛見沢に来たときには、頭がすっきりして思考力が増すはず。
(もし仮に興宮に戻らず雛見沢で生活するようになれば、昔のレナのように狂ってしまう筈。
 そうなれば、綿流し編で狂った魅音よりも、もっと恐ろしいことになっていただろう。)
魅音と詩音は一卵性双生児であるから、生まれつきの能力が同じである。そして、魅音
のみが支配者としての英才教育を受けていると思われる。にもかかわらず詩音が魅音を
手玉に取れるのは、圭一に惚れているという弱みを握っていることだけでなく、魅音より味方
が少なかったために狡猾に育ったこと、それに加えて、ガスの影響もあると思われる。

〜犯人は誰?〜
園崎魅音。もちろん、元凶はガス。

〜彼女が変わったきっかけは?〜
彼女の言った通り、圭一の何気ない行動。
ガスの影響により、精神的なショックは倍加される。
それが彼女の変貌に拍車をかけた。

〜祭具殿で聞こえた音の正体〜
複雑にひしめく拷問具を風が通り抜け、あるいは古くなった風通しを風が抜ける音。
それが、子どもがドタバタ騒いでいるように聞こえる。
(あるいは、久々の来訪者に慌てたネズミの仕業か……。)
おそらくは、ガスで知覚が鋭敏になっている者には、より聞こえやすいのだろう。
(末期症状であるひたひた着いて来る足音の、単なる延長である。
 祭具殿の中は、単なる山道よりも、音波を反響する障害物が多いのだ。)

もちろん、祭具殿でドタバタ音を立てるなどといった、
はしたない超常現象など存在しようはずもない。

※沙都子のトラップ、という可能性も考えたが、一部の者にだけ音が聞こえるのはおかしい。
 音が聞こえないと言った者が、音の存在を知られたくなかったという可能性も考えられるが、
 全く聞こえなかったというのは余計目立つ。「ネズミのせい」とか、適当に話を合わせた方が、
 聞こえた方も不審に思わないだろうからだ。人間犯人説に立つと、ここの説明が難しい。
 しかし、以上に述べた理由で、感覚が鋭敏になっているだけだと考えれば、
 この現象も説明できてしまう。つまり、聞こえないと言った者に関しては
 もうすぐガスで死ぬ者ほどガスの影響が濃くなく、本当に聞こえていないのだ。

※聴覚障害、という可能性も考えたが、やはり違うと思う。

〜全て園崎家の仕業か?〜
もちろんそのようなことはなく、真犯人はあくまでガスである。
ことによると、園崎家もガスの力を支配に利用しようとする側面はあるのかもしれない。
しかし、強大な権力を持つ園崎家にガスの力が必要なのか、疑問は残る。
なお、同様に、それ以外の者がガスの力を利用している可能性も、まずない。
(医師である入江なら診療所に来た人の症状からガスの存在やその正体も分かりえるし、
 お魎の主治医である以上、端的にその存在を知らされている可能性もある。
 しかし、彼個人にはそれを利用するだけの力もメリットも無い。)

〜圭一が死んだ筈の魅音に刺されたのは?〜
死んだ者が圭一を刺すことはできない。
狂った詩音が圭一を殺しに行った。
あるいは、狂った圭一が幻覚を見た。
そのどちらかであると考えられる。

※興宮にいた詩音は、ガスの影響で狂っている。監禁中に依存症になっているからだ。
 つまり、綿流し編で狂ったのは精神的なショックによるものではなく、必然的な現象である。
 そして、狂った詩音であれば、圭一を殺そうとする可能性もなくもない。
 一見、そう考えれば全て説明がつくようにも思える。
 しかし、狂った詩音が圭一のところまで行けるかがまず不明である。
 また、詩音が魅音のフリをしたがったのはなぜか説明がつかない。

※そもそも、井戸で死んだ魅音が実は詩音で、魅音は詩音のフリをして生きていたという
可能性も考えられる。(というか、その考え方の方が正常な筈。)しかし、そうだとしても、
まず、事件のほぼ同時刻に死んだ詩音(本当は魅音)の真意が不明。自暴自棄になって
飛び降りた可能性もあるが、そうだとすると圭一を刺したその場で自暴自棄にならない
理由が不明。夜なので、帰る時は玄関から帰ればいい。したがって、圭一を殺した後
こっそり帰ろうとして転落、という可能性も消える。圭一を刺せば復讐は達成される筈
なので、詩音を装ったまま自殺して崇りに見せかけるメリットはなし。また、本当に
精神に異常があれば圭一のところまではおそらく行けないだろうと思われる。そして、
仮に精神に異常があるふりをしているだけなら、理由なく自殺するとは考え難いので、
却下。よって、魅音は魅音であり、過去に井戸で足を滑らせて死んだのであると考える。

〜圭一はどうして殺されなければならなかったのか?〜
鬼隠し編では祭具殿に入っていないこと、また、
同じく余所者の両親には危険が迫っていないことから問題となる。
思うに、圭一はオヤシロ様の影響を受けやすい仲間に囲まれている。
したがって、加害者はガスの影響によって決まるものの、
圭一はかなりの確率で被害者の役になる運命にあると考える。

※ABCDという4つの箱があり、その中から1つを選ぶ。
 必ず1つしか開けることができないし、必ず1つ開けなければいけない。
 そして、Aは毒殺。Bはナイフ。Cはピストル。Dは縄。そういう話なのである。
※「オヤシロさま=親代様」説にもつながる考え方である。

〜圭一の鬼隠し編と綿流し編の共通行動は?〜
殺された理由に繋がることから問題となる。
しかし、真犯人はガスであることから、上記の設問に対する答えと同じで、
共通行動にはさほど意味がないと考えられる。
強いて言うなら、そういう仲間に囲まれていたことが「共通行動」となる。

〜崇殺し編〜

〜沙都子の叔母殺しの犯人は、覚せい剤常習者?〜
彼が犯人しか知らない情報を知っていたらしく、また、後に死亡したことから問題となる。
思うに、覚せい剤常習者が雛見沢という田舎に立ち寄ること自体が不自然である。
また、鬼隠し編での富竹・レナ・魅音・圭一の死体について、覚せい剤反応の記述が
無いことから、ガスによる精神異常の場合は覚せい剤反応が出ないはずである。
(狂った圭一の遺した「未知の薬物」という遺言は、実は核心を突いていたのである。)
したがって、覚せい剤常習者の犯行である可能性は、極めて低いと考える。

とすると、残る容疑者は北条悟史か園崎家。
そして、後述の理由で、犯人は北条悟史であると考える。

※大穴で、トラップなどを使って叔母を殺した北条沙都子を、
 兄の悟史がかばっていると考えることも可能。もちろん確証はないが、
 頭を金属バットで滅多打ちにすれば、頭にある小さな傷などわからなくなるからだ。

※崇殺し編で圭一が埋めた死体が元の場所になかったのも、おそらく園崎家が手を回した
ことによると思われる。そして、悟史の犯行に真犯人が登場したのも、同じような理由
により、園崎家の手助けによるものかもしれない。

※そもそも、村の仇敵であるはずの北条家の娘・沙都子が、
 御三家である古手家当主の古手梨花と同居している状況が大きな謎。
 ことによると、悟史が園崎家との間で沙都子を保護してもらうという密約を交わし、
 殺害を引き受けたのか? (当の園崎家が引き取るのはさすがにまずい、と……。)
 伝承などから判断したところ、オヤシロさまは一度村を捨てた者ですら受け入れる
 寛大な神様である。そのオヤシロさまの巫女が寛大な行動をする役目を担っても、
 不思議なことではない。祭具殿に立ち入った圭一を許そうとしたときのように……。

※大臣の孫の件や詩音を間引かなかったことから考えると、
 お魎が子ども好きなのはほぼ間違いない。
 しかし、現在の御三家筆頭として北条家の血筋は憎い。
 ここで、雛見沢は昔の田舎なので、おそらくは男系社会である。
 したがって、悟史がいなくなれば、雛見沢の北条家は絶える。
 しかし、何らかの理由で(詩音のチームメイトだから?)悟史を殺せない。(……のかなぁ?)
 そこで、撲殺する予定だった人間を悟史に殺させることに。
 別の犯人がいれば悟史は疑われない(ここだけが詩音か魅音の仕業という可能性も。
 お魎に話を通したフリをして電話口に出るだけで魅音がお魎の権力を使えるのは
 綿流し編で実証済み。詩音の演技が完璧なら、詩音にも同じことが可能な筈)。
 このようにすれば、悟史と園崎家とのつながりも明るみにならない。
 警察に追われなくても、罪の意識がある悟史は帰ってこられない。
 そして、村の外に出ればいずれ狂って死ぬ。
 (むしろ、とっくに消されていると考えるのが妥当か?
 しかし、殺したのなら身代わり犯人を作り出す意図が不明。
 やはり、身代わり犯人を作った者と、悟史を消した者は別?)

※ことによると、被害者(?)である悟史、富竹、圭一の3人を重ねると、何か見えて
 くるのかもしれない。バット、バット、角材。硬くて細長いもの……。
 偶然にしてはできすぎていないか?

〜鉄平が出かけて殺された後も、彼の生活の痕跡があるのはなぜ?〜
魅音は園崎家の情報網で、圭一が鉄平を殺して死体を埋めたことを知った。
魅音たちは圭一をかばっている。まずは、園崎家の力で死体を掘り返して証拠を隠滅。
(殺して埋めたと自供しても、その場所に死体がなければただの錯乱者として扱われる。
 凶器がなければなおさらである。)
同時に、祭りの夜のアリバイも工作。
村人は園崎家(ダイレクトに魅音かも)の意向に従い、圭一をかばっている。
沙都子は叔父に対する恐怖がガスで倍加され、いもしない叔父の幻覚を見ていた。

※沙都子も実は正気で、圭一をかばっていたという可能性もある。

※そこまで考えるときりがないが、鉄平殺しの実行犯が沙都子、という可能性もある。
 (とすると、過去の叔母殺しも沙都子の仕業だろう。)
 その場合、圭一が殺したのは鉄平の賭博仲間であり、鉄平は既に死んでいた可能性が高い。
 (そう考えても、魅音たちの行動は前述の通りとなる)

※結局、レナほどでないにせよ、沙都子に関してはかなりの謎が残る……。
 自説に立てば誰が実行犯であろうとさほど大きな意味はないのだが、
 わからない部分が大きいと、いまひとつしっくりこない……。

〜梨花が殺された理由〜
思うに、村の掟に従う者の犯行ではありえない。
また、村の掟にここまで明確に反する存在は、園崎家実行部隊以外に観念できない。
したがって、園崎家から離反した、園崎家実行部隊の犯行であると考える。

この村には、梨花を殺して得をする者などいない筈。
なぜ梨花を殺したのか。それは、梨花(ことによると、御三家や村全体)に恨みがあるから。
なぜあのような犯行態様なのか。それは、お魎やこの村の老人たちに恨みがあるから。
なぜ神社の境内で衆目にさらすのかも、上記の理由で説明がつく。

※医師の入江なら、死体の加工はすぐにできるだろう。
 推理小説的に考えれば、逆に、彼の犯行ではない可能性が高まる。
 (よく考えてみれば、犠牲者の腹を裂く方法など、村の秘伝として少なくとも御三家には
  伝わっているだろう。それが文書化されているとすると、誰が知っていてもおかしくない。
  また、殺さないように裂いてからきれいに縫合するならともかく、
  裂くだけならわりと簡単である。だから、技術的な観点から加工に着目するのは、
  有効に見えて全くの無駄なのかもしれない。)

※ことによると、実行部隊もガスで狂っていたのかもしれない。
 日陰で長年にわたって汚ない仕事を命じられてきた。
 その恨みが、ガスの影響で増加したとも考えられるのだ。

※ことによると、実行部隊の構成員は、村の中の被差別者
 からなる一族なのかもしれない。今の北条家の状況とパラレルに考えるのだ。
 そもそも沙都子の親類が村の掟に反しただけで、沙都子自身は掟に反していない筈。
 その沙都子が冷たく扱われているように、処刑された者の親族は、
 処刑されないまでも、何か村の中で不利益を科せられていたと考えられるのだ。

※ことによると、注射で中毒にされて汚れ仕事をやらされていた可能性もある。
 しかし、もしそうだとしてもすぐに反乱するだろうし……謎だ。

〜崇殺し編で、大石が失踪直前に照会していた車の正体〜
不明。ガスのせいでどうにかなった人が運転している可能性もある。
しかし、拳銃を持っている上にかなり強い大石が返り討ちにあい、
なおかつそれを行方不明にできるかまでは不明。
やはり、これについては、大臣の孫誘拐にも関わった
園崎家実行部隊の犯行である可能性が高い。
現に、誘拐事件の際に、大石は一度彼らに敗れている。

※鬼隠し編で圭一をはねた白ワゴンと同一である可能性も、わずかながらある。
 鬼隠し編で実行部隊が圭一を跳ね飛ばすメリットがあるかと問われると、
 明確な答えを出せなくなるが……。偶然、という説明でいいのだろうか?
 もしそう考えるならば、鬼隠し編の白ワゴンの運転者は、
 ガスの影響を受けていた可能性がかなり高いと思われる。(というか、そう説明するしかない。)

※ことによると、大石はガスの濃い場所に誘い込まれたのか?(確証はないが……。)

※エアコンを効かせていたため、車のドアを開けた瞬間、ガスが劇的に流れ込んだ可能性もある。
 空気の流れは温度差によって生じるからだ。

〜TIPS8ページ6番の、沙都子のセリフの意味〜
「きっとこいつも何かに乗り移られている。だってこれは、
 死んだあの男が言っていたのと同じこと」以下の意味が問題となる。
 沙都子か「こいつ」がガスの影響を受け、錯乱状態である可能性が高いと考えられる。
 しかし、全く無意味というのは考え難い。錯乱状態であることを示すほか、
 鬼隠し編の圭一の最期のように、何か重大なヒントが隠されているのではないだろうか?

※「死んだあの男」とは、おそらく鉄平のことだと思われる。
 だとしたら、なぜ死んだことを知っている?
 何か意味があるのだろうか……。
 やはり、崇殺し編の沙都子は詐病なのか?

※そう考えると、「こいつ」の正体は謎。
 自説においては、判断材料は少ないものの、
 鬼隠し編で遺書を改竄したオヤシロ様信者と同一であると結論付ける。
 事件が起こった家に行き、オヤシロ様信仰にとって不都合なものが無いか探していたのである。
 彼らがそのときに鉄平と同じことを言っていたのであろうが、何を言っていたのかまでは不明。
 オヤシロさまの巫女が梨花であることから、幼女愛好趣味とつながりがあると考えるのが
 妥当……な筈は無い、多分。これが正解だったらかなり嫌だ。

※仮に「こいつ」が鉄平だと考えても、それと同じ事を言っていたという、
 過去に死んだ男の正体が謎。(父親か? そうだとしても、発言の中身が余計に謎。)

※結局は、この台詞はどう取っても謎だらけ。
 この意味を解明できたときに、何か重大な秘密がわかるのか……?

〜入江京介の死亡理由〜
不明。自殺か他殺かで考えると、おそらく他殺なのだろうが……。
仮に自殺であるとして、自殺の動機が不明。
仮に他殺であるとして、彼を殺すメリットが不明。
仮に他殺であるとして、自殺に見せかけるメリットが不明。
なお、医師の入江はガスの性質について知っていた可能性はあるが、
ガスの発生自体をコントロールするのは不可能である……筈。

※考えれば考えるほど頭が混乱する……。
 ここはどうやっても謎。
 自説に立てば、とりあえず全てガスのせいにして、それでも説明がつかないことは
 実行部隊やオヤシロさま信者の仕業にすることになっているので(←をい)、
 村内に潜むオヤシロさま信者が彼を殺したのだろうと考えることになる。
 鬼隠し編の圭一の家と同じように、診療所は信者たちによって捜索された。
 そして、彼はオヤシロさまの正体を科学的に解明する文書を所持していた。
 その時点で、大災害の前触れとして、ガスは相当に濃度を増していたのである。
 彼らが「不遜な者は殺すしかない。」という結論に至ったのは、想像に難くない。
 祟りに見せかけなかったのは、信者たちが梨花の死を知ったのと前後しており、
 対処法などについて混乱していたからである。
 かなり多くの部分で想像に頼ることになるが、ここはひとまずこう結論づける。

〜大石と熊ちゃんが捜査中に行方不明になった理由〜

ガスで暴走した園崎家実行部隊に消された。
死体が見つからない理由に関しては、梨花の死体と同じようにするつもりで
隠しておいたところ、大災害が起こってしまったためそのままになったのだろうか。

※オヤシロさま信者の仕業という可能性もあるが、情報が少なく、断定できない。
 梨花を殺された信者であれば、どんな行動に出ても不思議ではないが……。
※あるいは、そもそも死体を加工する必要があるのは重要人物のみで、
 彼らはそれに該当しない? だとしても、梨花と違ってなぜ隠す?

〜大災害が起こった理由〜
そんなものを故意に起こすメリットは考えられない。
オヤシロさま信者の仕業であるにせよ、信者や自分が死んでは元も子もないはず。
むしろ、信心深い者の方が多いのに、村を全滅させる意図が不明である。
また、歴史の深い村であるのに、たまたまガスが村を滅ぼすほど多く噴き出すのは、
きわめて不自然である。
したがって、大災害は何者かの過失によるものであると考える。

なお、ガスの主成分が二酸化炭素と硫化水素であるという調査には、見落としがある。
富竹から未知の薬物が検出されなかったのと同様、当時の技術では、
神経伝達物質を増加させるガス「オヤシロさま」は、検出されないのである。
もちろん、大災害発生後に初めて雛見沢に入った者には何の影響もない。
必ずガスマスクを装着しているであろうから、「オヤシロさま」の影響も受けないのだ。

思うに、一般的にみて、ガスの発生量の変化は、発生源と密接な関係がある。
したがって、ガスの異常発生に関しては、発生源であるに沼に異変が起きた可能性が高い。
可能性としては、圭一が証拠隠滅のために沼に鉄平のバイクを捨てたことの影響、
それが最も高いであろう。
古来、沼にいけにえを沈める場合は、ゆっくりと時間をかけて沈めていた。
おそらく、沼に何かを急に静めると、沼の沈殿物から少しずつ湧き出ていたガスの量が多く
なり、ガスの影響を受けた犠牲者が多くなったことがあったのだろう。それにより、
沼に何かを入れるときは静かに沈めるという風習が常態化したと考えられる。
あくまで可能性の例だが、沈めたバイクが中で爆発するなどして、ガスの蓋となっていた
沼の表面が一時的に無くなった。そして、長期にわたって少しずつ吹き出すはずだった
ガスが一気に村に充満した、ということもないとは言い切れない。

※誘われた大石の車が沼に突っ込んだ、という可能性もある。
 そうだとすると、大石が行方不明になった説明もつくし、
 オヤシロさま信者にも。犯行は可能となる。
※ガスを集めて何かに利用しようとした者が失敗した、という可能性も、わずかながらある。
 そうだとしても、なぜ失敗したのかなどは不明である。
※実行部隊の死体の記述がないことについては、山奥に本拠があるので発見されなかったのか、
 あるいは普段は一般の村人として生活しているため一般人と同じ扱いだったのか、
 どちらにせよ不思議なことではない。

〜圭一が気絶した河原にはガスが流れ込むはずだったが、彼が生きていた理由は?〜
地形の影響で、ガスがあまり流れてこなかった。
あるいは、何らかの理由でガスが速く拡散したと考えるのが妥当かもしれないが、
むしろ、全域が寒い場所ではガスがあまり働かない、と考えるのがより妥当であると考える。
事件が毎年夏に起きていることも、この事実を推認する要素となる。
また、誰かが彼を移動させて助けた可能性もある。

※寝ている間はあまりガスを吸い込まないで済む、という可能性もある。
 しかし、大災害は夜中に起きていることから、可能性はかなり低い。

〜沙都子と鉄平は大災害で死亡が確認されず、行方不明だが、なぜ?〜
鉄平は圭一が殺した。死体は圭一に嫌疑がかかるのを嫌った魅音
(ことによると、園崎家)が自主的に処理。
したがって、鉄平が行方不明になるのは至極当然のこと。
沙都子は山奥にいたのでガスを吸った。
救助隊も山奥にいる者までは捜索しきれず、沙都子は人知れず死亡。
仮にその時ガスを吸っていなくても、過酷な環境下で生き抜けるとは考え難い。
そのような理由で、沙都子も行方不明になったと考える。

〜記者が圭一の言う通り水死したのはなぜ?〜
おそらくは、偶然。圭一は錯乱状態で思いついた内容をそのまま発言しただけ。
そもそも、身の回りに水がないなんて状況はまずないので、
当てはめようと思えば何にでも当てはまる。

※偶然の一言で片付けられるのかという点で、疑義は残る。
 ことによると、ガス中毒による恍惚状態が何かをもたらしたのか?
 (史実においても、古代のシャーマンが麻薬でトリップして信託を得ていた
  という例がしばしばみられる。(ことによると、暇潰し編の梨花の予言も?)
  しかし、トリップしたからといって真実を得られるとは限らないのだが……謎だ。)

〜暇潰し編〜

〜梨花の立ち絵が5年前と変わっていない理由〜
「お察しください。」間違いない。

〜大石が首を締められたとき、トドメを刺されなかった理由〜
犯人がヘタレだったから。あるいは、油断していたから。
それでも満足できなければ、大石が園崎家の縁者であるとか、そのようなもっともらしい理
由を考えなければならない。(大石は興宮の人間なので、その可能性はある。)

※もちろん、犯人は園崎家実行部隊である。

※一部のマフィアのように、「許可無く殺すな」という掟があるのだろうか。

〜連続怪死事件が起こる前の年に、梨花が知っていたのはなぜ?〜
御三家の会議の席で連続怪死事件の計画を聞いたから。
被害者は、村の仇敵であり、ガスとは関係なく予め決まっている。
なお、梨花の言う通り、まず間違いなく、4年目までの事件と5年目の事件は別物である。
圭一の死が梨花に予言されていないのは、計画に含まれていないから。
また、まだ転校してきていない圭一の死を予言していないことも、
梨花の予言がオヤシロさまの予知能力によるものでないことを推認する材料となる。
なお、彼女の予言の内容からも、行方不明者がおそらく死んでいるであろうことがわかる。

〜「昭和57年までの死は、この村の誰かの仕業。この村を支配する奴らの都合による予定。
 でも、昭和58年が説明できない。最後の死は奴らの都合によるものである筈がない。
 奴らの目的は最後の死を否定している。だから、最後の死だけは奴らと無関係」
 この発言の意味は?〜

この村の誰か(つまり、4年目までの犯人)とは園崎家。ターゲットは御三家会議で決定さ
れている。(しばらく先までターゲットが決まっているようだが、粛清対象は適宜決めた方
が色々と都合がいいのは明らか。少なくとも数年先の予定まで決めるのは不合理。特別な意
味(掟? 宗教的理由?)か何かがあるのだろうか?)
そして、5年目の犯人は別。なお、最後の死とは、文脈上、梨花の死と考えるのが妥当である。
そして、奴らの都合、目的にとって、梨花の死は都合が悪い。したがって、園崎家は5年目
の犯人ではないということを示している。

〜5年目の梨花の死が園崎家の仕業でない事件だというのなら、なぜ梨花が知っている?〜
予知能力などありえない。嘘をつくメリットもない。したがって、この予定は
お魎以外の最高権力者によって定められているとしか考えられない。(園崎家の実行部隊か?)
梨花が知っている理由といえば、実行部隊に内通者がいると考えるのが妥当だろう。

※最高権力者の正体は、お魎がバイクで会いに行く相手だと考えるのが妥当かもしれない。
 しかし、それだと村内では余計に目立ってしまう。
 ことによると、最高権力者は雛見沢村にいない者なのか?

〜殺されるとわかっていて、なぜ逃げない?〜
梨花がこの地に縛り付けられている理由は不明だが、理由はいくつか考えられる。
単純に掟に縛られていると考えることも可能だが、それだと公安警察に
助けを求めるのは掟違反にならないのかという疑問が残る。
(通常なら、明確に掟に違反していると考えるのが妥当だろう。)
ことによると、御三家である古手家当主として、オヤシロさまの正体を知っているのだろうか。
ガスの正体を知っていれば、村から出ることなど決してできないだろうからだ。

※ことによると、沙都子を保護するためということも……そんなわけないか。
 実行部隊の内通者に粛清が加えられることを恐れて……いるのならそもそも
 赤坂にしゃべったりする筈が無いか。謎だ。

〜なぜ、村の敵である筈の赤坂にそんな重要な情報を教えた?〜
梨花は何らかの理由で村から出られないが、それでも誰かに助けてほしかった。
しかし、同時期から村にいる富竹や、刑事の大石には同様の情報は教えていない。
富竹や大石が園崎家実行部隊と密かに関わっていることを恐れていたのだろうか。
しかし、赤坂の身元は赤坂の到着前に御三家会議に知れていることから、公安に
雛見沢の内通者がいること及び梨花がそれを認識していたことは明らかである。
とすると、梨花の判断は、富竹・大石が内通者である可能性を恐れてのことではない。
したがって、富竹・大石になくて赤坂にあるものが何かあったのだろうと考えられる。
しかし、赤坂は無事に村を出られる確率が高くなかった、取るに足らない人物の筈。
とすると、梨花が頼りしていたのは、彼個人ではない。端的に言うと、彼の組織。
つまり、公安としての赤坂ということになるのではなかろうか。
公安が動かざるをえない状況といえば、ガスを兵器転用しようと考えているテロリスト
(園崎家実行部隊か?)がまず候補に挙がる。しかし、仮に兵器転用の事実があったとしても、
知っているのならばそれを直接伝えればいいだけの話である。
結局、どのように考えても明白な答えを導き出せない。真相は闇の中だ……。

※ことによると、何も知らずに殺される梨花を哀れに思った
 フレデリカが、気まぐれに赤坂に教えたという可能性も……。
 しかし、それではあまりにあんまりだ……。

〜梨花が豹変するのはなぜ?〜
梨花は、オヤシロさまとしての人格を宿す二重人格者。
梨花は幼少時からオヤシロさまの生まれ変わりとして祀られるうちに、
ストレスから逃避行動に出た。
冒頭の詩のフレデリカは彼女の二つ目の人格のこと。
つまり、古手梨花=フレデリカ。

〜電話線を切ったのは、誰が何のために?〜
梨花が、避けられない雪江の死を、赤坂に知らせまいとしたから。

〜雪江の死は誰の仕業?〜
梨花が彼女の死を知っていた(としか考えられない)ことを考えると、
犯行は計画的なものに間違いない。そして、おそらくは、園崎家の実行部隊の仕業だろう。
子ども好き(であると思われる)お魎の指示ではないと思われるが、それは確実ではない。
しかし、人質に取るならともかく、殺す意図が不明。
赤坂本人を殺す方が明らかに簡単であるからだ。
また、仮に見せしめであるとしても、
事故であるとの疑問をさしはさませる意図が不明である。
(大臣の孫誘拐事件においては、わざわざその存在を誇示している。)


〜結論〜
このように、オヤシロ様が犯人であるとすると、ほぼ全ての重要事項に説明がつく。
重要なのは、各編で実行犯が違うこと。犯行を決意させた主体が同じであること。
そして、そうなる理由を説明できること。
オヤシロさまが犯人であれば、たいていの現象を説明できるのだ。


〜ひぐらしはこうしてなかされていた〜
ここに、箱がある。その中にはクジがある。
参加者は1人1つクジを引かなければならない。
クジを引く人は、クジを引くまで中身を知ることができない。
そのクジにしたがって、どのテーブルに着くのか決まる。

いつか魅音の親類のホビーショップで行われた、組分けのクジの話である。
クジを引いた結果、部活メンバーは別々のテーブルに着くことになり、
決勝戦までお互い潰し合うということがなくなった。
おそらくは魅音がクジに細工をしていたのであろう。
おそらく、その仕組みはこうだ。
箱の中には2つの仕切られた部屋があり、Aの部屋にはAのクジ、Bの部屋にはBのクジがある。
箱の仕切りは可動性で、箱の底を持っている魅音が持ち方を変えることによって、
相手の顔を見ながらAのクジを引かせるか、Bのクジを引かせるかを選択できるのだ。

では、今度は最初の部活で争われたジジ抜きの話をしよう。
勝負の最後、魅音と圭一との戦いである。
魅音は圭一の思考を誘導し、裏をかいたつもりの圭一を負かした。
確かに、裏に気付かない可能性や、裏の裏に気付く可能性もあったと思う。
そうなると圭一が勝っていたわけだ。
しかし、圭一が裏のみに気付く可能性が最多であったと思われる。
仮に同じ勝負が綿流し編で行われたとしても、かなりの確率で魅音が勝っていた筈だ。

なお、この推理には、綿流し編に添えられた、「最多の可能性」という語句がヒントになる。
各編の登場人物は、一部を除いて同じ。
それなのに起きる事件が異なるのは、まさに可能性の問題なのである。
また、お疲れさま会で示されていた「ある説」が、公式設定である可能性もかなり高い。
大石の来訪を妨げるなど、一定の条件をクリアすれば事件が起こらないであろうという、
あの考え方である。

さて、それらをふまえて、ここに同じ大きさの箱が人数分あるとする。
そして、その中にはクジがある。
物語の参加者は1人1つクジを引かなければならない。
クジを引く人は、クジを引くまで中身を知ることができない。
そのクジにしたがって、その者にどの役割が用意されているのか決まる。
クジの内容は「死ぬ」「行方不明」「狂う」「狂わない」の4種類、といったところだろう。
(あるいは、狂った者が死ぬ運命にあるのかもしれないし、
行方不明と死ぬは同義なのかもしれないが。
その場合のクジは、「舞台外へ」「狂う」「ハズレ」の3種か?
思い切って、「狂う」「狂わない」の2種しかないという可能性もある。)

狂った者は何をするかわからない。人を殺すかもしれないし、殺さないかもしれない。
自滅するかもしれないし、しないかもしれない。
いずれにせよ、狂った者の行動が極端なものになるのは確かだろう。
ちょっとした怒りや悲しみから、今まで親しくしていた者でさえ容赦なく殺してしまうのだ。

鬼隠し編では、
「死ぬ」を引いたのが富竹。
「行方不明」を引いたのが鷹野。
「狂う」を引いたのが圭一、魅音、レナ。
「狂わない」を引いたのが梨花、沙都子。
綿流し編では、
「死ぬ」を引いたのが富竹。
「行方不明」を引いたのが鷹野。
「狂う」を引いたのが魅音。
「狂わない」を引いたのが圭一、レナ、梨花、沙都子、詩音。
といったところだろうか。

※クジの予想は一例である。
※クジに「狂う+死ぬ」など、複数の運命が示されている可能性もある。
※クジに「狂う」や「死ぬ」がなくても、狂った人間に殺されたり、
 狂った人間の影響を受けることによって狂う可能性があるとも考えられる。

言い方を変えると、5年目に犯人が出現することは決まっているが、
それが誰であるかは決まっていない。そして、これは被害者についても同様である。

では、富竹は必ず死に、鷹野は必ず行方不明になる。それはなぜか。

第一の可能性は、彼らの性向にある。箱そのものの大きさは同じであるにしても、
好奇心旺盛な彼らは箱の外見の細かな違いを察知し、
当たりに見える箱を必ず引き当ててしまうという可能性だ。
言い換えると、タブーに触れることを恐れないということだ。
真相を知ることを恐れず、また、探知能力もある。
したがって、箱の外見の細かな違いを察知する。
あるいは、暇潰し編のTIPSで示されたように、箱には明確な色の違いがある。
どちらにせよ、彼らは当たりだと思った箱を常に開ける。
おそらくは、好きな色の箱を開ける。ただそれだけである。
そして、そうだとすると、彼らが箱を開ける順番は最優先されているのだろう。
これにより、彼らの運命は決するのである。
第二の可能性は、神のいたずらにある。
神である作者が、彼らの引くクジを決めてしまっているのである。
富竹が引いたクジは常に同じクジになり、鷹野が引いたクジも常に同じクジになる。
そういうことなのである。

次にクジを引く人間は、おそらく圭一。
しかし、彼には好きな色が特に無いため、どの箱を開けるのかわからない。
言い換えると、村のルールに縛られないため、
どのような行動をも取りうるということだ。

残るクジはほぼ平等。
御三家の魅音ですら狂うこともあるし、梨花ですら死ぬこともある。
レナは狂ったり狂わなかったり。
校長と知恵先生は、「大人の都合」により、安牌を引く可能性が高い。
鉄平については、愛人のクジと連動しているのだろうか?
大石は安牌を引く可能性が高い。
祟殺し編では、「狂う」クジを引いた人物が何か「爆弾」を抱えてたのではないだろうか?


〜推理の種〜
まだまだ「なるほど」とは言えないけど、
調べてみれば「なるほど」と言えるかもしれない疑問点。
というか、ほとんど推測に推測を重ねたものであり、妄想の段階なのだけども。

・お魎はなぜバイクで出かけるのか
 雛見沢の最高権力者であるお魎は、習い事に行くのにバイクで出かける。
 体が悪いのに不自然ではないのか。
 確かに車より小回りは効くが、道が舗装されていないので危なくはないのか。
 家に家政婦がいるのに、なぜ1人乗りのバイクを自分で運転するのか。
 仮に秘密の話があるにせよ、相手を呼びつければいいのではないか。
 もちろん、習い事でも同じ。教える立場であるとはいえ、
 お魎がわざわざ出向いてくるなど、相手は間違いなく恐縮するであろうからだ。
 このことから、実はお魎が最高権力者で無い可能性が浮上する。
 もっと地位の高い人物の所に行くのか、それとも、出かけているお魎は影武者なのか……。

・魅音と詩音は本当に双子なのか
 三つ子や四つ子で、例えば依音(いおん)とか仁音(におん)、
 そういう名前の姉妹がいるのではないか。
 3人目がいるとすると、綿流し編で圭一を殺しにきた魅音を、精神がおかしくなった
 詩音との入れ替わりトリックなしで説明できる。(回りくどいトリックになるが……。)
 また、不用意にもバイクで出かけるお魎は、本人ではないのではないか。
(それが本人だとしても、最高権力者が別にいる可能性も浮上する。)
 言い換えると、本物のお魎は、別にいるのではないか。
 つまり、双子(あるいはそれ以上)が生まれやすい土地なのではないか。
 仮に雛見沢全体に双子(あるいはそれ以上)が生まれやすいとすると、
 鷹野三四の奇妙な名前と、彼女の死体にも説明がつく。
 彼女には一二とかそういう名前の姉妹がいて、
 死亡推定時刻が合わない彼女の死体は、一二のもの。
 見つかったのは三四の死体ではないとすると、死亡推定時刻のズレにも説明がつく。
 一卵性の双子の死体は、見分けがつかないからだ。(燃やすと、なおさらである)
 なお、大災害の時に死亡者リストにそれぞれの二人目以降の名前が載っていないのは、
 別の場所(園崎家の地下か竜宮家の地下?)で暮らしていたからであると思われる。

・竜宮レナは何者なのか
 第一に、苗字が大それている。
 公由は「鬼の字を崩したもの」
 園崎は「ハラワタを裂くもの」
 古手は「占い手」
 本編でこのような考察がみられる以上、苗字には何らかの重大な意味があると思われる。
 そして、レナの苗字である「竜」も「宮」も、明らかに位が高そうな名前である。
 竜宮家が、御三家に数えられない別働隊である可能性もある。
 ことによると、実行部隊の一員である可能性すらあった。
 (村の外に一時引っ越したのは、何らかの密命を帯びていたから?)
 そうだとすると、レナの家の描写が一切無いことの説明にもなる。

 いつからだろうか、礼奈はレナになった。
 「レイナ」から「レナ」には「イ」がない。つまり、胃が無い。
 これは、ハラワタを裂く園崎の仲間になった証ではないのだろうか。
 鉈を持って村をぶらつくことが許容されているのは、
 それなりの裏づけがあるのではないだろうか。

 ※ことによると、名前変更は狂った過去の自分との決別の証なのかもしれないが……。

・「見立て」ではないのか
 発見された残虐な殺され方の死体には、別の意図があるのではないか。
 首をかきむしっていた富竹の死体は、首に何か手がかりがあったのではないか。
 もし彼の首に手がかりがあったとすると、それは注射痕ではないのか。
 焼かれた鷹野の死体は、別人のものではないか。
 (焼かれると本人か断定しづらい。)
 6分割された監督の死体は、別人のものではないか。
 (前述のように、完全な状態で頭が発見されなければ、判別しにくいはず)
 頭を潰された沙都子の叔母は、潰される前から頭に傷を負って死んでいたのではないか。

・鷹野三四
 殺される理由は一見明快だが、犯人が園崎家や村全部でないとすると、それすらも
 急に謎になる。また、作中キャラの名前は、園崎家(と、大石も?)以外はほぼ常識的な
 ものである。にもかかわらず、三四という名前は違和感を感じる。
 昭和の農村なのに、なぜか金髪。彼女もまた北条家と関係があるのだろうか。
 悟史は、3・10・4と数字表記に直せる。沙都子も3・10・5と直せる。
 3・4と表記できる三四には、北条家とのつながりがあるのか?

 ※悟史が三四になっている可能性も考えたが、よく考えると無理がある上に、メリットが無い。
  富竹と「やらないか」なのも非常に嫌である。
  でも、仮に悟史が沙都子とそっくりの美少年なら……やっぱり嫌だ。

 また、魅音は3・音
 そして、詩音は4・音
 3・4でみよ(三四)
 また、同じ作品の登場人物なのに、「みおん」と「みよ」は、
 公式には血縁関係がないにもかかわらず、語感が似通っている。
 鷹野三四は、ことによると園崎家と何か関係があるのだろうか?

・舞台設定
 なぜ昭和58年なのか。作者いわく、「崇りがあってもおかしくない年代」だそうだが
 昭和の時代に崇りがあっても十分おかしい。ということは、この舞台設定には何か別の
意図があるのではないか。例えば、DNA鑑定が使えないことによる死体偽装の容易化、
当時は知られていなかった知識(特に、化学薬品)を使った犯行などである。

・ブロッコリーとカリフラワー
 沙都子は見分けがつかないそうであるが、どうやったら間違えられるのだろうか。
 考えられるのは色覚障害くらいしかないと思うが、ことによるとこれが
 大きな手がかりになるのかもしれない。

・大石とガスの影響
 かなり前から興宮と雛見沢を行き来していた大石には、村を出たことによる祟り(実際は
 ガスの影響なので、村の一員でなくても作用する)はないのだろうかとの疑問が生じる。
 この点については、村に長期滞在するわけでないので依存症になりにくい上、
 現職のベテラン刑事として強靭な精神力を持っているため、
 平時に限ってはガスの影響はほとんどないと考える。
 数日滞在した後に襲われただけで狂い死ぬヘタレと富竹との、そこが差なのである。

※あるいは、雛見沢(ガスの影響下)にいるときの自らの頭の冴えを
 ベテラン刑事としてのカンが働いたものと勘違いしている可能性もある。

・部活の意味
 魅音が選んだ部活の内容には、全て意味があるのではないか。
 (これは、作者の意図が魅音に作用したもので、魅音の意図ではない。)

 ゾンビ鬼が意味するのは、伝染性と潜伏性の暗示。
 危険な者が1人いれば、その危険性ははたちまち全体に伝染するのである。
 また、危険な者が無害を装って逃げるふりをしていれば、
 外見からはその者が有害な鬼だとはわからないのである。

 ジジ抜きが意味するのは、トリックの存在の暗示。
 一見不可解な現象にみえたとしても、種もしかけもあるのである。

 犯人当てゲームが意味するのは、舞台構造の暗示。
 ゲームごとに殺人者の役がランダムに参加者に割り振られるのである。

・ひぐらしだけが知っている?
 圭一は、ひぐらしだけが真相を知っているのではないかと、漠然とながら感じた。
 一見突拍子もない感想のようだが、後に真実だとわかると物語に深みが増す。
 ということは、ことによると、これは真実なのではないか。
 ひぐらしにしか気付き得ない何かがこの村にはあるのではないだろうか。

・なく頃に
 何の変哲も無いタイトルが真相を突いていると判明すれば、物語に深みが増す。
 ということは、ことによると、ここから真相を導き出せるのではないか。
 「なく」は平仮名、「頃に」は漢字。
 「なく」はわざわざ平仮名にされており、文字も赤い。
 「なく」は「鳴く」と「泣く」をかけているのではないだろうか。
 そして、赤い文字での強調にも、何か深い意味があるではないか。

・圭一は沙都子が助けた?
 オヤシロさまの力でないのならば、圭一がガスで死ななかった理由は謎である。
 しかし、こう考えることはできないだろうか?
 立ち込める有毒ガスの中、圭一を安全な場所まで必死で運ぶ沙都子。
 自分がガスを吸うのも省みず、全力で引っ張る沙都子。
 圭一の無事を確認したものの、合わせる顔がなく去っていく沙都子。
 そう考えると絵になるので、脚本的にはそれが真実なのかもしれない。

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