第99話・



みつばたちはダーマに飛んだ。
魔法戦士のみつばがレベル15になっているので、新しい試練を受けることができるのだ。



スカリオ
「へぇ、レベル15を超えた魔法戦士になったのかい? なかなかやるじゃない。
 フォース道ともいうべき、このボクが考えた麗しきトレーニングを、キミもやってみるかい?
 まず、ホワイトランサーの守備力を、ルカニで下げるんだ。それも、かなりね!
 でね、ファイアフォースを発動するのさ。あとは、炎をまとった通常攻撃で、華麗にとどめをさす。
 フフン、これは、けっこう快感だよ。魔物は、キミを見てこう思うはずさ。
 うわっ! なんて華麗なんだ! こんな戦い見たことない!」



いや、殴られながらそんなこと思ってるやつがいたら、怖いわ。



スカリオ
「この人間に戦いを教えた人は、きっと麗しき魔法戦士なんだな! ってね。」



いや、戦いは習ってないし。



スカリオ
「フフン、もちろん、やるよね?」
みつば
「いいえ」
スカリオ
「そうか……。わかったよ。しょせん、キミとはわかりあえない運命にあるらしいね。
 こんなにあっさり断るなんて、ボクの心はキズついたよ……。もういい。放っておいてくれ。」



結局、受ける。
そして、ナザム村へ。
レベル15の戦士になったふたばがいるので、新しい試練を受けられるのだ。



トクゾー
「おお! ようやく見つけただよ! レベル15以上の戦士様だな! オラの名はトクゾーだあ!
 オラ、ウデの立つ戦士様を探しに、この村に来ただ! なあ、聞いてくんろ!
 オラ、魔物の話を聞いちまったんよ! 人間の味が忘れられねえ……。
 オラのふるさとを襲って、人間どもを一人残らず食っちまおうって。
 こげなこと、ふるさとに知れ渡ったら、たちまちパニックになっちまう。
 オラたちで、なんとかするしかねえ。」



で、ふるさとを離れてるわけか?



トクゾー
「そこで、戦士様よ。疑ってるわけじゃねえが、戦士としての器ってもんを見せてくれねえか?
 んだなあ。どの魔物相手でもいいから、通所攻撃して、会心の一撃で3回とどめを刺してきてくんろ。
 だが、ただ倒すだけじゃダメだ。魔物を怒らせて、注意を向かせた後に、会心の一撃でとどめを刺すんだ。」



ふるさとが大変なときに、えらい悠長な腕試しだなオイ。



トクゾー
「どうだべ? 頼まれてくれるだか?」
みつば
「いいえ」



トクゾー
「うーん……。なんとかなるかもしれねえし……。それならそれで、別にいいだよ。
 ふたり用心棒をやとっちまってるし、3人目をやとっちまうと、こっちの出費もバカにならねえしな。」



結局、受ける。



トクゾー
「怒ってる魔物ならどれでもいいから、通常攻撃して、会心の一撃で、3回とどめを刺してきてくんろ。
 難しい話だけどよ……。魔物になんやかったりすると、怒ってこっちに注意を向けるときがあるだ。
 魔物を怒らせて、注意を向かせた後に、会心の一撃でとどめを刺すだよ。」



このクエスト、口笛で怒らせれば比較的簡単だが、その習得が意外と難しい。
みつばは現在勇敢スキルに16ポイントまで割り振っているので、一見12ポイントで済む。
が、その12ポイント、意外に重いのである。
攻防一体となった勇敢スキル習得の過程と割り切れればいいのだが、攻撃は素手スキルの方が格段に強く、
守備力とHPの総合なら、博愛スキルに分がある。
したがって、それらを差し置いて、これ以上勇敢スキルに割り振るのは避けたいところだ。
結局、口笛習得はなしいうことにし、達成できればラッキー程度の心構えでいく。
もしも達成が困難そうなら、怒らせる手段は別にあるからだ。

さて、ファルコのところに行き、メイジキメラのはね入手を報告する。



ファルコ
「おお、あなたは! どうです? メイジキメラのはねは、手に入りましたか?」
みつば
「いいえ」
ファルコ
「ああ、まだ手に入らないんですね。いいんです、いいんです。あせらなくて!
 ボク、まだまだ待てますからね!」



結局、渡す。



ファルコ
「これがメイジキメラのはねですか?
 わぁ……キレイだなぁ。ククリちゃんにぴったりだ!
 これで髪飾りを作ってプレゼントすれば、きっと、ククリちゃんはボクにメロメロです!」



お礼に、マジカルスカートをもらった!



ファルコ
「へへ、ククリちゃんカンゲキして、握手とかしてくれたりして!
 へへ、へへへ……。ハッ! ボクは何を……! は、早く髪飾りを作ろっと。」



クエスト031『ボクのアイドル』クリア!



ファルコ
「ああ、ククリちゃんに髪飾りを渡すだなんて、ドキドキするなぁ。
 手と手が触れ合って、こ、恋に落ちちゃったりして! へへ、へへへ……。」



なお、こいつ、いつまで経っても結局渡せない。
強そうな名前の癖して、シャイなヤツなのである。


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