最終話・ある勇者の子孫に花束を



主に武道家綾香の大活躍によって、大魔王ゾーマを倒した!
なお、あえて言うなら、この戦いで一番役に立たなかったのは、
こつこつダメージを与え続けるにとどまった勇者佐祐理である。
装備が強いので仲間を守る盾にはなったが、
魔法なしの戦闘能力では、やはり武道家には勝てない。
ともあれ、アリアハン出発から魔法を一切使わず、
ついにゾーマを倒すことができた!

ゾーマ
「佐祐理よ……。よくぞ、わしを倒した。」

……いや、倒したのは主に綾香なんです。

ゾーマ
「だが、光ある限り、闇もまた、ある……。
 わしには見えるのだ。
 再び何者かが闇から現れよう……。
 だが、そのときはお前はもはや生きてはいまい。
 わははは…………っ。ぐふっ!」

お約束の「ぐふっ!」を忘れず、ゾーマは消滅した。

ゾーマの死によってあたりに炎が広がる。
原因不明の地割れもあいまって、城は今にも崩れ落ちようとしていた。
佐祐理はキメラの翼で脱出しようとしたが、天井に頭をぶつけてしまった。
考えてみればここは地下だから当然の結果か……。

歩いて城を出ようとしたが、途中で地割れに飲み込まれてしまう。
しかし、なぜか勇者の盾を手に入れた洞窟の地割れから
飛び出してきてしまった。原理は不明だが、ここから外を目指す。
後ろから地割れが追ってきたが、逃げ切って洞窟の外へ。
外に出たところ、空の上のほうで何かが閉じたような音がした……。
そして、辺りに虹色の光が広がり、
闇の世界アレフガルドに太陽の光が戻ってきた。

佐祐理たちはキメラの翼を使い、アレフガルドの各地を回ることに。
各地の人々は、太陽の光が戻ってきたことを口々に喜んでいた。

リムルダールの町娘
「ああ、光がこんなにもまぶしいだなんて……!
 まるで夢のようですわ!」

……彼らの子孫はずっと夜が来なくても疑問とか持たないんだよな。
なんとも両極端な世界だ……。


ともあれ、全部の町を回って人々の話を聞いて回り、
最後にラダトームの城の王様の前へ。
勇者佐祐理の装備を軒並み物凄いアイテムに変更してから、
ずっと前に拾った消え去り草を使い、大臣たちに話しかけてみる。


大臣
「ひえっ!」
兵士
「あれ? なんだろう。空耳かな。」

よし、確実に姿は消えている!

そして、ラルス王に話しかけるが、
王様はなんの異常もないかのように話を進める。
王様によって佐祐理に勇者ロトの称号が与えられた。
そして、主役の姿が消えているにもかかわらず、
祝の宴は滞りなく進んでいく。
驚くべきことに、王様以外の人々にも、
透明人間となった佐祐理たちが見えているようだった。

〜ナレーション〜
かくして、ロトの称号を受けた佐祐理は、
ここアレフガルドの英雄となる。
だが、祝の宴が終わった時、
佐祐理の姿はどこにもなかったという。

……祝の宴の最中から姿はありませんでしたが?

〜ナレーション〜
そして、彼女が残していった武器・防具はロトの剣、ロトの鎧として、
聖なる守りはロトの印として後世に伝えられたという。

……ちなみに、祝の宴の開始前の佐祐理の装備は、次の通り。

武器:諸刃の剣(呪) 鎧:地獄の鎧(呪) 盾:おなべのフタ(弱) 
兜:不幸の兜(呪) その他:石のカツラ(呪)

嘆きの盾を手に入れることができなかったのが唯一の心残りだ。
漫画「ロトの紋章」に出てきた「剣王」みたいな呪い装備である。
ていうか、ちゃんと外せたのか!?


〜ナレーション〜
そして伝説がはじまった……!

……こんな装備で戦うロトの子孫も大変だよなぁ。

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