第34話・パニック・イン・アリアハンキャッスル


勇者佐祐理の攻撃で、ついにバラモスを倒した!

バラモス
「ぐうっ……お……おのれ、かおり……
 わ……わしは……あきらめ…ぬぞ…ぐふっ!」

お約束の「ぐふっ!」とともに、バラモスは息絶えた。

……最後まで勇者は無視かよっ!

眠りの杖の成功率はさほど上がっていないが、
今回の戦闘では相手がなかなか起きなかったので助かった。
常に先手を取り、1人の重傷者もなく勝利できたのは、
いままでの戦いを考えるとやはり奇跡に近い。

暖かい光があたりを包む……。
かおりたちのHPとMPが回復した!
どこからともなく声が聞こえる……。
声の主はいつか夢で見た人と同一人物のようなのだが……。
ともあれ、声の主によって、一行はアリアハンへと転送された。

勇者佐祐理がバラモスを倒したというウワサは、
すでにアリアハンへも届いていた。
ていうか、広まるの早すぎ。
佐祐理は誘惑の剣を手にするために一足飛びにポルトガへ飛ぼうとするも、
キメラの翼ではアリアハンに飛ぶことしかできないようだ。
イベントの都合のためか、周囲にラーミアもいないし船もない。
しかも、ご丁寧に敵まで出現しなくなっているようだ。
佐祐理たちは、いっそのこといざないの洞窟に行き、
旅の扉を抜けてポルトガを目指すことにする。
しかし、旅の扉の目前の通路には、
かつては魔法の玉で壁を壊す場所にいた老人が立ちふさがっていた。

老人
「ほう……。これが旅の扉か……。
 いや、実はわし、この目で見るのは初めてなんじゃよ。」
 
……などといいつつ、老人はここを動く気はなさそうだ。

……シャア、謀ったな!!

念のために草原のほこらを覗いてみるが、案の定、
兵士が立ちふさがっていて旅の扉は使えない。

仕方がないのでアリアハンに戻る。
あちこち歩き回ったせいで、戻った頃には夜になっていた。

王様にバラモスを倒したことを報告しようと城に入ると……。

兵士
「王様はすでにお休みのはずだ!」

……通してもらえなかった。
魔王を倒した勇者に対して、それはあんまりだろう。


さて、家に泊まろうと思ったがなぜか泊めてもらえなかったので、
外を歩いて朝になってからアリアハンに戻る。
……自分、こんなところで何やってるんだろう。
そして、今度こそ素直に人々の祝福を受けてから
城にて王様にバラモスを倒したことを報告する。
もし勇者1人でバラモスを倒せばバスタードソードをくれるのだが、
魔法なしでバラモスを倒した佐祐理たちには何もくれなかった。

……なんでもいいから、くれよ。(泣)
レベルアップが遅い分、正直言って勇者1人より辛かったんだから……。


さて、王様への報告を終えてめでたいのでこれから祝宴でもというときに、
突如周囲が暗くなり、落ちてきた稲妻によって兵士が6人ほど消し飛んだ。

ゾーマ
「わはははははっ! 喜びのひと時に少し驚かせたようだな。
 我が名はゾーマ。闇の世界を支配する者。
 このわしがいる限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう。
 さあ、苦しみ、悩むがよい。
 そなたらの苦しみはわしの喜び。
 命あるもの全てを我が生贄とし、絶望で世界を覆いつくしてやろう。
 我が名はゾーマ。全てを滅ぼす者。
 そなたらが我が生贄となる日を楽しみにしておるぞ。
 わははははははっ…………!」

……このゾーマのセリフから、重要な事実が発覚した。
なんと、彼のセリフの中に、『我が名はゾーマ』が2回あるのだ。
メモ取ってなきゃ気付かなかったが……なんて魔王だ!

こんな自己主張の強い奴にこの世界を自由にさせるわけにはいかない。
闇の世界に行って、なんとしてもゾーマを倒さなければならない!

……その前に、こちらの世界でやり残したことをやっておこうか。

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