第15話・このていっぱいの薬草を



旅の扉は、ヒミコの屋敷に通じていた。
ヒミコは声を出さず、頭の中に直接話しかけてきた……。

ヒミコ
「わらわの本当の姿を見た者はそなたたちだけじゃ。
 だまっておとなしくしている限りそなたを殺しはせぬ。
 それでよいな?」
一太郎
「はい。」
ヒミコ
「ほほほ……よい心がけじゃ。」

このまま放っておいても、相手の傷が癒えることはない。
いったん態勢を整えるために、ヒミコと話をつけておく。
一太郎のルーラでアリアハンに戻り(一太郎は攻撃で手が離せないので、
ホイミを使う余裕なんてなかった)、態勢を整えることにする。

今回失った祈りの指輪は、とてつもなく大きな損失だった。
しかし、ボストロールにはラリホーは効かないし、いつ痛恨の一撃が
飛んでくるかもわからない。やまたのおろちも、2戦目はラリホーが
効かないので、同様に、祈りの指輪を使う余裕もあまりない。
したがって、勝つためには仕方ない出費だったと考えよう。
元々、サマンオサの洞窟で壊れることも覚悟はしてたし。
(やまたのおろち戦で必要になったのが、そもそも想定外だった。)

しかし、ラリホー連発が、MPをこれほどまでに消費するとは……。
(注:当たり前です。)
さて、ベホイミが使えない以上、薬草=MP消費なしのホイミといえる。
つまり、薬草は、最強の回復手段であるかに思えたホイミの、
上位互換なのである。薬草は持てる数に限りこそあるものの、
ホイミが使える3人については、使い果たせばホイミに
切り替えればいいだけの話なので、問題はない。

一行はすごろく場で稼いだ潤沢な資金を惜しげもなくつぎ込み、
両手と袋を薬草がいっぱいセットにする。
両手いっぱいの薬草を腕に抱いて、やまたのおろちと再戦だ。

さて、瀕死のやまたのおろちだが、先ほどとは攻撃パターンが多少異なる。
まず、ラリホーが効かなくなっているのが最大の違い。
次に、今までは1〜2回攻撃だったのが、常に2回攻撃になっている。
そして、燃え盛る火炎の他に、威力の弱い火の息も吐いてくる。
燃え盛る火炎については、吐いてくる確率が多少減っているようだ。
しかし、40ターンも戦っていれば、2連続で燃え盛る火炎を吐いてくる
ということも、何回かはあるだろう。
それをまともに食らえば、HPの低い僧侶2人は確実に死亡する。
したがって、吐いてくるターンには2人とも防御していなければならない。
早めに防御態勢を整えて、2人を防御させる必要があるだろう。
そうなると、魔法使いの充の薬草が重要になってくる。
また、最大の回復手段がホイミである以上、ターンをまたいで燃え盛る
火炎を吐かれても、死に直結する。
今回は、かなりの部分を運に頼った戦いになりそうだ。

一太郎は、おろちが落とした草薙の剣を装備し、攻撃力が大幅に上がった!
一行は、冒険の書に記録し、キメラの翼でジパングへ。
HPの高い充を先頭にし、ヒミコに話しかける。

   充(魔) LV:10 HP:82 MP:47 攻撃: 12 守備:78
 一太郎(勇) LV: 9 HP:62 MP:42 攻撃:123 守備:121
  薫子(僧) LV:10 HP:56 MP:50 攻撃: 21 守備:108
  織絵(僧) LV:10 HP:51 MP:54 攻撃: 20 守備:100

ヒミコ
「わらわの本当の姿を見た者はそなたたちだけじゃ。
 黙っておとなしくしている限り、そなたを殺しはせぬ。
 それでよいな?」
一太郎
「いいえ」
ヒミコ
「ほほほ、そうかえ。
 ならば生きては帰さぬ! 食い殺してくれるわ!」

☆VSやまたのおろち

1ターン目。
薫子はマヌーサを唱えたが、やまたのおろちには効かなかった!
やまたのおろちは一太郎を攻撃。
さらに、火の息を吐いて全体にダメージ。
充はスカラで自分の守備力を上げた。
織絵はルカニを唱えたが、やまたのおろちには効かなかった!
一太郎は身を守っている。

2ターン目。
やまたのおろちは一太郎を攻撃。
さらに、燃え盛る火炎で全体にダメージ。
充はスカラで一太郎の守備力を上げた。
薫子はマヌーサを唱えたが、効かなかった。
織絵はルカニを唱え、やまたのおろちの守備力をダウン。

3ターン目。
薫子は薬草を使い、一太郎を回復。
やまたのおろちは充を2回攻撃したが、2回ともミス!
充は薬草で織絵を回復。
織絵はマヌーサを唱え、やまたのおろちを幻に包んだ!

4ターン目。
薫子は身を守っている。
やまたのおろちは火の息を吐き、全体にダメージ。
やまたのおろちは燃え盛る火炎を吐き、充と薫子が死亡。
リセット……。

第14話へ
第16話へ

トップページへ